2023年6月2日、牛久沼の八間堰では時間雨量35.5mmの激しい雨を記録し、越水が発生しました。2024年9月18日にも柏田大橋東側で22.0mmの強い雨により道路冠水が起きています。牛久市は谷田川(牛久沼)や小野川など複数の河川に囲まれた地形であり、「うちの地域は大丈夫」と思い込むのは早計です。この記事では、牛久市が公開しているハザードマップ・避難所情報・地価データを一次情報から整理し、住まい選びや売却を検討する際に押さえておきたいポイントをまとめました。

目次
  1. 牛久市の地形と水害リスクの全体像
  2. 洪水(外水)ハザードマップで確認できること
    1. 対象河川と作成の経緯
    2. 閲覧方法
  3. 内水ハザードマップ|台地でも油断できない浸水リスク
    1. 想定している雨量は「1,000年に一度」の153mm
    2. 洪水ハザードマップとの違い
    3. 対象範囲の限定に注意
  4. 雨の強さと牛久市内での実際の観測記録
  5. 土砂災害警戒区域が指定されている地区
  6. 地震への備え|ゆれやすさ防災マップ
  7. 牛久駅・ひたち野うしく駅周辺と水害リスクの関係
    1. 台地上の駅周辺エリア
    2. 牛久沼周辺エリア
  8. 住まい選び・売却相談で押さえておきたい3つの視点
  9. 避難所は「1次」と「2次」の2段階
  10. 2026年の公示地価から見る牛久市の住宅地の動き
  11. 売却・購入を検討する際にハザード情報をどう使うか
    1. 告知事項としての実務上の位置づけ
    2. 「区域外だから安心」とは言い切れない理由
  12. 牛久市の防災情報の調べ方まとめ
  13. あわせて読みたい
  14. よくある質問
    1. Q. 牛久市で一番浸水リスクが高いのはどのエリアですか?
    2. Q. 内水ハザードマップと洪水ハザードマップ、どちらを見ればよいですか?
    3. Q. 土砂災害警戒区域に指定されている地区は危険なので住めませんか?
    4. Q. 避難所はどこに行けばよいですか?
    5. Q. 2026年の牛久市の地価は上がっていますか?
    6. Q. ハザードマップで浸水想定がある物件は売却しにくいですか?
    7. Q. 内水ハザードマップはいつ更新されましたか?

牛久市の地形と水害リスクの全体像

牛久市は市域の中央を谷田川が南北に流れ、南側には牛久沼が広がります。周辺には小野川・乙戸川・桂川・稲荷川も流れており、河川が多いぶん水とのつきあいが暮らしの前提になっている土地柄です。茨城県は2023年10月24日付で小野川・乙戸川・桂川・稲荷川の「洪水浸水想定区域図」を指定・告示し、2024年4月30日には谷田川(牛久沼)についても同様の指定を行いました。牛久市はこれを受けて牛久市洪水ハザードマップを作成・公開しています。

水害というと大きな河川の決壊ばかりを想像しがちですが、牛久市が特に力を入れて周知しているのが「内水氾濫」です。台地上の住宅地であっても、下水道や水路の排水能力を超える雨が降れば道路が冠水することがあります。まずは自分の生活圏がどちらのリスクに該当するのかを知ることが備えの第一歩です。

洪水(外水)ハザードマップで確認できること

対象河川と作成の経緯

牛久市洪水ハザードマップは、茨城県が指定した谷田川(牛久沼)、小野川、乙戸川、桂川、稲荷川の洪水浸水想定区域をもとに防災課が作成しています。地図には浸水想定区域だけでなく、土砂災害警戒区域や避難場所の位置も重ねて表示されており、1枚で複数のリスクを俯瞰できる構成になっています。

閲覧方法

牛久市公式ホームページの「牛久市洪水ハザードマップ」ページからPDF形式で閲覧できます。自宅や検討中の物件の住所を地図上で確認し、浸水想定の色分けと想定浸水深を照合しておくと安心です。

内水ハザードマップ|台地でも油断できない浸水リスク

想定している雨量は「1,000年に一度」の153mm

牛久市内水ハザードマップは2026年4月10日に更新された最新版で、国土交通省が示す「想定最大規模降雨:1時間当たり153mm」を前提にシミュレーションされています。これは1,000年に一度の確率とされる規模で、現実にはめったに発生しない極端な想定です。ただし、この地図が示す浸水箇所や深さは、排水施設の整備状況(令和5年時点)をもとにしたものであり、区域外でも実際には浸水が起こりうる点は市も注意書きで明記しています。

