茨城県猿島郡五霞(ごか)町は、県内44市町村の中で唯一、隣接する自治体が全て県外という珍しい立地の町だ。北に埼玉県久喜市、南から西にかけて埼玉県幸手市、東は利根川を挟んで千葉県野田市と接し、茨城県の他の市町村とは陸続きで接していない。町域は江戸川・利根川・権現堂川に四方をぐるりと囲まれており、地図で見ると輪中(わじゅう)のような独特の形をしている。

令和8年(2026年)7月1日現在の住民基本台帳人口は7,762人、世帯数3,468世帯(町公式サイト「町の人口・世帯数」)。県内で最も人口の少ない自治体のひとつだが、圏央道の全通によって都心から車で1時間圏内という立地が改めて注目されている。この記事では、五霞町での暮らしを検討している人に向けて、アクセス・子育て・買い物・防災・地価という5つの切り口から、公式データに基づいて実情を整理する。

四方を川に囲まれた「輪中」の町という成り立ち

五霞町という地名は、かつてこの地に存在した五つの村(元栗橋・川妻・小福田・幸主・八幡)が明治22年の町村制施行で合併した際、「五」つの村が「霞」のようにひとつになるという願いを込めて名付けられたという説が伝わっている。町の面積は約9.13平方キロメートルとコンパクトで、車があれば町内をほぼ10分程度で縦断できる規模感だ。

3つの川に囲まれた地形

地形的な特徴は、なんといっても利根川・江戸川・権現堂川という3つの河川に囲まれていることだろう。この地形は「輪中」に近い成り立ちを持ち、県内の他の自治体とは陸続きで接していないという珍しい立地条件を生んでいる。関東平野のほぼ中央、首都圏から約50km圏内に位置しながら、水と緑に囲まれた独特の景観を持つ町といえる。

水害への備えと過去の実績

町公式サイトの洪水ハザードマップのページには「昭和24年キティ台風以降、利根川や江戸川の改修により大規模な浸水被害はありません」と明記されている。戦後の河川改修が進んだことで、長期間にわたり深刻な水害を免れてきたという実績がある一方、平成29年7月には洪水浸水想定の見直しに伴いハザードマップ自体が改訂されており、油断せず備える姿勢が求められている点は正直に伝えておきたい。住まい選びの際は、最新のハザードマップで自宅候補地の浸水想定区域を必ず確認することをおすすめする。

交通アクセス|圏央道五霞ICが生活と経済の要

五霞町の交通を語るうえで欠かせないのが、首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の五霞インターチェンジだ。町のほぼ中央を新4号国道(国道4号バイパス)が縦断し、その至近に圏央道のICが設置されている。東北自動車道・常磐自動車道・東関東自動車道と圏央道を介してつながっているため、都内や成田・羽田両空港へのアクセスも比較的スムーズに確保できる。

鉄道駅は町内にない

町内に鉄道駅は存在しない。最寄り駅は東武日光線の南栗橋駅(埼玉県久喜市)や幸手駅(同幸手市)、JR宇都宮線の栗橋駅(同久喜市)などで、いずれも車やバスでのアクセスが基本になる。都心への通勤・通学を鉄道中心に考えている人にとってはやや不便に感じられる可能性がある一方、車移動が生活の軸になる家庭にとっては、圏央道の存在が「移動の自由度」を大きく高めている点は見逃せない。

バス路線と町内移動

路線バスは久喜駅・幸手駅方面と町内を結ぶ便が運行されているが、都市部のように高頻度ではないため、日常の移動は自家用車が中心になる家庭が大半とみられる。町の面積がコンパクトなぶん、町内であればどこへ移動するにも大きな時間はかからない点は、車中心の生活にとってむしろメリットになり得る。

圏央道が広げる通勤圏

圏央道は五霞ICから久喜白岡JCT・幸手ICを経て東北道・常磐道方面へ、また境古河ICを経て常磐道方面へも接続している。都心方面だけでなく、つくば・土浦方面や北関東方面への通勤・通学にも対応しやすい立地であることは、住まい選びの選択肢を考えるうえで押さえておきたいポイントだ。

