【2024年最新】育休中の住宅ローン減税は対象?制度の基本と適用条件
育児休業(育休)中の収入減は、家計にとって大きな関心事です。特に住宅ローンを返済中の方にとって、「今まで受けていた住宅ローン減税は、育休中も継続できるのか?」という疑問は切実でしょう。
結論から言うと、育休中であっても住宅ローン減税(正式名称:住宅借入金等特別控除)の適用対象となるケースがほとんどです。 収入が一時的に減少する育休期間だからこそ、この制度を正しく理解し、最大限に活用することが重要になります。
ここでは、住宅ローン減税を育休中に受けるための基本から、2024年の改正点までを分かりやすく解説します。
住宅ローン減税(控除)とは?制度の基本をおさらい
まず、住宅ローン減税の基本的な仕組みを確認しましょう。これは、住宅ローンを利用してマイホームを取得・リフォームした場合に、年末時点の住宅ローン残高に応じて所得税が控除される制度です。家計へのメリットが大きい重要な制度と言えます。
【住宅ローン減税の主なポイント】
- 対象: 新築・中古住宅の購入、リフォームなど
- 控除額: 年末時点の住宅ローン残高 × 0.7%(上限あり)
- 控除期間: 原則13年(中古住宅は10年)
- 税金の種類: 所得税から控除。控除しきれない場合は住民税からも一部控除
この制度があることで、多くの家庭が住宅取得の負担を軽減できています。育休中もこの恩恵を継続して受けられる可能性があることを覚えておきましょう。
2024年の住宅ローン減税制度改正のポイント
2024年度の税制改正により、住宅ローン減税制度にも変更点があります。特に子育て世代に関わるのが、省エネ性能の高い住宅への優遇と、借入限度額の見直しです。
【2024年以降の主な変更点】
- 省エネ基準適合義務化と借入限度額:
- 2024年以降に建築確認を受けた新築住宅は、原則として省エネ基準への適合が必須となりました。
- 「長期優良住宅」や「ZEH水準省エネ住宅」といった高性能な住宅は、引き続き高い借入限度額が設定されています。
- 2024年以降に建築確認を受けた「その他の住宅(省エネ基準を満たさない住宅)」は、住宅ローン減税の対象外となるため注意が必要です。
- 子育て世帯・若者夫婦世帯への優遇:
- 2024年に入居する「子育て世帯(19歳未満の子を持つ世帯)」または「若者夫婦世帯(夫婦いずれかが39歳以下の世帯)」が省エネ性能の高い住宅を取得する場合、借入限度額が上乗せされる優遇措置が講じられています。例えば、長期優良住宅の場合、一般世帯の借入限度額が4,500万円に引き下げられるところ、子育て・若者夫婦世帯は5,000万円に据え置かれます。これは育休中の家庭にとって大きなメリットです。
これらの変更点は、これから住宅の購入や売却を検討する方に大きく影響します。
住宅ローン減税を育休中に受けるための基本条件
育休中であっても、住宅ローン減税を受けるには制度共通の基本的な条件を満たす必要があります。
- 合計所得金額が2,000万円以下であること
- 減税を受ける年の合計所得金額が2,000万円を超えると対象外です。育休中は育児休業給付金が非課税のため、課税所得は通常減少し、多くの方がこの条件を満たしやすくなります。
- 住宅の床面積が50平方メートル以上であること
- 取得した住宅の床面積が50㎡以上必要です。ただし、合計所得金額1,000万円以下の場合、40㎡以上50㎡未満の住宅も対象となる特例があります(2024年末までの建築確認に限る)。
- 取得後6ヶ月以内に居住し、年末まで引き続き居住していること
- 住宅を取得してから6ヶ月以内に住み始め、その年の12月31日まで住み続けている必要があります。
- 住宅ローンの返済期間が10年以上であること
- 借り入れた住宅ローンの返済期間が10年以上であることが条件です。
- 自己の居住用であること
- 賃貸や事業用ではなく、自身や家族が住むための住宅である必要があります。
これらの条件は、住宅ローン減税を受ける上での大前提となります。
所得税0円なら要注意!住宅ローン減税が育休中に減る仕組み
基本的な条件を満たしていても、育休中の収入変化によって住宅ローン減税の恩恵を十分に受けられないケースがあります。その理由は、住宅ローン減税が「納めた税金(所得税・住民税)から差し引く(還付する)制度」だからです。
ここでは、育休が控除額に与える具体的な影響について詳しく解説します。
育休中に所得税・住民税が0円になるカラクリ
育児休業中に受け取る「育児休業給付金」や、産休中の「出産手当金」は、雇用保険や健康保険から支給される生活保障給付です。そのため、税法上「非課税所得」として扱われ、所得税や住民税の計算対象には含まれません。
