土地の所有者を知りたいとき、最初に押さえたいのは「所有者名が分かる公的な記録は法務局の登記で、つくば市役所の地番図や税の情報は目的が違う」という点です。公式の案内で確認できた範囲では、所有者の氏名・住所まで確認できる登記の証明書や情報提供サービスは手数料がかかり、無料でできるのは、地番を探す段階の確認(手元の資料の見直しなど)が中心です。また、登記に載っている所有者が、いまの所有者や連絡の取れる相手とは限りません。
この記事では、つくば市で土地の所有者を調べる手順を5つのステップに分け、つくば市の窓口と法務局で「何が分かり、何が分からないか」、登記の所有者に連絡がつかないときの考え方、売却や境界の相談につなげるときに整理しておきたい情報をまとめます。所有者が必ず分かる、連絡が取れるという保証はできません。
土地の所有者を調べる前に:誰の・何のために調べるか
調べ方は、目的によって少し変わります。
- 自分や家族の土地:権利証(登記済権利証・登記識別情報通知)や固定資産税の課税明細書を見れば、地番と名義の手がかりがそろうことが多いです。
- 相続した土地・実家の土地:名義が亡くなった方のままになっていないかを、登記で確認します。
- 隣の土地・空き地:境界の確認や売却の相談のため、隣地の所有者を知りたい場合です。個人情報の扱いに気をつける必要があります(後述)。
なお、住所から地番を調べる方法は地番と住所の違いとは?調べ方6つと売買前の確認点で、登記事項証明書の見方は登記簿(登記事項証明書)の見方で説明しています。この記事は、その手前と先をつなぐ「所有者の確認から連絡先が不明なときまでの流れ」に絞ります。
土地の所有者を調べる5つのステップ

ステップ1:対象の土地の「地番」を特定する
登記事項証明書を請求するときは、登記に記録された「地番」(土地)または「家屋番号」(建物)で不動産を特定します。法務省の登記・供託オンライン申請システムのFAQでは、住居表示(住居番号)では特定できないため、権利証、登記識別情報通知書、固定資産税の課税明細書などで地番を確認するよう案内されています。これらで確認できない場合は、管轄の登記所に尋ねるとされています。
つくば市内の土地は、水戸地方法務局つくば出張所が管轄です(市の案内ページに記載の所在地は、つくば市吾妻1丁目12番地1の筑波合同庁舎、電話029-851-8186。最新の窓口情報は法務局の案内で確認してください)。
ステップ2:つくば市の地番図で場所を確認する
つくば市では、地番図・航空写真の閲覧と発行を、本庁舎2階の市税総合窓口で扱っています(市内の窓口センターでは取り扱いなし)。市の案内では、1枚1回につき200円、どなたでも申請でき、本人確認書類は不要とされています。
ただし、市の地番図は不動産登記法に定める地図や公図ではなく、地番がおおむね存在する場所を表したものです。土地の形状・境界の確認、面積の計算、登記関係には使えず、この図面に関する証明も行われません。「所有者を知るための資料」でも「境界を確定する資料」でもない点に注意してください。
ステップ3:登記事項証明書などで所有者を確認する
地番が分かったら、法務局の登記事項証明書や、登記情報提供サービスの「所有者事項」などで、登記上の所有者の氏名・住所を確認します。請求書に必要事項を書いて手数料を納めれば、土地の所有者本人でなくても登記事項証明書を請求できる仕組みです。
オンラインで確認したい場合は、登記情報提供サービスを使う方法もあります。登記情報提供サービスでは、地番の検索や、所有者事項などの登記情報の取得ができます。登記所の窓口に行かずに自宅から確認できる反面、有料で、証明書として提出する用途には使えません。公式FAQでは、利用方法として、継続的に使う場合の「登録利用」(申込手続のうえ契約)と、一時的に使う場合の「一時利用」(申込手続なしで、本人認証の利用登録をしたクレジットカード決済で利用)が案内されています。どちらを選ぶか、また料金や手続き、利用できる時間帯は、提供元の公式案内で確認してください。
手数料は請求方法(窓口・オンライン請求の郵送受取・窓口受取など)で異なり、改定されることもあるため、金額は請求の前に法務局の案内で確認してください。登記事項証明書の見方(表題部・甲区・乙区)はこちらの記事で説明しています。
