結論から言うと、不動産の競売(けいばい)とは、住宅ローンなどの返済が滞ったときに、債権者(金融機関や保証会社)の申立てにより裁判所が不動産を強制的に売却し、その代金を返済にあてる手続きです。売却価格は市場価格より低くなりやすく、残債は残り、引越し時期も自分で決められません。ただし、競売の開札日前日までは「任意売却」によって競売を回避できる可能性があります。
この記事では、競売の読み方や意味、担保不動産競売と強制競売の違い、滞納から明渡しまでの流れとスケジュール、売却基準価額の仕組み、競売にかかる費用、競売後の残債や立ち退き、そして競売を止めるための任意売却・リースバックまでを、つくば市を拠点とするハウスドゥ 家・不動産買取専門店 つくば研究学園都市が整理しました。競売物件の購入を検討している方向けの注意点も後半で触れています。
競売とは|読み方・意味と「不動産競売」の基本
競売の読み方は「けいばい」(法律用語)・「きょうばい」(一般)
「競売」は法律や裁判所の実務では「けいばい」と読み、一般には「きょうばい」とも読まれます。どちらも誤りではありませんが、裁判所の書類や不動産業界では「けいばい」が使われます。英語では auction(オークション)にあたりますが、不動産競売は裁判所が主導する強制的な売却手続きである点が、一般のオークションとは異なります。
競売の意味|債権回収のために裁判所が不動産を売る手続き
不動産競売は、民事執行法にもとづいて裁判所が行う手続きです。住宅ローンを組むとき、金融機関は自宅に「抵当権」を設定します。返済が滞ると、抵当権を持つ債権者は裁判所に競売を申し立て、裁判所が物件を調査・評価したうえで入札形式で売却し、代金を債権者への返済に充当します。所有者の意思にかかわらず進む点が最大の特徴です。
担保不動産競売と強制競売の違い
競売には大きく2種類あります。「担保不動産競売」は抵当権などの担保権にもとづく競売で、住宅ローン滞納による競売のほとんどがこれにあたります(事件番号に「ケ」が付きます)。一方「強制競売」は、判決や公正証書などの債務名義にもとづき、担保権のない債権者が申し立てる競売です(事件番号に「ヌ」が付きます)。手続きの流れ自体はほぼ共通です。
競売と公売・差押えとの違い
「公売」は税金の滞納により国や自治体が差し押さえた財産を売却する手続きで、裁判所ではなく税務署や自治体が主体です。「差押え」は債権者が財産の処分を禁じる手続きで、競売の前段階として差押え登記がなされます。つまり、差押え→競売の順で進み、差押えの段階であればまだ任意売却の余地があります。
不動産競売の流れとスケジュール|滞納から明渡しまで

ステップ1:滞納〜督促(滞納1〜3か月)
返済が滞ると、金融機関から督促状や催告書が届きます。この時点ではまだ競売ではなく、返済計画の見直しや金融機関への相談が可能です。将来の返済が難しいと分かっている場合、最も選択肢が広いのはこの段階です。
ステップ2:期限の利益の喪失・代位弁済(滞納3〜6か月)
滞納が続くと「期限の利益」を失い、分割返済の権利がなくなって残債の一括返済を求められます。保証会社付きのローンでは、保証会社が金融機関に代位弁済を行い、以後は保証会社(またはサービサー)が債権者となって交渉相手が変わります。
ステップ3:競売申立て・競売開始決定・差押え登記
債権者が裁判所に競売を申し立てると、裁判所から「競売開始決定通知」が届き、登記簿に差押えの登記がなされます。その後、執行官と評価人による現況調査(自宅内の写真撮影や聞き取り)が行われ、「三点セット」(物件明細書・現況調査報告書・評価書)が作成されます。
ステップ4:期間入札・開札・売却許可決定
裁判所が売却基準価額を定め、期間入札の公告を行います。入札期間(通常1週間程度)を経て開札され、最高価買受申出人が決まると、売却許可決定が出されます。通常、競売開始決定から開札までは半年〜1年程度が目安です。
ステップ5:代金納付・所有権移転・引渡命令・明渡し
買受人が代金を納付すると所有権が移転し、元の所有者は退去しなければなりません。退去しない場合、買受人は「引渡命令」を申し立て、最終的には強制執行によって明渡しが実施されます。残置物の撤去費用が請求されることもあります。
競売の期間はどれくらい?(スケジュールの目安)
滞納開始から明渡しまでを通算すると、おおむね1年〜1年半程度かかるケースが多いといわれます。ただし裁判所や物件、債権者の対応によって前後します。重要なのは「競売開始決定が届いてからでも、開札の前日までは任意売却で止められる可能性がある」という点です。
競売の価格はなぜ安い?売却基準価額・買受可能価額の仕組み
売却基準価額と買受可能価額とは
裁判所は評価人の評価にもとづいて「売却基準価額」を定めます。この価額は、競売特有の事情(内覧できない、占有者がいる可能性がある、瑕疵担保がないなど)を考慮して市場価格より低めに設定されるのが通常です。さらに、入札できる下限である「買受可能価額」は売却基準価額の8割とされています。
市場価格より低くなりやすい理由
競売物件は内覧ができず、引渡しや残置物のリスクを買主が負うため、その分が価格に織り込まれます。結果として、任意売却や通常の売却より低い価格で落札されるケースが多く、残債が多く残る原因になります。つくば市のようにTX沿線で住宅需要が堅調なエリアでも、競売である以上この構造は変わりません。
競売で売れなかったらどうなる?(特別売却・取消し)
期間入札で買い手がつかない場合は「特別売却」(先着順での売却)に移行し、それでも売れなければ売却基準価額を下げて再度入札にかけられます。何度も不売が続くと、裁判所が競売手続を取り消すこともあります。
競売にかかる費用|予納金・申立費用は誰が払う?
