稲敷市は茨城県内でも人口減少のペースが速いエリアのひとつです。「実家の空き家をどう手放せばいいのか」「訳あり物件でも売れるのか」「いっそ0円で譲渡できないか」といったご相談が年々増えています。この記事では、稲敷市の人口動態という現実を踏まえたうえで、空き家・訳あり物件を手放すための現実的な選択肢を、不動産会社の立場から整理します。

稲敷市の空き家事情|人口減少という現実を直視する
国勢調査で見る稲敷市の人口推移
茨城県統計課が公表する「市町村のデータ」(総務省統計局「国勢調査」に基づく)によると、稲敷市の人口は平成7年(1995年)の51,652人をピークに、令和2年(2020年)には39,039人まで減少しています。ピークから約12,600人、率にして約24%の減少です。さらに令和8年4月1日現在の常住人口は35,212人(茨城県統計課「茨城県常住人口調査」)まで落ち込んでおり、世帯数は14,853世帯です。
年齢別人口割合(令和7年10月1日現在・県統計課)を見ると、65歳以上が40.6%を占め、15歳未満はわずか7.2%です。空き家の「予備軍」となる高齢者世帯の比率が高いことが、統計からも裏付けられます。
なぜ稲敷市は人口減少が速いのか
稲敷市には鉄道駅がなく、市域の46.0%が農地、宅地はわずか7.5%(茨城県「茨城県市町村概況」令和6年1月1日時点)という土地利用構成です。車移動が前提の生活圏であることに加え、都市計画区域も旧江戸崎周辺の線引き区域(東部台地区)とそれ以外の非線引き区域(東南部)が混在し複雑です。こうした構造的な要因が、若年層の流出と高齢化を加速させています。
「今は使っていない実家」が抱えるリスク
人が住まなくなった家は、換気不足による建物劣化・雨漏り・シロアリ被害が進みやすく、放置期間が長引くほど資産価値が下がります。また、稲敷市が管理不全の空家等・特定空家等と認定した場合、固定資産税の住宅用地特例(最大1/6)が解除され、税額が最大6倍程度に跳ね上がるリスクもあります(詳細は当店の別記事で解説しています)。「まだ大丈夫」と先送りするほど、選べる選択肢は狭くなっていきます。
「訳あり物件」とは何か|稲敷市で相談が多いケース
訳あり物件の主な5パターン
不動産の「訳あり」とひとくちに言っても、内容はさまざまです。稲敷市の店舗対応エリアでご相談が多いのは、以下のようなケースです。
- 農地が付いた住宅で、農地法上の制約がある
- 再建築不可・接道義務を満たさない敷地
- 共有名義・相続未登記で権利関係が複雑
- 建物が老朽化し、倒壊・崩落のおそれがある
- 心理的瑕疵(事故物件等)に該当する可能性がある
農地付き住宅という稲敷市特有の訳あり
稲敷市は広大な農地を有するエリアで、住宅と農地が一体になった物件が多く存在します。農地部分を売却するには農地法3条(農地のまま売買)または5条(転用して売買)の許可が必要で、買い手が農業従事者に限定されたり、農用地区域の指定によって転用自体が難しいケースもあります。宅地部分だけを分筆して売却する、農地部分を含めて農業従事者へ一括譲渡するなど、物件ごとに現実的な選択肢を検討する必要があります。
再建築不可・接道義務の壁
旧集落部や古い分譲地には、建築基準法上の道路に2m以上接していない敷地が残っていることがあります。この場合、原則として建て替えができない「再建築不可物件」として扱われ、買い手が住宅ローンを組みにくいという制約が生じます。隣地の一部を買い足す、セットバックする、といった対処法もありますが、いずれも時間とコストがかかります。
事故物件・心理的瑕疵の告知義務
売却しようとしている物件で過去に事案があった場合、宅地建物取引業法上、買主に対して告知する義務があります。この告知義務について、国土交通省のガイドラインでは、賃貸借契約についてはおおむね3年が経過すると告知義務が軽減されるとされていますが、これはあくまで賃貸借契約に関するルールです。売買契約の場合は経過年数による明確な基準はなく、年数にかかわらず告知が推奨されるという点に注意が必要です。「何年も前のことだから黙っていてよい」という判断は禁物です。
「手放す」ための4つの選択肢を比較する

選択肢1:仲介売却
不動産会社が買い手を探し、市場価格での売却を目指す方法です。稲敷市のように鉄道駅がなく買い手の絶対数が限られるエリアでは、成約までに時間がかかりやすい傾向があります。「駐車場付きの広い土地を手頃な価格で」というニーズに合致すれば、時間をかけて相場に近い価格での成約も期待できます。
選択肢2:不動産会社への直接買取
