不動産を売る準備を始めると、「固定資産税の評価証明書を出してください」「公課証明書は取りましたか?」と、似た名前の書類を求められることがあります。つくば市では2026年1月20日から証明書の種類と帳票が変わったため、以前の経験や古い情報のまま申請すると、取り直しになるおそれがあります。この記事では、つくば市の公式案内をもとに、評価証明書と公課証明書の違い、年度や対象物件の考え方、申請できる人の条件を、売却前の確認という視点で整理します。
この記事の結論
- 評価証明書は「評価額など」、公課証明書は「評価額+課税標準額+相当税額」が載る証明です。
- まず提出先に「書類名・年度・対象の土地や家屋・名義」を確認してから申請します。
- 2026年1月20日から、旧「評価・公課証明」は評価証明書と公課証明書に分かれ、固定資産評価額通知書の交付は廃止されました。
- 記載は原則1月1日時点の情報です。1月2日以降の分筆・合筆などは、反映が翌年の証明からになります。
評価証明書と公課証明書の違い|売却前にまず押さえたい点
どちらも、つくば市が発行する固定資産(土地・家屋)に関する証明で、記載内容の基準日は賦課期日である1月1日時点です。違いは、記載される項目の範囲にあります。
評価証明書に載る内容
つくば市の案内では、評価証明書(土地・家屋)には、1月1日時点の納税義務者名、評価額、地目や床面積など物件の情報が記載されます。税額は載りません。
公課証明書に載る内容
公課証明書(土地・家屋)には、納税義務者名、評価額に加え、課税標準額と相当税額(物件ごと)、地目や床面積などが記載されます。つまり、評価証明書の内容に「税の計算に使う数字」が加わった書類です。なお、評価証明書・公課証明書には事業用の償却資産を対象にした種類もあり、土地・家屋の証明とは別の書類です。本記事では土地・家屋を中心に説明します。
名寄帳・課税明細書・資産証明書との違い
売却の相談では、似た名前の書類も出てきます。違いを一枚にまとめました。

| 書類 | 主な記載内容 | 手数料 |
|---|---|---|
| 評価証明書(土地・家屋) | 納税義務者名、評価額、地目や床面積など | 1枚200円 |
| 公課証明書(土地・家屋) | 評価額、課税標準額、相当税額など | 1枚200円 |
| 資産証明書 | 名義ごとの土地筆数・土地評価額・家屋棟数・家屋評価額と、それぞれの合計 | 1枚200円 |
| 名寄帳の写し | つくば市内に所有する全ての固定資産(土地・家屋)の情報、年税額、期別の税額、減免税額、軽減税額など | 1枚200円 |
| 課税明細書 | 課税物件の明細。令和8年度(2026年度)からは免税点未満の物件も記載されます。非課税物件は記載されません | 無料 |
※手数料はつくば市「資産税証明・閲覧の申請」ページ(2026年1月20日更新)の記載です。申請前に最新の案内をご確認ください。
2026年1月20日からの変更点|古い情報のまま申請しないために
つくば市は、基幹系システムの標準化に伴い、2026年(令和8年)1月20日から証明書を次のとおり変更しています。
- 評価・公課証明が分離:これまでの「固定資産評価・公課証明」は、公課証明書と評価証明書に分かれました。
- 固定資産評価額通知書の交付を廃止:登録免許税の算定のため無料で交付していた書類で、令和8年1月19日をもって廃止されました。
- 「固定資産課税台帳記載事項証明」などが発行不可:1月2日以降に異動があった物件の証明として発行していた書類で、令和8年1月20日から発行できません。
- 申告用公課一覧表の発行終了:令和7年分の申告から発行できなくなりました。
ご家族や過去に取得した方から「前はこの書類で足りた」と聞いていても、現在は書類名や記載内容が違う可能性があります。提出先に、いまの書類名で確認してもらうのが安全です。
年度の考え方|1月1日時点と、1月2日以降の異動
記載は原則「1月1日時点」
証明の記載は賦課期日(1月1日)時点の情報です。売却の時期によっては、「今年度分で足りるのか」「前年度分も必要か」を提出先に確認しておきましょう。
1月2日以降に所有権が移った場合
