目次
  1. 【結論】育休中でも住宅ローン控除は受けられます!基本条件と流れ
    1. まずはおさらい!住宅ローン控除の基本条件(2026年時点)
    2. 育休が住宅ローン控除に与える影響とは?
      1. 育児休業給付金は「非課税所得」
      2. 注意点:控除される税金がなければ還付もない
  2. 住宅ローン控除、育休中の手続きは年末調整?確定申告?
    1. 年末調整で手続きが完了するケース
  3. 確定申告が必要になるケース
  4. 見落とし注意!育休中の住宅ローン控除で気をつける3つのポイント
    1. 1. 復職のタイミングと「合計所得金額」の再確認
    2. 2. 繰り上げ返済は「いつ」が最適か
    3. 3. 意外と忘れがちな復職後2年目以降の手続き
  5. 【夫婦ペアローン編】夫または妻が育休を取得した場合の控除は?
    1. ペアローンにおける住宅ローン控除の基本
  6. シミュレーションで見る!育休取得時の控除額の変化
      1. パターン1:夫婦ともに通常勤務の場合
      2. パターン2:妻が1年間、育休を取得した場合
    1. 育休期間中のペアローンで注意すべきこと
  7. 育休はライフプランの見直し時期|将来的な住み替えも視野に
    1. なぜ「今」見直す?不動産の将来性と資産価値
  8. 家族の成長と共に変わる「理想の住まい」
    1. ライフステージの変化に寄り添う売却プラン
  9. 育休と住宅ローンの不安を解消!専門家への相談で未来の選択肢を広げよう
    1. 育休中の住宅ローン控除、覚えておきたい3つのポイント
    2. 住宅ローンの悩みは、不動産全体の悩みの入り口
    3. 専門家への相談が最適な解決策への近道

【結論】育休中でも住宅ローン控除は受けられます!基本条件と流れ

マイホーム購入後、家族が増える喜びとともに、「育休に入ると、住宅ローン控除はどうなるのだろう?」という不安を抱える方は少なくありません。出産や育児は家計にとっても変化の大きい時期だからこそ、複雑な手続きで損をしてしまう事態は避けたいものです。

結論から言うと、育休中であっても、条件を満たせば住宅ローン控除(正式名称:住宅借入金等特別控除)を受けることは可能です。

この記事では、まず住宅ローン控除の基本条件を最新情報でおさらいし、育休の取得が控除にどう影響するのかを解説します。さらに、具体的な手続きの流れや注意点まで詳しくご紹介しますので、安心して制度を活用するための知識を身につけていきましょう。

まずはおさらい!住宅ローン控除の基本条件(2026年時点)

育休との関係を理解する前に、住宅ローン控除制度そのものの基本を確認しましょう。この制度は、年末の住宅ローン残高の0.7%を、最大13年間にわたり所得税や住民税から直接差し引くことができる、非常にメリットの大きい制度です。

控除を受けるためには、主に以下の条件を満たす必要があります。

  • 居住要件: 住宅の引き渡しまたは工事完了から6ヶ月以内に入居し、控除を受ける年の12月31日まで引き続き住んでいること。
  • 所得要件: 控除を受ける年の合計所得金額が2,000万円以下であること。
  • ローン要件: 返済期間が10年以上の住宅ローンであること。
  • 床面積要件: 自宅の床面積が50㎡以上であること(合計所得金額1,000万円以下の場合は40㎡以上に緩和)。
  • その他: 中古住宅の場合は一定の耐震基準を満たしていることなど、物件の種類に応じた要件があります。

これらの条件のうち、育休を取得する方が特に注意すべきなのは「所得要件」です。

育休が住宅ローン控除に与える影響とは?

