結論から言うと、建物図面は「敷地のどこに建物があるか」、各階平面図は「各階がどんな形か」を示す、法務局に備えられた登記の図面です。売却前にこの2つを確認しておくと、登記されている建物の形と、今の家の姿に差がないかを早めにつかめます。この記事では、つくば市で自宅や空き家を売る前の売主向けに、建物図面・各階平面図の違い、取得に必要な家屋番号、設計図や広告の間取り図との違い、図面と現況に差があったときの確認順を整理します。

なお、図面と現況に差があるからといって、直ちに違法や未登記と決まるわけではありません。差の理由は、建築時の図面の形式、増改築の履歴、登記のタイミングなどさまざまです。個別の判断は、土地家屋調査士・建築士・法務局の窓口などへの確認が前提です。

建物図面・各階平面図とは?売却前に見る理由

法務局(登記所)には、登記記録(登記簿)のほかに、土地や建物の図面が備えられています。法務局の案内では、建物図面は建物の位置を表示した図面、各階平面図は建物の各階ごとの形状を表示した図面とされ、多くは建物図面と各階平面図が一緒になった1枚で保管されています。これらの図面は、作成された年などによって形式が異なることがあります。

売却前に見ておく理由は、次の3つです。

  • 買主や不動産会社に登記上の建物の位置と形を説明するときの土台になります。
  • 増築・改築・取り壊しなどがあった家で、登記の内容と現在の建物がそろっているかを確認する入口になります。
  • 売却の相談前に資料をそろえておくと、確認すべき点が絞れて話が進めやすくなります。

土地側の図面(地積測量図・公図)は別の資料です。土地の図面の比べ方は地積測量図と確定測量図の違いで整理しています。

建物図面・各階平面図・設計図の平面図・広告の間取り図の違い

「図面」と呼ばれる資料は、目的の違うものがいくつも出回っています。名前が似ていても、書かれていることは別です。

建物図面・各階平面図・設計図の平面図・広告の間取り図の違いを比べた表|つくば市で家を売る前の図面確認
資料 主な目的 分かること 主な入手先
建物図面 登記(建物の位置の表示) 敷地の中での建物の位置 法務局
各階平面図 登記(各階の形状の表示) 各階の形・大きさ(床面積を考える材料) 法務局
設計図の平面図 建築・設計 部屋の配置、出入口や窓の位置、設備の置き場所など 建築当時の施工会社・設計者・建築主の手元の資料
広告の間取り図 販売・案内 部屋の並びのイメージ(実際の形と細部が違うことがあります) 仲介会社・売出し資料

建築の世界では、平面図は「各階を一定の高さで水平に切った形を上から見た図で、部屋の配置・出入口・窓・設備などを示す基本的な図面」と説明されています(三菱地所「不動産用語集」)。一方、登記の各階平面図は、あくまで登記のために建物の各階の形状を示すものです。一般に、部屋の仕切りや設備の配置まで細かく読み取る図面ではありません。

図面の請求に必要な「家屋番号」とは

法務局の案内では、図面はどなたでも請求でき、窓口での請求時に印鑑や身分証明は不要とされています。ただし名義人の名前からは調べられないため、土地は「地番」、建物は「家屋番号」を事前に確認して請求します。

注意したいのは、地番・家屋番号は、郵便物が届く住所(住居表示)とは異なる場合があることです。「住所で請求したのに出てこない」というつまずきは、ここで起こりがちです。

家屋番号の探し方

  • 登記事項証明書(建物):表題部に家屋番号や床面積が載っています。見方は登記簿(登記事項証明書)の見方をご覧ください。
  • 登記識別情報通知・権利証、売買時の資料:過去の取引で受け取った書類に記載があることがあります。
  • 固定資産税の納税通知書(課税明細):土地・建物の所在や番号を確かめる手がかりになります(家屋番号そのものが書かれているとは限りません)。

家屋番号に枝番が付くことがあります。取得に慣れていない場合は、先に建物の登記事項証明書で家屋番号を特定してから、図面を請求する方が確実です。地番・住所の食い違いを調べる方法は、地番と住所が違うときの調べ方も参考になります。

建物図面・各階平面図の取得方法:窓口・郵送・オンライン

法務局・法務省の案内では、図面の請求方法として窓口・郵送・オンライン申請の3つが示されています。

  • 法務局の窓口で請求する:所定の申請書に、地番・家屋番号などを記入して提出します。
  • 郵送で請求する:申請書に記入し、必要な印紙・返信用の切手や封筒などを同封して送ります。
  • オンラインで請求する:法務省の案内では、オンラインで請求できる「図面証明書」に建物図面・各階平面図が含まれます。ただし、受け取るのは紙の証明書で、窓口での受領または送付です。電子の証明書(PDF)がオンラインで交付されるわけではありません。また、閉鎖された図面やデータ量が大きいものなど、オンライン請求の対象外になる場合があります。