つくば市の案内では、異動が所有権移転のみであれば、旧所有者名で証明を取得できます。移転が確認できる書類を用意してください。1月2日以降に資産を取得した方が申請する場合は、本人確認書類に加えて、登記上の所有権移転が完了したことを確認できる書類(登記簿謄本、登記完了証、登記事項要約書など)が必要です。契約書や登記原因証明書、登記識別情報だけで移転完了の確認の代わりにはしません。書類がない場合は発行できない可能性があり、移転後間もない場合は確認に時間を要するとされています。
1月2日以降に分筆・合筆などがあった場合
分合筆や地目変更などの異動後の評価額が反映されるのは、翌年の証明(4月1日から発行可)です。市の例では、令和8年3月3日に分筆の登記をした場合、証明の発行は令和9年4月1日から可能とされています。分筆や合筆を伴う売却では、必要な証明の年度が合うかを、早めに提出先と確認しましょう。
誰が申請できる?申請者別に必要な書類
固定資産の証明は、誰でも取得できるわけではありません。公課証明書・評価証明書を申請できる主な方は、1月1日時点の所有者、その相続人、納税管理人などです。1月2日以降に資産を取得した方も、条件を満たせば申請できます。
| 申請者 | 確認したいポイント(つくば市の案内より) |
|---|---|
| 所有者本人 | 本人確認書類の提示が必要です。運転免許証・個人番号カード・パスポートなど顔写真付きの公的書類は1点で確認できます。写真のない書類などは、市が定める組み合わせ(A群の書類2点、またはA群1点とB群1点)が必要なため、市の「本人確認書類」一覧で事前にご確認ください。 |
| 代理人 | 同一世帯でも委任状が必要で、委任状は原本を提出します。代理人ご自身の本人確認書類も提示します。不動産会社に取得を任せる場合の取扱いについては、市が「媒介契約書の特約事項に基づく交付申請の留意事項」を案内していますので、申請前に市の案内でご確認ください。 |
| 法定相続人 | 申請者ご自身の本人確認書類に加えて、所有者が亡くなったことを証する官公庁発行の書面(除籍謄本など)と、法定相続人であることを証する書面(戸籍謄本など)が必要です。法務局発行の法定相続情報一覧図があれば、1通で確認できます。 |
| 法人 | 市の案内では、①代表者印または会社印を押した申請書の持参、②法務局に登録している代表者印または会社印を押した法人の委任状の持参、③代表者印または会社印を持参して窓口で押印、④代表者本人が来庁(代表者名が記載された法人登記事項証明書を持参)、のいずれかの方法です。代表者であっても、名刺・社員証・印鑑登録カードなどだけでは受け付けられません。 |
近年は他の市町村や法務局へ電話で裏付けを取ることが難しいため、持参した書類だけで確認できるよう、不足なく用意するよう案内されています。相続が関わる売却では、土地の所有者を調べる方法もあわせてご覧ください。
窓口・郵送・電子申請|受け取り方法ごとの注意
窓口の場合
市税総合窓口や市内の各窓口センターで取り扱っています。申請には、市の様式(資産税証明・閲覧申請書)を使うことが推奨されていますが、必要事項を記載すれば汎用の用紙も使えます。
郵送の場合
郵送でも申請できます。申請書と本人確認書類の写し、委任状(代理の場合は原本)、手数料の定額小為替、返信用封筒(切手を貼ったもの)を同封します。切手や収入印紙は手数料として受け付けられません。最短でも申請書が到達した日の翌営業日の午後便での発送となり、到着日の保証はありません。売却のスケジュールに合わせて、余裕を持って申請しましょう。
電子申請の場合
「いばらき電子申請・届出サービス」で電子申請を行い、証明書を郵送で受け取る方法もあります。詳しくは市の案内をご確認ください。

複数の土地・家屋や共有名義の漏れを防ぐには
つくば市の案内では、公課証明書・評価証明書には、同一の所有者の固定資産を5件まで記載できます。一方で、単独で所有している資産と、共有で所有している資産を同じ証明にまとめて記載することはできません。また、共有資産は共有代表者以外の氏名では抽出できない場合があるため、共有名義の物件がある場合は、その旨と物件の詳細を申請書に明記するよう案内されています。