買い物・生活利便|道の駅ごかが暮らしの拠点のひとつに

圏央道五霞ICのすぐそばには「道の駅ごか」がある。地元約140名の生産者が季節に応じて約50品目を出荷する野菜直売所を中心に、郷土料理を味わえるレストランや物産品コーナーを備え、観光客だけでなく地元住民にとっても気軽に立ち寄れる生活拠点として機能している。特産の八つ頭を使用した「ローズポークまん」など、地域色のある商品も並ぶ。2020年12月には隣接してスポーツ施設「Street sports park GOKA」も開園し、子どもたちの遊び場としての機能も加わった。

日常の買い物については、町内の商業集積はそれほど大きくないため、隣接する埼玉県久喜市・幸手市方面の商業施設や、古河市方面のロードサイド店舗を利用する家庭が多いとみられる。車移動が前提になる分、駐車場の心配をせずに買い物できる環境とも言える。

子育て・教育環境|小さな町だからこその距離の近さ

五霞町には認定こども園「五霞幼稚園・保育園」があり、幼保連携型の施設として就学前の子どもを受け入れている。公立の学校は小学校2校・中学校1校という規模で、令和5年5月時点の茨城県教育委員会資料によれば小学校の児童数は合計309人、中学校の生徒数は166人となっている。1学年あたりの人数は都市部に比べて少なく、教員の目が行き届きやすい環境と言える。

医療福祉費支給制度(マル福)

医療費助成については、茨城県内の市町村で広く実施されている医療福祉費支給制度(通称マル福)が五霞町でも適用される。町公式サイトによれば、五霞町では0歳から18歳までの子ども・妊産婦について窓口での自己負担金を町独自に無償化しており、未就学児・小学生・中学生・高校生等は令和元年7月誕生月の対象者から自動更新の扱いになっている。所得制限を撤廃し助成対象を拡大している点も、子育て世帯にとっては安心材料のひとつだろう。

小規模校ならではの環境

小学校2校・中学校1校という規模は、都市部の大規模校とは違い、学年をまたいだ縦のつながりや、地域住民と学校との距離の近さが生まれやすい環境と言える。転入してくる家庭にとっては「知らない土地で子どもが馴染めるか」という不安がつきものだが、児童生徒数が少ない分、担任だけでなく学校全体で一人ひとりを把握しやすい体制になりやすい点は安心材料のひとつだ。

地価の動き|2026年公示地価は坪8万4,380円が目安

国土交通省の地価公示データを集計するtochidai.infoによれば、五霞町の2026年(令和8年)公示地価平均は1平方メートルあたり25,525円、坪単価に換算すると84,380円(目安)となっている。前年からの変動率は-0.69%で、緩やかな下落基調が続いている。ここ数年の推移を見ると、2021年から2025年にかけても-0.02%〜-0.47%程度の小幅な下落が続いており、急激な変動は見られない。

工業地は別の顔を持つ

圏央道の開通効果によって、五霞町の工業地・流通業務用地としての引き合いは住宅地とは異なる動きを見せている。物流拠点としてのポテンシャルが評価されやすい立地であるため、土地の用途によって地価の見え方が大きく変わる点は理解しておきたい。住宅地としての地価は全国的な地方圏の傾向と同様、緩やかな下落局面にあると考えるのが妥当だろう。

成約事例との照らし合わせが重要

公示地価はあくまで標準地における評価であり、実際の取引価格(成約事例)とは差が生じることが多い。土地や建物の売却を検討する際は、こうした長期的な地価トレンドと、実際に取引された成約事例の両方を踏まえて判断することをおすすめする。

五霞町 基礎データ早見表 人口 地価 housedo.jp
五霞町の基礎データ早見表(人口・世帯数・地価・教育・アクセス)