洪水ハザードマップとの違い

牛久市の資料では、洪水(外水)ハザードマップと内水ハザードマップの違いを次のように整理しています。外水は主に河川の氾濫が原因で徐々に水位が上がるのに対し、内水は雨水の排水能力の限界が原因で、川から離れた市街地の低地でも短時間で急速に浸水が始まるのが特徴です。両方のマップを合わせて見ることで、地域ごとのリスクの性質が違うことが分かります。

対象範囲の限定に注意

内水ハザードマップが対象とする「雨水出水浸水想定区域」は下水道事業計画区域内に限られており、市内全域をカバーしたものではありません。この点は市の注意事項にも明記されている通りで、区域外だから安全と単純に判断できるものではない、という前提を踏まえて活用する必要があります。

牛久市 防災ハザード基礎データ早見表 ハウスドゥつくば研究学園都市
牛久市の防災・ハザード基礎データ早見表

雨の強さと牛久市内での実際の観測記録

気象庁の「雨の強さ」の目安を、牛久市が公開している実際の観測記録と重ねて見ると、リスクの大きさが具体的にイメージしやすくなります。

  • やや強い雨(10〜20mm/h):傘をさしていても足元が濡れる程度
  • 強い雨(20〜30mm/h):2024年9月18日、柏田大橋東側の冠水時に牛久市役所で22.0mmを観測
  • 激しい雨(30〜50mm/h):2023年6月2日、牛久沼八間堰の越水時に牛久三中で35.5mmを観測
  • 想定最大規模(153mm/h):内水ハザードマップの前提となる1,000年に一度の大雨

牛久市の下水道整備は「計画降雨50.7mm(5年に一度の確率)」に耐えられる水準を目標に進められています。実際に記録された22.0mmや35.5mmはこの計画値を下回ってはいますが、局地的な冠水は既に複数回発生している、というのが実態です。

土砂災害警戒区域が指定されている地区

牛久市内では、新地・刈谷・城中・つつじが丘・第2つつじが丘・古坂団地・久野・奥原・島田・正直の各行政区の一部が、洪水浸水想定区域または土砂災害警戒区域に指定されています。台地と低地が入り組む牛久市らしく、平坦な印象のあるエリアでも急傾斜地の指定区域が点在することがあるため、購入・売却いずれの立場でも「地区名」だけで判断せず、実際の地番でハザードマップを確認することが欠かせません。

地震への備え|ゆれやすさ防災マップ

牛久市は水害だけでなく地震リスクについても「ゆれやすさ防災マップ」を公開しています。地区ごとの地盤の揺れやすさを色分けで示したもので、内閣府の防災情報ポータルサイトからもリンクされている公式資料です。地盤の性質は水害リスクとも関連することが多く、住まい選びでは水害・土砂災害・地震の3つの視点を合わせて確認しておくと安心材料になります。

牛久駅・ひたち野うしく駅周辺と水害リスクの関係

台地上の駅周辺エリア

牛久駅・ひたち野うしく駅の周辺市街地の多くは台地上に位置しており、谷田川沿いの低地とは地形が異なります。ただし、内水ハザードマップが示す通り、台地上であっても下水道の排水能力を超える豪雨があれば局地的な冠水が起こり得るため、「駅から近い=浸水リスクゼロ」という単純な図式では判断できません。

牛久沼周辺エリア

牛久沼に近いエリアは谷田川の洪水浸水想定区域に含まれる範囲があり、洪水ハザードマップでの確認が特に重要になります。牛久沼は景観資源としての価値がある一方、水辺に近いという地形的特性を踏まえた備えが求められるエリアです。

住まい選び・売却相談で押さえておきたい3つの視点

  • ハザードマップの複数種類を確認する:洪水(外水)・内水・土砂災害・地震(ゆれやすさ)の4種類はそれぞれ原因もリスクの性質も異なります。
  • 地番単位で確認する:同じ行政区内でも浸水想定の有無が分かれることがあるため、町名だけでなく具体的な地番で確認しましょう。
  • 資産価値とリスクは別軸で考える:2026年の牛久市の地価は上昇基調にあり、ハザード情報の有無だけで一律に評価が下がるわけではありません。