予納金・申立費用の仕組み
競売を申し立てる債権者は、裁判所に予納金(評価や現況調査などの費用に充てるお金)を納めます。金額は裁判所や請求債権額によって異なり、数十万円規模になることが一般的です。予納金は最終的に売却代金から優先的に回収されるため、実質的には所有者の売却代金から差し引かれる形になります。
競売後も固定資産税・税金は発生する
競売が進行中でも、所有者である限り固定資産税は課税されます。買受人が代金を納付して所有権が移転した年の税金の取扱いは、通常の売買と異なり日割精算がないため、その年分は元の所有者が負担するのが一般的です。また、競売による売却でも譲渡所得の計算対象にはなりますが、多くのケースでは売却損となり課税は生じません(個別の判断は税理士へ)。
競売にかけられた後どうなる?残債・立ち退き・強制執行
残債は残る|競売後の返済はどうなる
落札代金で債務を完済できない場合、残った債務(残債)はそのまま残ります。債権者から一括請求されるのが原則ですが、実際には分割返済の交渉になることが多く、返済が不可能な場合は債務整理や自己破産を検討することになります。競売は「家を失っても借金が終わらない」可能性が高い手続きだという点を理解しておく必要があります。
立ち退きの時期と引渡命令
買受人が代金を納付した時点で所有権が移るため、それ以降は住み続ける権利がありません。買受人と話し合って引越し猶予をもらえることもありますが、法的な保証はなく、応じない場合は引渡命令・強制執行の対象になります。強制執行の費用は一旦買受人が負担しますが、元所有者に請求される可能性があります。
連帯保証人・共有名義(ペアローン)への影響
競売になると、連帯保証人には残債の請求が及びます。夫婦のペアローンや共有名義の住宅では、離婚後に片方が滞納して競売に至るケースも少なくありません。早い段階で任意売却を選び、残債の処理を含めて債権者と交渉するほうが、保証人や共有者への影響を抑えられます。
競売になった家に住み続ける方法はある?
親族や知人が落札して賃貸で住み続ける「親族間売買」に近い形や、任意売却と組み合わせた「リースバック」であれば、住み続けられる可能性があります。ただし、いずれも債権者の同意や資金の裏付けが必要で、競売の入札で身内が確実に落札できる保証はありません。住み続けたい希望がある場合ほど、競売になる前の任意売却が現実的です。
競売を回避する方法|任意売却・リースバック・取り下げ

任意売却とは|競売との違い
任意売却は、債権者の同意を得たうえで、通常の不動産売却と同じ形で市場価格に近い金額で売る方法です。競売と比べて、価格が高くなりやすい、近所に知られにくい、引越し時期や引越し費用を交渉できる、残債の分割返済を相談しやすいといった違いがあります。任意売却の詳しい流れは「つくば市の任意売却|競売との違い・流れとメリット」で解説しています。
任意売却はいつまでできる?(開札日の前日まで)
法律上は、競売の開札日の前日までに債権者が競売を取り下げれば、任意売却は可能です。ただし、買主探し・債権者との価格交渉・抵当権抹消の調整には時間がかかるため、実務上は競売開始決定が届いた時点、できれば滞納が始まった段階で相談を始めるのが望ましいといえます。
競売の取り下げの仕組み
競売を取り下げられるのは申立てをした債権者だけです。任意売却で債権者が納得する金額の返済が見込める場合、債権者が取下書を裁判所に提出して競売が止まります。所有者側で一方的に止めることはできないため、債権者との交渉が鍵になります。
リースバックで住み続ける選択肢
任意売却で不動産会社などに自宅を売却し、そのまま賃貸として住み続けるのがリースバックです。子どもの学区を変えたくない、高齢の親を転居させたくない場合などに検討されます。家賃が払える見込みがあること、債権者の同意が得られることが条件になります。
買取による早期解決
競売までの期限が迫っている場合、不動産会社の直接買取なら、買主探しの期間を省いて短期間で決済できるため、開札前に間に合う可能性が高まります。ハウスドゥ 家・不動産買取専門店 つくば研究学園都市では、債権者との調整を含めた買取のご相談を承っています。
競売物件の情報の調べ方|BITと三点セット
不動産競売物件情報サイト(BIT)とは
裁判所が公告した競売物件は、最高裁判所が運営する「不動産競売物件情報サイト(BIT)」で誰でも閲覧できます。物件の所在・売却基準価額・入札期間・三点セットなどが公開されており、自宅が競売にかけられると、この情報が不特定多数の目に触れることになります。プライバシーの面で任意売却が選ばれる理由のひとつです。