人口の推移|緩やかな減少が続く中での世帯数の底堅さ

五霞町の住民基本台帳人口は、平成17年(2005年)の10,097人から令和8年(2026年)7月の7,762人まで、20年余りでおよそ2,300人・23%減少している。一方で世帯数は同期間で2,952世帯から3,468世帯へと増加しており、これは一世帯あたりの人数が減少する「世帯の小規模化」が進んでいることを示している。単身世帯や夫婦のみ世帯の増加が、人口減少下でも世帯数を押し上げている可能性が考えられる。

持ち家を検討する人にとっての五霞町

圏央道五霞ICを起点に考えると、都心方面はもちろん、成田・羽田両空港、さらには北関東方面へのアクセスも良好という立地は、車移動を前提とする家庭にとって大きな魅力になり得る。人口規模が小さい分、地価も比較的抑えられており、広めの敷地を確保しやすい傾向がある点も見逃せないポイントだ。

一方で、鉄道駅がなく生活の足を車に依存する必要がある点、商業施設の選択肢が近隣市町に比べて限られる点は、事前に理解したうえで検討したい。子育て世帯であれば、小規模校ならではのきめ細かな教育環境や、マル福による医療費負担の軽減策も判断材料に加えるとよいだろう。

家を売る・持ち続けるときに知っておきたいこと

五霞町のように人口規模が小さく、鉄道駅を持たない町では、不動産の売却を考える際に「相場がわかりにくい」という声をよく耳にする。取引件数自体が都市部に比べて少ないため、インターネット上の相場情報だけでは実態とズレが生じやすいのが実情だ。圏央道ICに近い土地か、住宅地の中でも生活利便性が高いエリアかによっても評価は変わってくる。

また、空き家や実家じまいの相談として五霞町の物件をお持ちになる方も少なくない。売却を急ぐべきか、賃貸や活用の道を探るべきかは、物件の立地や状態、そして所有者ご自身の今後の生活設計によって最適解が変わる。ハウスドゥ つくば研究学園都市では、茨城県西エリアを含む物件の無料査定を行っており、売る・売らないを決める前の段階からご相談いただくことも可能だ。

よくある質問

Q. 五霞町から東京都心までどのくらいかかりますか?

公共交通機関のみでの正確な所要時間は経路によって異なるため一概には言えないが、車の場合は圏央道五霞ICから首都高速方面まで、渋滞のない時間帯であれば1時間前後が目安となる(交通状況により変動するため目安として捉えてほしい)。

Q. 五霞町に鉄道の駅はありますか?

町内に鉄道駅はない。最寄り駅は東武日光線の南栗橋駅・幸手駅、JR宇都宮線の栗橋駅などで、いずれも隣接する埼玉県内の駅になる。

Q. 五霞町の子どもの医療費助成はどうなっていますか?

茨城県内共通の医療福祉費支給制度(マル福)が適用され、五霞町では0歳から18歳までの子ども・妊産婦について窓口自己負担金を町独自に無償化している(町公式サイトによる)。

Q. 五霞町は水害のリスクが高いのですか?

利根川・江戸川・権現堂川に囲まれた地形のため水害への備えは重要なテーマだが、町公式サイトによれば昭和24年のキティ台風以降、河川改修により大規模な浸水被害は発生していない。ただし平成29年7月に洪水浸水想定が見直されハザードマップも改訂されているため、最新のハザードマップで自宅周辺のリスクを確認しておくことをおすすめする。

Q. 五霞町の地価は今後どうなりますか?

2026年の公示地価は前年比-0.69%と緩やかな下落基調が続いている(tochidai.info集計)。将来の地価動向を断定することはできないが、圏央道沿線という立地特性は中長期的に注目され続けると考えられる。

Q. 五霞町での買い物はどこでしていますか?

町内には道の駅ごかなどの直売所があるが、日常的な買い物は隣接する埼玉県久喜市・幸手市方面や古河市方面の商業施設を利用する家庭が多いとみられる。

五霞町を含む茨城県西エリアの不動産売却・買取のご相談は、ハウスドゥ つくば研究学園都市が承っている。これまでの売却査定実績とお客様の声はこちらからご覧いただける。また、五霞町の地域情報や不動産事情については五霞町エリアページでも詳しく紹介しているので、あわせて参考にしてほしい。