避難所は「1次」と「2次」の2段階

牛久市の避難所運営マニュアル(防災課、令和5年6月改正版)によれば、市の避難施設は2段階に分かれています。1次避難所は各行政区に指定された地区集会所などで、災害発生直後にひとまず身を寄せる場所です。2次避難所は小中学校の体育館などで、自宅が被災し長期の滞在が必要になった人が利用します。この2段階の仕組みを知っておくと、実際の災害時にどちらを目指せばよいか判断しやすくなります。

牛久市 避難所2段階と雨の強さ早見表 ハウスドゥつくば研究学園都市
牛久市の避難所2段階と雨の強さの実績

2026年の公示地価から見る牛久市の住宅地の動き

tochidai.info(国土交通省地価公示ベースの集計)によれば、2026年の牛久市の公示地価は平均47,108円/㎡(坪155,731円)で、前年比+1.69%となっています。用途別では住宅地が平均43,771円/㎡で+1.84%、商業地が72,000円/㎡で+1.64%、工業地が24,500円/㎡で+3.38%と、いずれも緩やかな上昇基調です。防災面のリスクがあるからといって地価が一律に下がっているわけではなく、TX沿線・常磐線沿線としての利便性が評価されている面もうかがえます。ハザードマップ上のリスクと資産価値は必ずしも単純に連動しないため、両方を切り離して確認することが大切です。

売却・購入を検討する際にハザード情報をどう使うか

告知事項としての実務上の位置づけ

不動産取引において、水害リスクに関する情報提供は年々重視される傾向にあります。売却を検討する場合は、対象物件がどの区域に該当するかを事前に把握しておくことで、買主への説明もスムーズになります。逆に購入を検討する場合は、価格や間取りだけでなく、ハザードマップ上の位置づけも判断材料に加えることをおすすめします。

「区域外だから安心」とは言い切れない理由

内水ハザードマップの対象範囲が下水道事業計画区域に限られている点、そして想定はあくまで一定の前提に基づくシミュレーションである点は、市も繰り返し注意を促しています。区域指定の有無だけで判断するのではなく、実際の土地の高低差や過去の冠水履歴も合わせて確認するのが実務的な備え方です。

牛久市の防災情報の調べ方まとめ

牛久市公式ホームページの「防災」ページからは、洪水ハザードマップ、内水ハザードマップ、土砂災害警戒区域、ゆれやすさ防災マップ、避難所情報など、この記事で紹介した資料にすべてアクセスできます。住まいの購入・売却いずれを検討している場合も、まずは公式情報を直接確認したうえで、疑問点があれば地域の不動産会社に相談するとよいでしょう。

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あわせて読みたい

よくある質問

Q. 牛久市で一番浸水リスクが高いのはどのエリアですか?

A. 谷田川(牛久沼)や小野川など複数河川の周辺、および内水ハザードマップで浸水想定が示されている低地が該当します。特定の「一番危険な1カ所」を断定することはできないため、対象物件の住所で牛久市公式のハザードマップを個別に確認することをおすすめします。

Q. 内水ハザードマップと洪水ハザードマップ、どちらを見ればよいですか?

A. 両方を確認するのが基本です。洪水ハザードマップは河川の氾濫(外水)、内水ハザードマップは下水道の排水能力を超える豪雨(内水)を想定しており、原因も浸水の起こり方も異なります。

Q. 土砂災害警戒区域に指定されている地区は危険なので住めませんか?

A. 区域指定は「注意が必要」であることを示すものであり、居住そのものが禁止されるわけではありません。区域内・区域周辺で物件を検討する場合は、具体的な指定範囲と自宅・物件の位置関係を市の資料で確認することが大切です。

Q. 避難所はどこに行けばよいですか?

A. まずは自分の行政区に指定されている1次避難所(地区集会所等)を確認しましょう。自宅が被災し長期の滞在が必要な場合は、小中学校の体育館などの2次避難所が開設されます。

Q. 2026年の牛久市の地価は上がっていますか?

A. tochidai.info(国交省地価公示ベース)によれば2026年の平均地価は47,108円/㎡で前年比+1.69%、住宅地に限ると+1.84%と、緩やかな上昇が続いています。

Q. ハザードマップで浸水想定がある物件は売却しにくいですか?

A. 一概には言えません。牛久市全体で地価が上昇基調にあるように、立地の利便性や物件そのものの状態が評価される面も大きく、ハザード情報は数ある判断材料の一つです。詳しくは個別の物件状況をもとにご相談ください。

Q. 内水ハザードマップはいつ更新されましたか?

A. 2026年4月10日に最新版へ更新されています。国土交通省の想定最大規模降雨(1時間153mm)を前提としたシミュレーションに基づいています。