不動産会社が物件を直接買い取る方法です。買い手を探す必要がないため、最短数日〜数週間で現金化でき、訳あり物件(農地付き・再建築不可・事故物件等)にも対応しやすいのが特徴です。価格は仲介での成約より下がる傾向がありますが、「確実に、早く手放したい」というニーズには合理的な選択肢です。当店は買取専門店として、こうした事情のある物件のご相談を数多くお受けしています。
選択肢3:0円譲渡・寄付という選択肢とその限界
「売れないなら無償でもいいから譲りたい」と考える方もいらっしゃいます。ただし、0円譲渡には次のような限界があります。
- もらってくれる相手を自分で見つける必要がある――不動産会社を介さない個人間の無償譲渡では、相手探しそのものが最大のハードルです
- 自治体は原則として寄付を受け付けない――老朽家屋や管理コストのかかる土地は、行政目的に合致しない限り自治体側が受け取りを断るのが一般的です
- タダでも贈与税・登記費用は発生しうる――無償譲渡であっても、受け取る側に贈与税が課される場合があり、所有権移転登記の費用も別途かかります
「0円でもいいから手放したい」というお気持ちは理解できますが、実務上は「無償で譲渡できる相手を見つける」こと自体が容易ではありません。買取という選択肢のほうが、実現までの道のりが明確なケースが多くあります。
選択肢4:相続放棄という選択肢とその注意点
これから相続する予定の不動産であれば、相続放棄という選択肢もあります。ただし、相続放棄は不動産だけを選んで放棄することはできず、預貯金等プラスの財産もすべて放棄することになります。また、相続放棄をしても、次の相続人が管理を始めるまでは、放棄した人に一定の管理責任が残る場合がある点にも注意が必要です(民法上の管理継続義務)。「面倒だから放棄すればいい」と安易に判断せず、専門家(司法書士・弁護士)への相談を推奨します。
4つの選択肢のまとめ
| 方法 | スピード | 確実性 | 向いているケース |
|---|---|---|---|
| 仲介売却 | △ 時間がかかる | △ 買い手次第 | 時間に余裕があり、相場に近い価格を狙いたい |
| 直接買取 | ◎ 最短数日〜 | ◎ 確実性が高い | 訳あり物件・早期の現金化を優先したい |
| 0円譲渡・寄付 | ✕ 相手探しが困難 | ✕ 実現しないことも多い | 採算度外視でも受け手が見つかる場合のみ |
| 相続放棄 | ○ 手続きは数か月 | △ 管理義務が残る場合も | プラスの財産より負債が明らかに多い場合 |
稲敷市で空き家・訳あり物件を売却する流れ
STEP1:ご相談・お問い合わせ
「まだ売ると決めていない」という段階でも構いません。物件の所在地・種類・ご事情(農地の有無、共有名義かどうか、事故物件に該当する可能性があるか等)をお伺いします。
STEP2:無料査定(机上査定・訪問査定)
まずは机上査定で概算額をお出しします。訪問査定では、建物の状態・敷地面積・農地の有無・接道状況・都市計画区分などを確認したうえで、仲介・買取それぞれの査定額をご提示します。
STEP3:売却方法のご提案
仲介・買取それぞれのメリット・デメリットをご説明し、ご事情に合った方法を一緒に選びます。農地法上の手続きが必要な場合や、共有者との調整が必要な場合は、その段取りもご案内します。
STEP4:契約・引き渡し
買取の場合は、当店が直接契約の相手方となるため、広告や内覧の手間がありません。仲介の場合は、契約後に買主への引き渡しとなります。訳あり物件の場合、告知すべき事項は契約前にすべて明確にし、後々のトラブルを防ぎます。
費用・税金の基礎知識
仲介手数料の速算式
仲介での売却が成立した場合の仲介手数料は、宅地建物取引業法上の上限額として「(売買価格×3%+6万円)+消費税」という速算式が広く使われています(売買価格400万円超の場合)。買取の場合は不動産会社が直接の買主となるため、原則として仲介手数料はかかりません。
譲渡所得税と3,000万円特別控除
不動産を売却して利益(譲渡所得)が出た場合、所有期間が5年を超える「長期譲渡所得」には20.315%(所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%)、5年以下の「短期譲渡所得」には39.63%の税率がかかります(国税庁)。マイホーム(居住用財産)を売却した場合は、要件を満たせば譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例があります。相続した空き家を売却する場合も、一定の要件を満たせば「被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特別控除」(相続空き家の3,000万円特別控除)が使える場合があります。適用要件は個別に異なるため、税理士または税務署への確認をおすすめします。