「育休中は給与の代わりに育児休業給付金が支給されるけど、これは所得に含まれるの?」という点が、多くの方が抱く疑問です。

育児休業給付金は「非課税所得」

最も重要なポイントは、雇用保険から支給される**育児休業給付金が「非課税所得」**に分類されることです。これは、税金の計算の基になる「合計所得金額」に含まれないことを意味します。

したがって、住宅ローン控除の所得要件「合計所得金額2,000万円以下」を判定する際に、育児休業給付金の額を気にする必要はありません。育休を取得したことが原因で所得要件を超え、控除が受けられなくなる心配は基本的に不要です。

注意点:控除される税金がなければ還付もない

ただし、一つ注意すべき点があります。住宅ローン控除は、あくまで自身が納めた所得税や住民税から還付(または減額)される制度です。

例えば、1月1日から12月31日まで丸一年間育休を取得した場合、その年の給与所得はゼロになり、納めるべき所得税もゼロになります。この場合、控除の元となる税金がないため、還付も発生しません。

【計算例】

  • 年末の住宅ローン残高:3,000万円
  • 控除される可能性のある最大額:3,000万円 × 0.7% = 21万円
  • その年に納めた所得税:0円
  • その年に納める住民税(控除上限あり):5万円

このケースでは、本来なら最大21万円の控除が受けられますが、実際に納める税金が住民税の5万円しかないため、減額されるのは5万円までです。残りの16万円分は控除しきれずに消えてしまいます。

このように、育休の取得期間によっては、控除額を最大限に活用できない年が発生する可能性は覚えておく必要があります。

住宅ローン控除、育休中の手続きは年末調整?確定申告?

育休中でも住宅ローン控除が適用されるとわかっても、次に気になるのは手続きです。育休中の手続きは主に2つのパターンに分けられ、多くは年末調整で完了しますが、状況によっては確定申告が必要になります。

年末調整で手続きが完了するケース

育休を取得していても、年末時点で会社に在籍している場合は、原則として例年通り会社の年末調整で住宅ローン控除の手続きが完了します。給与の支払いがなくても、会社は在籍する従業員の年末調整を行う義務があるためです。

【手続きの流れ】

  1. 会社から書類を受け取る(10月~11月頃) 会社から年末調整の案内とともに「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」などが配布されます。

  2. 必要書類を準備する 金融機関から10月頃に郵送で届く「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」を準備します。

  3. 書類を記入し、会社へ提出する 「住宅借入金等特別控除申告書」に必要事項を記入し、「年末残高等証明書」を添付して、会社の指定する期限までに提出します。

これで手続きは完了です。育休中であっても、会社との連絡を密にし、書類の提出を忘れないようにしましょう。

住宅ローン 控除 育休 - 1

確定申告が必要になるケース

一方で、以下のようなケースでは確定申告が必要です。

  • 住宅ローン控除を受けるのが初めての年(育休の有無にかかわらず全員対象)
  • 年間の給与収入が2,000万円を超える場合
  • 医療費控除や寄附金控除(ふるさと納税など)を併用する場合(ワンストップ特例制度を利用しない場合)
  • 年の途中で退職し、年末時点で会社に在籍していない場合

【確定申告の手続き】

確定申告は、原則として翌年の2月16日から3月15日までに行います。

必要な書類(主なもの)

  • 確定申告書
  • 源泉徴収票(会社から発行)
  • 住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書(金融機関から)
  • (初年度の場合)建物の登記事項証明書、売買契約書の写しなど
  • マイナンバーカードなどの本人確認書類

現在は、国税庁のウェブサイト「確定申告書等作成コーナー」を利用すれば、PCやスマートフォンから簡単に申告書を作成し、e-Tax(電子申告)で提出できます。

見落とし注意!育休中の住宅ローン控除で気をつける3つのポイント

育児休業給付金が非課税であるため所得要件はクリアしやすいですが、制度を最大限に活用するには、いくつかの「見落とし穴」があります。住宅ローン控除と育休の組み合わせで特に注意すべき3つのポイントを解説します。

1. 復職のタイミングと「合計所得金額」の再確認

最初の注意点は、**復職する年の「合計所得金額」**です。復職のタイミングによっては、その年の給与所得が想定より多くなり、結果的に住宅ローン控除の所得要件(合計所得金額2,000万円以下)を超えてしまう可能性があります。

例えば、4月に復職すれば9ヶ月分の給与がその年の所得になります。育休に入る前の所得が高かった方や、復職後に収入が増える方は特に注意が必要です。ご自身の復職スケジュールと年収の見込みをあらかじめ把握し、その年の合計所得金額が要件内に収まるか試算しておくと安心です。