ステップ4:登記の所有者が「いまの所有者」かを確認する
登記の名義がそのまま現在の所有者とは限りません。たとえば次のような場合です。
- 所有者が亡くなっているのに、相続の登記がされていない(相続登記は、取得を知った日から3年以内の申請が義務化されています)。
- 所有者が引っ越しているのに、登記の住所が古いまま。住所・氏名の変更登記は、令和8年(2026年)4月1日から義務化され、変更日から2年以内の申請が必要です。正当な理由なく怠ると5万円以下の過料の対象となります。施行前に住所を変えた方も、令和10年3月31日までの変更登記が必要です(法務省の案内)。
- 売買などがあったのに、買主の名義への変更がまだ済んでいない。
つまり、登記の氏名・住所は「連絡の手がかり」にはなりますが、現在の居場所や相続の状況まで示すものではありません。
ステップ5:連絡が取れないときは専門窓口に相談する
登記上の住所に連絡しても届かない、所有者が亡くなっているようだ、という場合は、個人で調べを続けるより専門家に相談したほうが安全です。相続関係の整理や登記は司法書士、境界や測量は土地家屋調査士、売却や買取の相談は不動産会社と、相談先が分かれます。公的書類の請求には、請求できる人や理由に制限があるため、むやみに集めようとしない点も大切です。
窓口ごとに「分かること・分からないこと」を整理する

| 確認先 | 分かること | 費用・条件 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 手元の資料(権利証・課税明細書) | 地番の手がかり、自分の土地の名義 | 手数料は不要(すでにお持ちの書類) | 他人の土地の所有者は分からない |
| つくば市の地番図 | 地番がおおむね存在する場所 | 1枚1回200円(市の案内)。本庁舎2階の市税総合窓口 | 公図ではなく、境界・面積・登記関係には使えない |
| 法務局の登記事項証明書 | 登記上の所有者の氏名・住所、権利関係 | 請求方法により手数料が異なる(法務局で確認) | 登記が最新の状況を表しているとは限らない |
| 登記情報提供サービス(所有者事項など) | 登記上の所有者の情報をオンラインで確認 | 有料(料金・利用時間は提供元で確認) | 地番が必要。証明書としては使えない |
| 市の税証明(公課証明・評価証明など) | 1月1日時点の納税義務者名、評価額など | 1枚200円(申請できる人に限る) | 隣地の所有者を調べる目的では請求できない |
市役所の税情報で、他人の土地の所有者は分かる?
つくば市の「資産税証明・閲覧の申請」の案内では、公課証明書や評価証明書を申請できる方は、1月1日時点の所有者、その相続人、納税管理人など、限られた立場の方とされています。つまり、隣の土地の所有者を知るためだけに、他人の資産の証明書を取ることはできません。
また、市の固定資産税に関するよくある質問では、「登記簿で調べた所有者が転居したようなので、納税通知書の送付先を教えてほしい」という問い合わせに対し、課税台帳は課税のために作成されたもので、個人のプライバシー保護のため課税以外には使えず、送付先は答えられないとされています。電話での税額の照会にも応じていません。
所有者本人が手元の納税通知書や課税明細書で地番を確認する、相続人が所定の書類をそろえて証明を申請する、といった使い方が基本です。
登記の所有者に連絡がつかないとき:売却・境界の相談でよくある場面
隣地の所有者の確認が必要になる場面
土地を売る前の境界確認や測量では、隣地の所有者の立ち会いや承諾が必要になることがあります。土地の測量(確定測量)の流れと費用の決まり方では、境界確認の進め方とつくば市の道路境界の申請を、道路境界線とはでは、道路との境の考え方を説明しています。手元の図面は地積測量図と確定測量図の違いで整理できます。
相続した土地・実家の土地の名義が不明なとき
登記の名義が先代のままの場合は、まず相続の登記を検討する流れになります。売却を考えている場合でも、名義の整理が先になります。相続人の確認や登記は、司法書士などの専門家に相談してください。
所有者が見つからない土地は売却・買取できる?