例えば、1月1日から12月31日まで丸1年間育休を取得した場合、その年の給与所得は0円になります。他に課税所得がなければ合計所得金額も0円となり、その年に納めるべき所得税は0円になります。さらに、その所得を基に計算される翌年度の住民税も0円になる、というケースが発生します。
住宅ローン減税は「納めた税金」以上には戻ってこない
ここが最も重要なポイントです。住宅ローン減税の控除額は「年末ローン残高の0.7%」と説明されますが、これはあくまで**控除額の「上限」**です。
実際の控除額は、以下の2つの金額を比べて少ない方の金額が適用されます。
- 年末ローン残高 × 0.7% (控除額の上限)
- その年に納める所得税額 + 住民税からの控除上限額 (実際に納める税金)
つまり、控除額の上限(①)がどんなに大きくても、そもそも納める税金(②)が0円であれば、差し引く税金がないため還付額は0円になってしまいます。住宅ローン減税を育休中に全く受けられない事態も起こり得るのです。
【シミュレーション】育休が控除額に与える影響を比較
具体的なモデルケースで見ていきましょう。
【前提条件】
- 年末の住宅ローン残高:4,000万円
- 住宅ローン減税の最大控除額(上限):4,000万円 × 0.7% = 28万円
- 住民税からの控除上限額:5万円(※2022年以降の入居者の場合)

ケース1:通常通り勤務していた年
- 所得税額:約57万円
- 住民税額:約50万円
納める所得税額(約57万円)が最大控除額(28万円)を上回っているため、所得税から**上限額の28万円が全額控除(還付)**されます。 → 減税メリット:28万円
ケース2:1年間を通して育児休業を取得した年
- 所得税額:0円
- 住民税額:0円(※育休2年目以降に0円になることが多い)
控除の元となる所得税・住民税がどちらも0円です。最大28万円の控除枠があっても、差し引く税金がないため、還付額は0円となります。 → 減税メリット:0円
ケース3:年の途中(例:7月)から育児休業に入った年
- 課税所得:150万円(1月~6月分の給与)
- 所得税額:約7.25万円
- 住民税額:約15万円(※前年の所得に基づく)
まず、所得税から7.25万円が全額控除されます。 最大控除額28万円のうち、まだ控除しきれていない枠は「28万円 – 7.25万円 = 20.75万円」です。 次に、この残りの枠を住民税から控除しますが、住民税からの控除には5万円の上限があります。そのため、住民税からは上限の5万円が控除されます。
- 所得税からの控除:7.25万円
- 住民税からの控除:5万円
- 合計控除額:12.25万円
このケースでは、最大28万円の控除枠がありながら、実際の減税メリットは12.25万円にとどまります。
このように、育休を取得するタイミングによって、住宅ローン減税を育休中に受けられる恩恵は大きく変わります。
夫婦で賢く活用!住宅ローン減税を育休中に満額受ける対策
育休中に自身の所得がなくなると、住宅ローン減税の恩恵を受けられなくなる可能性があります。しかし、住宅ローンの「組み方」を工夫することで、世帯全体として減税効果を最大限に引き出すことが可能です。
ここでは、夫婦で住宅ローンを組む際の代表的な方法を取り上げ、育休中の住宅ローン減税がどうなるのかを比較・解説します。
住宅ローンの組み方は主に3種類
夫婦で住宅ローンを組む際の主な選択肢は3つです。それぞれメリット・デメリットがあり、減税の適用方法も異なります。
単独ローン 夫または妻のどちらか一方が単独で契約者となる方法。手続きはシンプルですが、借入額は一人分の収入で審査されます。
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ペアローン 夫婦がそれぞれ住宅ローンを契約し、お互いが相手のローンの連帯保証人になる方法。契約が2本になり、それぞれが住宅ローン減税の対象となります。
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収入合算 夫婦の収入を合算して借入額を増やす方法。2つのタイプがあります。
- 連帯債務型: 夫婦の一方が「主債務者」、もう一方が「連帯債務者」となります。二人とも返済義務を負い、持ち分に応じてそれぞれが住宅ローン減税の対象となります。
- 連帯保証型: 一方が「主債務者」、もう一方が「連帯保証人」となります。減税の対象となるのは主債務者のみです。
重要なのは、**「住宅ローン減税は、そのローンの債務者でなければ適用されない」**という点です。
【ローン別】住宅ローン減税、育休中の控除額はどう変わる?