2. 繰り上げ返済は「いつ」が最適か

二つ目のポイントは、繰り上げ返済のタイミングです。育休中に手元の資金に余裕が生まれ、繰り上げ返済を検討するかもしれませんが、必ずしも得策とは限りません。

住宅ローン控除の控除額は**「年末時点でのローン残高 × 0.7%」**で計算されるため、年末のローン残高が多いほど戻ってくる税金も多くなります。現在の低金利下では、繰り上げ返済で軽減できる利息額より、住宅ローン控除で戻ってくる税金額の方が大きいケースも少なくありません。

控除期間中は無理に繰り上げ返済を行わず、控除期間終了後にまとめて返済するという戦略も有効です。繰り上げ返済を検討する際は、控除期間全体のメリットを考慮して慎重に判断しましょう。

3. 意外と忘れがちな復職後2年目以降の手続き

最後のポイントは、復職後の年末調整の手続きです。住宅ローン控除は2年目以降、年末調整で手軽に手続きできますが、育休を挟むことでうっかり忘れてしまう方が意外と多いのです。

年末調整で控除を受けるには、以下の2つの書類が必要です。

  • 給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書(税務署から送付)
  • 住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書(金融機関から送付)

特に「控除申告書」は、初年度の確定申告後に税務署から残りの控除期間分がまとめて送付されます。育休中に紛失しないよう、保管場所をしっかり確認しておきましょう。もし紛失した場合は管轄の税務署で再発行できますが、時間がかかります。

【夫婦ペアローン編】夫または妻が育休を取得した場合の控除は?

共働き世帯では、夫婦でローンを組む「ペアローン」も一般的です。では、夫または妻が育休を取得した場合、住宅ローン控除にはどのような影響が出るのでしょうか。

ペアローンにおける住宅ローン控除の基本

ペアローンは夫と妻がそれぞれ独立した住宅ローン契約を結ぶため、住宅ローン控除も夫婦それぞれが自身の契約に基づいて申請します。片方の控除枠が余っても、もう一方の配偶者がその分まで控除を受けることはできません。

住宅ローン 控除 育休 - 2

シミュレーションで見る!育休取得時の控除額の変化

共働き夫婦をモデルケースとして、控除額の変化を見ていきましょう。

モデルケース

  • 住宅ローン:夫婦それぞれ2,500万円ずつのペアローン
  • 年末ローン残高(仮):夫 2,400万円、妻 2,400万円
  • 控除率:0.7%
  • 年収(通常時):夫 600万円、妻 500万円
  • 納税額(概算):
    • 夫:所得税 約20万円、住民税 約29万円
    • 妻:所得税 約13万円、住民税 約22万円

パターン1:夫婦ともに通常勤務の場合

  • 夫の最大控除額:2,400万円 × 0.7% = 16.8万円
  • 妻の最大控除額:2,400万円 × 0.7% = 16.8万円
  • 世帯合計の控除額:16.8万円 + 16.8万円 = 33.6万円

パターン2:妻が1年間、育休を取得した場合

妻が丸1年間育休を取得すると、その年の給与収入は0円となり、納める所得税も0円になります。

  • 妻の状況:納める税金が0円のため、住宅ローン控除額も0円
  • 夫の状況:通常通り勤務しているため、16.8万円の控除を受けられる。
  • 世帯合計の控除額:16.8万円 + 0円 = 16.8万円

このように、妻が育休を取得した年は、世帯全体の控除額が半減してしまいます。これは夫が育休を取得した場合も同様です。

育休期間中のペアローンで注意すべきこと

シミュレーションの通り、ペアローンではどちらかが育休を取得すると、その期間は世帯としての控除額が減少する可能性があります。

ただし、「控除が受けられない=損」とすぐに判断しないことが大切です。育休は家族にとってかけがえのない時間であり、控除額の一時的な減少を過度に心配する必要はありません。この事実を知った上で、将来のライフプランや資金計画を見直すきっかけと捉えましょう。

育休はライフプランの見直し時期|将来的な住み替えも視野に

育休期間中の住宅ローン控除額の変動は短期的な影響ですが、このライフイベントは、家族の10年後、20年後を見据えた長期的なライフプラン、特に「住まい」について考える絶好の機会です。