登記の所有者に連絡がつかない土地を、第三者が勝手に売買することはできません。一方で、ご自身が所有者または相続人で、地番・名義・隣地との関係が分かる範囲で整理できていれば、売却の方向性(仲介・買取・活用)を相談しやすくなります。
他人の土地の所有者を調べるときの個人情報の扱い
登記事項証明書で分かる氏名・住所は、調べた目的に必要な範囲で扱ってください。隣地や相続の連絡といった正当な目的の範囲を超えて、SNSなどに公開したり、第三者へ広めたりすることは避けましょう。当店でも、お客様や隣地の方の個人情報を、この記事や公開資料に掲載することはありません。
まとめ:土地の所有者を調べる方法の流れを整理
土地の所有者を調べる方法は、地番を特定し、法務局の登記で所有者を確認し、その所有者が現在も正確な情報かを確かめる、という順に整理できます。つくば市の地番図や税証明は、地番の場所の目安や自分の資産の確認に役立ちますが、他人の土地の所有者を調べる手段ではありません。無料でできる範囲は限られ、登記の確認には手数料がかかる点も押さえておきましょう。所有者に連絡がつかない場合は、司法書士や土地家屋調査士などの専門家に相談し、売却や買取を考えるときは、分かる範囲の資料をそろえて不動産会社へ相談すると、解説や手続きの見通しが立てやすくなります。
よくある質問(FAQ)
Q1. 土地の所有者を無料で調べる方法はありますか?
A. 公式の案内で確認できた範囲では、所有者の氏名・住所を確認できる登記の証明書や情報提供サービスには手数料がかかります。手元の権利証や課税明細書で地番を確認する、といった準備の段階は、追加費用なしで進められます。
Q2. 土地の所有者を調べるのに必要な情報は?
A. 登記上の「地番」が必要です。住居表示(住所)では登記事項証明書を請求できません。地番が分からないときは、権利証・登記識別情報通知書・固定資産税の課税明細書で確認し、それでも不明なら管轄の法務局に相談します。
Q3. つくば市役所で土地の所有者を教えてもらえますか?
A. 市の地番図は、地番がおおむね存在する場所を示すもので、所有者を証明する資料ではありません。税証明は、所有者や相続人など申請できる方が限られ、納税通知書の送付先なども教えてもらえません。
Q4. 隣の土地の所有者を知るには?
A. 法務局で登記事項証明書を請求し、登記上の所有者を確認する方法が一般的です。ただし、登記の住所が古いなどで連絡がつかない場合もあるため、境界確認が必要なときは、土地家屋調査士などの専門家に相談してください。
Q5. 登記の所有者が亡くなっているようです。どうすればよいですか?
A. 相続人の確認や相続登記が必要です。相続登記は、相続で取得したことを知った日から3年以内の申請が義務化されています。手続きは司法書士などの専門家に相談してください。
Q6. 所有者が分からない土地でも、売却の相談はできますか?
A. ご自身が所有者または相続人であれば、地番・名義・相続や隣地の状況が分かる範囲で整理して、お気軽にご相談ください。所有者が判明するかどうかは、状況により異なります。
土地の所有関係を整理して、つくばで売却を相談するなら
ハウスドゥ つくば研究学園都市店では、地番や名義、相続・隣地の状況が分かる範囲の資料を一緒に整理しながら、売却の進め方をご案内します。なお、お客様や隣地の方の個人情報を、ブログや公開資料に掲載することはありません。電話は 0120-565-072、フォームはこちらから承ります。
出典・参考資料
- 法務省 登記・供託オンライン申請システム FAQ(地番・家屋番号による不動産の特定、確認に使う書類)
- つくば市 資産税証明・閲覧の申請(申請できる方、手数料、地番図の閲覧・発行と位置づけ)
- つくば市 よくある質問(固定資産税・都市計画税)(納税通知書の送付先を回答できない旨、法務局つくば出張所の案内)
- 登記情報提供サービス よくあるご質問(登録利用と一時利用の違い)(利用方法の区分)
- 法務省 住所等変更登記の義務化について(令和8年4月1日施行、2年以内、5万円以下の過料)
※登記・税証明の手数料や窓口の条件は変わることがあります。ご利用前に、各窓口の最新の案内でご確認ください。
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