窓口で図面を請求するときは印鑑や身分証明が不要とされていますが、オンラインで請求した書面を窓口で受け取る場合は別です。受取人の氏名・住所、申請番号、合計通数の申告が必要で、受け取れるのは申請時に指定した登記所に限られます。申告の具体的な方法は、法務省の公式案内で確認してください。

つくば市の不動産登記は、水戸地方法務局の管轄区域一覧でつくば出張所の管轄として掲載されています。窓口の受付時間、手数料、オンライン請求の最新の手順は、水戸地方法務局の案内で確認してください。手数料は改定されることがあるため、この記事では金額を載せていません。

「証明書」と「登記情報提供サービス」は別もの

図面の入手には、法務局の「証明書(写し)」として取得する方法と、登記情報提供サービスで図面情報を有料のPDFとして閲覧・取得する方法があります。後者のPDFには証明文や公印は付かず、証明書とは別のものです。売主が手元で内容を確認する目的なら足りることがありますが、提出先が「証明書」を求める場合は、証明書の請求が必要です。どちらが必要かは、提出先(買主・金融機関・専門家など)に先に聞いておくと、取り直しを防げます。

建物図面から分かること・分からないこと(境界・面積・現地)

建物図面は、敷地の中で建物がどこにあるかを示す図面です。ただし、図面の線だけで敷地の境界が決まるわけではありません。境界の位置は、土地の測量図や現地の境界標、隣地との確認など、別の資料と現地で確かめます。境界の考え方は道路境界線とは、隣地との関係は越境とは?で整理しています。

各階平面図の形から、登記されている床面積を確かめる材料にもなります。ただし、登記の面積と、広告や固定資産税の資料に載る面積は、数え方(壁の中心で測るか、内側で測るか等)が違うことがあります。面積の数字が違うだけで「図面が間違い」とは決めず、何を基準にした数字なのかを確認してください。

図面は紙の上の情報です。現地で見たときの建物の形・増築部分・庇や出窓・物置の位置と、図面の形が合っているかは、現地で並べて見る必要があります。外観と各階の写真を撮っておくと、相談時に説明しやすくなります。

相続した家・空き家の場合の図面確認

相続した家や、長く空き家になっている家でも、図面の請求は「どなたでもできる」と法務局は案内しています。名義が亡くなった方のままでも、家屋番号が分かれば図面を請求できます。名義の変更(相続登記)は別の手続きで、図面の取得とは切り分けて考えます。

相続した家は、建てた当時の資料や増改築の記録が手元に残っていないことが多いため、図面が現況を確かめる数少ない手がかりになることがあります。このようなケースでは、遠方にお住まいでも、法務局の郵送請求やオンライン請求を使って先に図面を確認し、売却の相談へ進む方法があります。

売買契約・重要事項説明で図面が使われる場面

売買契約の前には、買主に対して重要事項の説明が行われ、土地・建物に関する図面が説明の添付資料として使われることがあります。契約の段取りは不動産会社が進めますが、売主が先に図面と現況の差を把握しておくと、説明の依頼や資料の準備がスムーズです。図面の添付が必要かどうかや、どの資料をどの順で用意するかは、不動産会社に確認してください。マンションは、一棟の建物と専有部分で図面の扱いが異なるため、必要な図面は不動産会社や法務局にあらかじめ確認します。

図面を取る前の売主の確認順(5ステップ)

建物図面・各階平面図の取得から現況確認までの流れ(家屋番号の確認、図面の請求、手元資料との照合、専門家への相談)|つくば市の不動産売却
  1. 建物の登記事項証明書で家屋番号を確認する(住所ではなく家屋番号)。
  2. 建物図面・各階平面図を請求する(証明書か、確認用かを決めてから)。
  3. 手元の資料と並べる:設計図、建築当時の資料、増改築時の見積書・契約書、リフォームの写真など。
  4. 現在の家の姿と見比べる:増築・減築・物置やカーポートの建て替えなど、図面にない変化がないか。
  5. 差があれば原因を確認する:自分で結論を出さず、土地家屋調査士・建築士・不動産会社に相談する。

図面と現況に差があるときの考え方

図面を見て「今の家と形が違う」と気づく場合があります。次のような理由が考えられます。

  • 増築・改築・減築をしたが、建物の登記に反映していない(変更の登記が未了)。
  • 登記の図面が古い形式で、現在の図面ほど細かく描かれていない。
  • 建物の一部を取り壊した、または別棟を新築した。
  • 物置・カーポートなど、登記の対象にならない(または別に扱われる)ものが現況にある。