なぜ「今」見直す?不動産の将来性と資産価値

不動産の価値が安定し、子育て環境も充実しているエリアであれば、早めに将来設計を立てておくことが賢明な選択となります。

  • 交通の便と発展性: 都心へのアクセスが良い駅周辺は開発が続き、人口も増加傾向にあるため、不動産の資産価値が下支えされています。
  • 子育て・教育環境: 公園が多く、質の高い教育環境が整っている街は、子育て世帯にとって魅力的です。
  • 安定した不動産価値: 住環境の良さから、中古市場でも人気が高く、資産価値が落ちにくい傾向にあります。将来住み替えを検討する際にも、有利な条件で売却できる可能性が高まります。

育休という時間的な余裕がある時期に、ご自宅の現在の価値を把握し、将来の選択肢を考えておくことは決して早すぎることではありません。

住宅ローン 控除 育休 - 3

家族の成長と共に変わる「理想の住まい」

お子様の誕生は、住まいに求めるものを大きく変化させます。「庭付きの一戸建てがいい」「子供部屋を考えると手狭になる」といった願いは、多くの家庭が抱く想いです。数年後には、小学校の学区を重視した住み替えのニーズも生まれます。

家族の成長に合わせて住まいを変えていく「ステップアップ型の住み替え」は、有効なライフプランの一つです。現在の住まいを売却した資金を元手に、より希望に合った住まいへ移る計画をスムーズに進めるには、信頼できる不動産のプロのサポートが役立ちます。

ライフステージの変化に寄り添う売却プラン

将来の住み替えを検討する際には、様々な選択肢があります。例えば、「買取保証付き仲介」は、まず市場価格での売却を目指し、万が一期間内に売れなければ不動産会社が直接買い取るサービスで、資金計画が立てやすいメリットがあります。

また、「ハウス・リースバック」は、自宅を売却して現金化しつつ、賃貸契約を結んでそのまま住み続ける仕組みです。愛着のある家を離れずに、教育資金などを確保できます。ご自身のライフプランに合った最適な選択肢を見つけるためにも、専門家のアドバイスを参考にすることが重要です。

育休と住宅ローンの不安を解消!専門家への相談で未来の選択肢を広げよう

家族が増える喜びとともに、育休中の収入や住宅ローンについて不安を感じるのは自然なことです。しかし、制度を正しく理解し、計画的に準備を進めることで、その不安は解消できます。最後に、住宅ローン控除と育休に関する大切なポイントを改めて整理します。

育休中の住宅ローン控除、覚えておきたい3つのポイント

まずは、以下の3つの基本を押さえておけば大丈夫です。

  1. 原則、控除は継続される 育休を取得しても、住宅ローン控除の資格がなくなるわけではありません。

  2. 所得税で引ききれなくても、住民税から控除される場合がある その年の所得が減り、所得税から全額を控除しきれなくても、翌年度の住民税から一定額が控除される仕組みがあります。

  3. 手続きは年末調整で 会社員であれば、例年通り勤務先の年末調整で手続きを行います。「控除申告書」と「年末残高等証明書」の提出が基本です。

これらのポイントさえ押さえれば、過度に心配する必要はありません。ご自身の状況を正しく把握し、適切な手続きを行いましょう。

住宅ローンの悩みは、不動産全体の悩みの入り口

「育休中の住宅ローン控除はどうなる?」という疑問は、「この先のライフプランと住まいはどう変化するのか?」という、より大きなテーマへとつながっています。子どもの成長による間取りの問題や、将来の転勤の可能性など、住宅ローンが一段落すると、より長期的で複雑な課題が見えてきます。

専門家への相談が最適な解決策への近道

このような多岐にわたる不動産の悩みは、一人で抱え込まずに専門家に相談することが解決への近道です。特に、地域の特性に詳しいプロであれば、仲介や買取といった選択肢の中から、あなたの家族の状況に最適なプランを提案してくれるでしょう。

不動産の話はデリケートな問題も含むため、信頼できる相談相手を見つけることが大切です。「まだ具体的に決まっていないけど、将来のために話だけ聞いてみたい」という情報収集から始めてみるのも良いでしょう。