登記費用・印紙税
売買契約書に貼付する印紙税は、契約金額に応じて軽減後の税額表(国税庁)に基づき数千円〜数万円程度がかかります。所有権移転登記の登録免許税や司法書士報酬は、物件の評価額や依頼先により異なるため、あくまで目安として個別にご確認いただくことをおすすめします。
稲敷市の不動産会社選びで確認したいポイント
買取専門店であるかどうか
訳あり物件・空き家の相談では、「仲介はできるが買取はしていない」という不動産会社も少なくありません。買取と仲介の両方を扱う会社であれば、査定額を比較したうえで最適な方法を選べます。
農地・非線引き区域など地域特有の制度に詳しいか
稲敷市は都市計画区分が複雑で、農地法の制約もあるエリアです。地域特有の制度を理解した担当者に相談することで、手続きの見通しが立てやすくなります。
ハウスドゥ つくば研究学園都市が選ばれる理由
当店は、つくば市東二丁目を拠点に、稲敷市を含む県南エリアの不動産売却・買取に対応しています。ハウスドゥは全国展開のフランチャイズで、テレビCMでは元プロ野球選手・古田敦也さんがイメージキャラクターを務めており、ブランドとしての認知度と安心感があります。運営会社は株式会社トーマン(茨城県知事(1)第7579号)で、買取専門店として、農地付き住宅・再建築不可・事故物件など、訳あり物件のご相談を数多くお受けしてきました。秘密厳守・押し売りなしで、査定だけのご利用も歓迎です。
よくあるご質問
Q. 稲敷市の空き家は本当に売れますか?
A. 人口減少エリアであっても、立地や物件の状態によっては仲介での成約も可能です。ただし、買い手を待つ時間が長くなる傾向があるため、「確実に、早く」手放したい場合は買取という選択肢も検討をおすすめします。まずは無料査定で市場性をご確認ください。
Q. 0円でもいいので誰かに譲りたいのですが、可能ですか?
A. 個人間の無償譲渡は法律上可能ですが、譲渡先を自分で見つける必要があり、自治体への寄付は原則として受け付けられません。また無償でも贈与税や登記費用が発生する場合があります。実務上は買取のほうが実現までの道のりが明確なケースが多くあります。
Q. 農地が付いている実家は売却できますか?
A. 農地部分の売却には農地法上の許可(3条・5条)が必要で、買い手が農業従事者に限られる場合や転用が難しい場合があります。宅地部分のみ分筆して売却する等の方法もあるため、まずは個別にご相談ください。
Q. 相続した空き家を売る場合、税金の特例はありますか?
A. 一定の要件を満たせば、相続空き家の譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例があります。要件(相続開始日・耐震性・売却期限等)が細かく定められているため、税理士または税務署への確認をおすすめします。
Q. 事故物件かどうか分からない場合はどうすればよいですか?
A. 過去に把握している事案があれば、経過年数にかかわらず正直にお伝えいただくことが重要です。売買契約では賃貸借契約のような「3年で告知義務が軽減される」という明確な基準はありません。判断に迷う場合は、契約前に不動産会社へご相談ください。
Q. 相続放棄をすれば、空き家の管理義務からも解放されますか?
A. 相続放棄をしても、次の相続人が管理を始めるまでは一定の管理責任が残る場合があります(民法上の管理継続義務)。不動産だけを選んで放棄することもできないため、放棄する前に司法書士・弁護士へ相談することをおすすめします。
まとめ|稲敷市の空き家・訳あり物件は「早めの比較検討」が現実解
稲敷市は平成7年をピークに人口が約24%減少し、65歳以上人口が4割を超えるエリアです。「いつか売ろう」と先送りするほど、買い手を見つけにくくなり、資産価値も下がっていくのが現実です。0円譲渡や相続放棄にも、それぞれ相手探しの難しさや管理義務が残るリスクがあります。仲介・買取・0円譲渡・相続放棄という4つの選択肢を比較したうえで、まずは無料査定でご自身の物件の現在地を確認することをおすすめします。
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