差があること自体は、直ちに違法や未登記を意味しません。ただし、登記の内容と現況がそろっていないと、買主への説明・契約条件・引渡しの進め方に影響することがあります。まずは原因をはっきりさせることが先です。引渡し後に「聞いていた内容と違う」というトラブルにしないためにも、分かっている範囲を売却相談の際に伝えておくことが大切です。

どこに相談するか(役割の整理)

確認したいこと 主な相談先
登記の内容・図面の取得方法 水戸地方法務局(つくば出張所の案内)
登記と現況の差の確認・建物の変更登記 土地家屋調査士
建築当時の設計・増改築の内容の確認 建築士・施工会社
建築確認の記録の確認方法 建築指導を担当する自治体の窓口・確認を受けた機関
売却の進め方・価格・買主への説明 不動産会社

未登記建物や滅失登記など、登記手続側の話は建物滅失登記は1か月以内や未登記建物に固定資産税はかかる?で別に整理しています。建物の状態を第三者に調べてもらう方法は建物状況調査(インスペクション)とはが参考になります。

売却相談前にそろえる資料チェック表

相談の前に、次の資料を手元にそろえておくと、確認が進みやすくなります。個人情報(氏名・住所・電話番号など)は、必要のない相手には隠して共有しても構いません。

資料 ある/ない メモ
建物の登記事項証明書(家屋番号の確認) □
建物図面・各階平面図 □
土地の地積測量図・公図 □
建築当時の設計図・建築確認の書類 □
増改築・大規模リフォームの時期と内容が分かる資料 □
固定資産税の納税通知書 □
現在の建物の写真(外観・各階) □
相続した家の場合:亡くなった方の名義の確認資料(相続登記の状況) □

資料が全部そろっていなくても、売却の相談はできます。「ある資料」と「ない資料」を整理しておくだけで十分です。売却に必要な書類全般の流れはつくば市で不動産を売るときの必要書類チェックリスト、古い登記資料を調べる方法は閉鎖登記簿を調べるにはをご覧ください。

つくば市の売却相談はハウスドゥ つくば研究学園都市へ

ハウスドゥ 家・不動産買取専門店 つくば研究学園都市では、つくば市内の戸建・マンション・土地の売却や買取のご相談をうかがっています。図面と現況の差が気になる場合も、まず資料の状況を整理し、法務局・土地家屋調査士・建築士などへの確認が必要な点は役割を分けてご案内します。登記や図面の個別判断は、専門家・法務局の確認結果を前提に進めます。

電話:0120-565-072/無料の売却相談フォームはこちら

よくある質問(FAQ)

Q1. 建物図面と各階平面図は、どう違いますか?

法務局の案内では、建物図面は建物の位置を表示した図面、各階平面図は建物の各階ごとの形状を表示した図面です。多くは1枚にまとめて保管されています。

Q2. 建物図面は、所有者以外でも取れますか?

法務局の案内では、どなたでも請求でき、窓口での請求時に印鑑や身分証明は不要とされています。ただし名義人からは調べられないため、建物の家屋番号が必要です。

Q3. 住所で請求すれば図面は出ますか?

住所(住居表示)ではなく、家屋番号で請求します。地番・家屋番号は、住所と異なる場合があります。分からなければ、建物の登記事項証明書で確認します。

Q4. 登記情報提供サービスの図面と、法務局の証明書は同じですか?

別のものです。登記情報提供サービスのPDFには証明文や公印が付きません。提出先が証明書を求めているかを先に確認してください。

Q5. 古い家で、法務局に図面がない場合はどうなりますか?

図面は作成年などで形式が異なり、すべての建物に同じ図面が備わっているとは限りません。図面がない場合の扱いは、法務局や土地家屋調査士に確認してください。

Q6. 図面と現況に差があると、売却できませんか?

差があるだけで売却できなくなるわけではありません。原因によって、売却前に整理した方がよい内容が変わります。まず原因を確認し、登記や建築の専門家と買主への説明方法を相談してください。

Q7. 相続した家でも、名義が変わっていなくても図面を請求できますか?

法務局の案内では、図面はどなたでも請求でき、名義人からは調べられないため家屋番号が必要です。名義変更(相続登記)は別の手続きなので、図面の確認と分けて進めてください。

出典・確認日

上記は2026年11月4日に確認した内容です。請求方法・手数料・窓口の運用は変更されることがあるため、手続きの前に必ず最新の公式情報と窓口でご確認ください。図面の請求の基本は、盛岡地方法務局の案内を全国共通の考え方の参考として引用しています。オンライン請求と受取方法は法務省の案内に基づきます。水戸地方法務局の取り扱いの細部は同法務局の案内で確認してください。登記・建築・税金の個別判断は、土地家屋調査士・建築士・税理士などの専門家にご相談ください。

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