妻が育休を取得し、その年の所得税・住民税が0円になったと仮定して、各ローンでの減税効果を比較します。
ケース1:夫の単独ローン
減税対象は夫のみ。妻が育休を取得しても、夫はこれまで通り減税を満額受けられます。世帯としての減税ロスは発生しません。
ケース2:妻の単独ローン
最も注意が必要なパターン。債務者である妻の納税額が0円になると、減税による還付額も0円になり、世帯全体で大きな損失となります。

ケース3:ペアローン
夫婦それぞれが自身のローン残高に応じた減税を受けられます。妻の減税額は0円になりますが、夫は自身のローン契約に対して減税を受けられるため、世帯全体のロスを最小限に抑えられます。
ケース4:収入合算(連帯債務型)
ペアローンと同様に有効な方法です。夫婦ともに債務者となり、持ち分に応じてそれぞれが減税対象となります。妻の減税額は0円になりますが、夫は自身の持ち分に応じた減税を引き続き受けられます。
ケース5:収入合算(連帯保証型)
減税対象は主債務者のみです。
- 夫が主債務者: 妻が育休に入っても、夫が減税を満額受けられるため、世帯としてのロスはありません。
- 妻が主債務者: 妻が育休に入ると、世帯として住宅ローン減税を全く受けられなくなります。
このように、ローンの組み方ひとつで育休中の減税効果は大きく変わります。
失敗しないための持分設定と主債務者の選び方
将来の育休取得を考えると、ローンの組み方と不動産の「持ち分」設定は非常に重要です。
共働きで借入額を増やしたい場合、ペアローンか収入合算(連帯債務型)が最もリスクの少ない選択肢と言えます。近い将来に育休を取得する可能性が高い方を、単独ローンの債務者や連帯保証型の主債務者に設定することは、住宅ローン減税を育休中に最大限活用する観点から避けるべきでしょう。
ペアローンや連帯債務型を選ぶ際に重要なのが**「持ち分割合」です。不動産の所有権の割合を示す持ち分は、原則として「物件購入時の資金の出資割合」**と一致させる必要があります。
例えば、5,000万円の物件に対し、夫が3,000万円、妻が2,000万円を負担した場合、持ち分は「夫:3/5、妻:2/5」と登記します。住宅ローン減税もこの持ち分割合に応じたローン残高を基に計算されます。もし出資割合と持ち分割合が大きく異なると、贈与税の対象と見なされる可能性もあるため注意が必要です。
損しないための手続き|住宅ローン減税、育休中の年末調整・確定申告
最適なローンを組んだら、次は住宅ローン減税を受けるための手続きです。特に育休期間を挟む場合は手続きが通常と異なるため、正しい知識が不可欠です。
ここでは、育休中の住宅ローン減税で損をしないための具体的な手続きを、初年度の確定申告から2年目以降の年末調整まで解説します。
【初年度】すべての始まりは「確定申告」から
住宅ローン減税を受けるには、住宅を購入・入居した翌年に、必ずご自身で確定申告を行う必要があります。これは会社員でも例外ではなく、最初の1年目は必須の手続きです。
確定申告に必要な主な書類
- 確定申告書
- (特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書
- 住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書(金融機関から郵送)
- 建物の登記事項証明書(登記簿謄本)
- 不動産売買契約書または工事請負契約書の写し
- 源泉徴収票(勤務先から発行)
- マイナンバーカードなど
これらの書類を揃え、原則として入居翌年の2月16日から3月15日までに税務署へ申告します。
もし年末時点で育休中でその年の所得税を納めていない場合、確定申告をしても還付は受けられません。しかし、2年目以降の手続きをスムーズに進めるためにも、初年度の確定申告は忘れずに行いましょう。
【2年目以降】住宅ローン減税、育休中の年末調整3つのケース