三点セットの見方(物件明細書・現況調査報告書・評価書)
三点セットには、占有状況、建物の写真、評価額の根拠、権利関係などが記載されています。所有者側から見ると「自宅の内部写真や生活状況が公開される資料」であり、購入検討者側から見ると「内覧の代わりに物件を判断する唯一の資料」です。
競売物件の購入を考えている方へ|リスクと注意点
競売物件が「やめたほうがいい」といわれる理由
競売物件は安く買える一方で、内覧ができない、占有者がいる場合は自分で立ち退き交渉や引渡命令の申立てをする必要がある、残置物の処分費用がかかる、瑕疵があっても売主に責任を問えない、といったリスクがあります。落札後に想定外の費用が発生し、結果的に相場と変わらない負担になることもあります。
住宅ローンは組めるのか
競売物件の購入では、入札時に保証金(売却基準価額の2割)を現金で用意し、落札後は代金納付期限(通常1か月程度)までに全額を納付する必要があります。競売向けの融資を扱う金融機関もありますが、通常の住宅ローンより条件が限られるため、資金計画は入札前に固めておく必要があります。
占有者・残置物への対応
落札した物件に元所有者や賃借人が残っている場合、任意の交渉で退去してもらえなければ引渡命令の申立てと強制執行が必要になり、費用と時間がかかります。初めての方が自力で対応するのは難しい部分です。
つくば市で住宅ローンの返済が苦しくなったときの相談先
まず金融機関に相談、並行して不動産会社へ
滞納する前であれば、金融機関にリスケジュール(返済条件の変更)を相談できます。並行して、売却した場合にいくらで売れるのか、残債がどれくらい残るのかを不動産会社に査定してもらうと、任意売却・リースバック・買取のどれが現実的か判断しやすくなります。
つくば市のマンション・戸建ての売却相場と残債の関係
つくば駅・研究学園駅周辺のマンションや、TX沿線の戸建ては比較的売却しやすい傾向にあり、任意売却でも残債を大きく圧縮できる可能性があります。相場の考え方は「つくば市の不動産売却|相場・流れ・費用と税金の完全ガイド」を参考にしてください。
県南・県西エリアの任意売却ガイド
市町村ごとの任意売却の進め方は、以下の記事で解説しています。
よくある質問
Q1. 競売の読み方は「けいばい」と「きょうばい」のどちらですか?
法律用語・裁判所の実務では「けいばい」、一般には「きょうばい」とも読まれます。どちらも通じますが、不動産の手続きでは「けいばい」が正式です。
Q2. 競売開始決定の通知が届きました。もう手遅れですか?
手遅れではありません。開札日の前日までは任意売却で競売を取り下げてもらえる可能性があります。ただし時間の余裕は少ないため、すぐに相談を始めてください。
Q3. 競売になると残った住宅ローンはどうなりますか?
落札代金で返しきれなかった残債はそのまま残り、原則として一括請求されます。実務上は分割返済の交渉になることが多く、任意売却のほうが交渉しやすい傾向があります。
Q4. 競売で家を失った後、いつまで住めますか?
買受人が代金を納付した時点で所有権が移るため、それ以降は退去が必要です。応じない場合は引渡命令・強制執行の対象となります。
Q5. 競売の費用は誰が払いますか?
申立て時の予納金は債権者が納めますが、売却代金から優先的に回収されるため、実質的には所有者の売却代金から差し引かれます。
Q6. 競売物件は一般の人でも買えますか?
入札は誰でも可能ですが、内覧不可・占有者リスク・現金での保証金など通常の売買にない注意点があります。資金計画と物件調査を十分に行ってください。
まとめ|競売は「最後の手段」、開札前なら任意売却で回避できる
不動産の競売は、裁判所が強制的に自宅を売却する手続きで、価格は市場より低くなりやすく、残債は残り、引越し時期も選べません。滞納から明渡しまでは1年前後かかりますが、開札日の前日までであれば任意売却・リースバック・買取によって競売を回避できる可能性があります。つくば市・茨城県南エリアで住宅ローンの返済にお困りの方は、競売開始決定が届く前でも後でも、ハウスドゥ 家・不動産買取専門店 つくば研究学園都市までお早めにご相談ください。
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