土地が複数の筆に分かれている場合や、筆の合併を伴う売却では、必要な物件が証明に漏れていないかを確認しましょう。合筆登記と複数筆の売却の記事も参考になります。
評価額と売却価格は別のもの
評価証明書や公課証明書に載る評価額は、固定資産税などを計算するための基準で、市場で売れる価格ではありません。「評価額が低いから売値も低い」「公課証明書の税額が高いから価値が高い」といった判断はできません。売却の価格は、近隣の取引状況、土地の形や接道、建物の状態などを踏まえた査定で確認します。売却に必要な書類全体の流れは、つくば市で家を売る流れと必要書類で整理しています。
売却相談の前に準備するメモ(持参チェックリスト)
- 提出先(不動産会社・司法書士・金融機関など)と、指定された書類名
- 必要な年度(今年度分か、過去年度も必要か)
- 対象の土地・家屋(所在地・地番・家屋番号がわかる資料)
- 名義(単独か共有か、共有代表者は誰か)
- 申請者(本人・代理人・相続人・法人)と、それに必要な書類
- 受け取り方法(窓口・郵送・電子申請)と、売却スケジュールとの兼ね合い
書類の種類で迷ったときは、ご相談の際に「提出先から言われた書類名」をそのままお伝えください。どの資料が必要かを一緒に確認します。
よくある質問
Q. 評価証明書と公課証明書は、どちらを取ればよいですか?
提出先によって異なります。つくば市の案内では、評価証明書は評価額など、公課証明書は評価額に加えて課税標準額と相当税額が記載される証明です。どちらが必要かは、不動産会社・司法書士・金融機関などの提出先に書類名を確認してから申請するのが確実です。
Q. 手数料はいくらですか?
つくば市の「資産税証明・閲覧の申請」ページ(2026年1月20日更新)では、評価証明書・公課証明書・資産証明書・名寄帳の写しは1枚200円、課税明細書は無料と案内されています。金額や取扱いは変わることがあるため、申請前に市の最新ページをご確認ください。
Q. 売却の契約が済んで1月2日以降に所有者が変わった場合も取得できますか?
つくば市の案内では、1月2日以降に所有権移転のみの異動があった場合は、旧所有者名で証明を取得できるとされています。ただし、移転が確認できる書類が必要です。1月2日以降に取得した人が申請する場合は、登記簿謄本や登記完了証など、登記上の所有権移転が完了したことを確認できる書類が求められます。契約書や登記原因証明書、登記識別情報だけでは、移転完了を確認する書類の代わりにならない点にご注意ください。個別の扱いは窓口でご確認ください。
Q. 同じ世帯の家族が代わりに申請できますか?
つくば市の案内では、代理人による申請の場合、同一世帯の方であっても委任状が必要で、添付する委任状は原本である必要があります。本人確認書類などと合わせて、事前に必要書類を確認しておくと手戻りを防げます。
Q. 郵送で申請すると、何日で届きますか?
つくば市の案内では、最短で申請書が到達した日の翌営業日の午後便での発送とされています。これは到着日の保証ではありません。売却スケジュールがある場合は、余裕を持って申請してください。
Q. 固定資産評価額通知書はもう取れないのですか?
つくば市は2026年(令和8年)1月19日をもって固定資産評価額通知書の交付を廃止しています。登録免許税の算定に使われていた書類ですが、今後どの書類で確認するかは、手続きを担当する司法書士や提出先にご確認ください。
Q. 評価額は、売却できる価格のことですか?
いいえ。評価額は固定資産税などを計算するための基準で、市場で売れる価格(査定額・成約価格)とは別のものです。売却価格の目安は、近隣の取引状況や物件の条件を踏まえた査定で確認します。
出典・参考資料
※上記の内容は2026年11月4日時点で確認したつくば市公式サイトの記載にもとづきます。手数料・受付方法・必要書類は変更されることがあるため、申請前に必ず最新の案内をご確認ください。個別の税務・登記の手続きは、税理士・司法書士などの専門家にご相談ください。
つくば市の不動産売却は、ハウスドゥ つくば研究学園都市店へ
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