初年度の確定申告を済ませれば、2年目以降は勤務先の年末調整で手続きが完了します。しかし、育休が絡むと状況が複雑になるため、ご自身の状況に合わせた対応が必要です。
ケース1:1年間(1月〜12月)まるまる育休だった場合
このケースでは給与収入がなく所得税も発生しないため、控除を受けることはできず、年末調整の手続きも不要です。会社から書類提出を求められても、「住宅借入金等特別控除申告書」などを提出する必要はありません。

ケース2:年の途中で育休に入った場合
年の途中まで勤務していた場合、その期間の給与収入に対して所得税が課税されているため、年末調整の手続きが必要です。税務署から送られてくる「住宅借入金等特別控除申告書」と金融機関からの「年末残高等証明書」を勤務先に提出します。ただし、年収が下がることで所得税額も減るため、控除額が満額受けられない可能性があります。
ケース3:年の途中で育休から復職した場合
年の途中から給与収入が発生するケースも同様に、年末調整の手続きが必要です。手続き方法はケース2と同じです。復職後の給与に基づいて所得税が計算され、その金額を上限として減税が適用されます。時短勤務などで年収が産休前より低くなる場合、同様に控除額が所得税額の上限に達してしまう可能性があります。
iDeCo・ふるさと納税を併用する際の注意点
iDeCo(個人型確定拠出年金)やふるさと納税は賢い節税策ですが、住宅ローン減税との兼ね合いには注意が必要です。
控除には2種類あります。
- 所得控除:iDeCo、ふるさと納税など。課税対象の「所得」を減らす。
- 税額控除:住宅ローン減税。計算された「所得税額」から直接差し引く。
税金の計算は、①所得控除を適用して課税所得を確定させ、②所得税額を算出し、③最後に税額控除を差し引く、という順番です。
つまり、iDeCoなどを利用して所得控除を増やすと課税所得が減り、結果的に納める所得税額も少なくなります。そうなると、住宅ローン減税で控除できる上限額(=納める所得税額)も下がってしまうのです。これらの制度を併用する場合は、どの制度を優先するのが最もメリットが大きいか、一度シミュレーションしてみるとよいでしょう。
育休を機に見直す【つくば市の住まい】ライフプランの変化と不動産の価値
育休は、お金の面だけでなく、お子様の誕生を機にこれからの「暮らし方」を見直す絶好の機会です。家族の未来をじっくりと考える時間と言えるでしょう。
育休は家族の未来を考える絶好のタイミング
「子どもが生まれて、今のアパートでは手狭に感じる」「もっとのびのび子育てができる環境に移りたい」など、育休中に住まいについて考える家庭は少なくありません。お子様の成長につれて必要な部屋数や生活動線は大きく変わります。今のお住まいが、10年後、20年後も家族にとって快適な場所であり続けるかを考えることは、重要なライフプランニングの一環です。
ライフステージの変化に合わせて住まいを最適化していく「住み替え」は、現代における賢い選択肢の一つなのです。
なぜ「つくば市」が選ばれるのか?資産価値と子育て環境
住み替えを検討する際、特に子育て世代から注目されているのが「つくば市」です。その理由は、優れた子育て環境と不動産の資産価値にあります。
つくば市は、中学校卒業までのお子様の医療費が助成される「医療福祉費支給制度(マル福)」など、子育て支援が充実しています。また、市内には公園が多く、教育水準が高いことでも知られています。
不動産の資産価値の観点からも、つくば市は有望です。つくばエクスプレス(TX)により都心へのアクセスは抜群で、特に「研究学園駅」や「みどりの駅」周辺は開発が進み人口も増加傾向にあります。これは、将来的に自宅を売却したり賃貸に出したりする際に「価値が下がりにくい」という大きなメリットにつながります。
ライフプランに合わせた「住み替え・売却」という賢い選択
「今の家を売却して、より子育てしやすい環境に移る」といった選択肢も現実的になります。



