結論:家の名義を夫から妻へ変更するには、「離婚の財産分与」「夫婦間の贈与」「夫の死亡による相続」のどれが原因かを先に決め、法務局で所有権移転登記を申請します。どの原因でも登録免許税などの費用がかかり、原因によって税金(贈与税・相続税・譲渡所得税・不動産取得税)の考え方が大きく変わります。さらに、住宅ローンが残っている場合は、名義を変えただけではローンの返済義務は移りません。この記事では、つくば市・県南エリアで住まいの名義変更を考えている方に向けて、原因別の手続き、必要書類、費用、税金、期限、住宅ローンの注意点までをまとめました。
なお、本記事は一般的な制度の説明です。税制や登記の運用は改正されることがあり、個別の事情によって結果が変わります。実際の手続きは、司法書士・税理士・金融機関・管轄の法務局や税務署にご確認ください。
- 夫から妻へ家の名義を変える3つのパターン(離婚・贈与・相続)の違い
- 離婚の財産分与で名義変更するときの流れと「いつまで」の期限
- 名義変更の必要書類と、司法書士に頼むか自分でするかの判断
- 登録免許税・司法書士報酬など費用の目安と計算例
- 贈与税・不動産取得税・譲渡所得税の考え方と、婚姻20年以上の配偶者控除
- 住宅ローンが残る家、夫が亡くなった場合、認知症の場合の注意点
- 名義変更せず、売却して現金で分ける選択肢
家の名義変更を夫から妻へ|まず「原因」で手続きが決まる
夫から妻への名義変更は3つのパターンに分かれる
「家の名義変更 夫から妻」と一口にいっても、登記の原因によって、必要な書類も費用も税金も変わります。大きく分けると次の3つです。1つ目は、離婚にともなう財産分与として妻に名義を移すケース。2つ目は、離婚せずに夫が妻へ家を贈与する(生前贈与)ケース。3つ目は、夫が亡くなって妻が相続するケースです。
最初に原因を取り違えると、あとから税金が想定外に大きくなったり、登記をやり直したりすることがあります。まずは「どの原因で名義を移すのか」をはっきりさせましょう。
原因別の違いをひと目で確認
登記で登録免許税が高いのは財産分与と贈与(固定資産税評価額の2%)、相続は低め(0.4%)です。一方、税金の面では、離婚の財産分与は原則として贈与税がかからないのに対し、夫婦間の贈与は贈与税の対象になります(婚姻期間20年以上なら配偶者控除の特例あり)。相続は相続税の配偶者控除が使える場合があります。

名義変更の手続きの流れ(5ステップ)
どの原因でも、流れの基本は共通です。原因を決める、住宅ローンの状況を確認する、書類をそろえる、法務局へ申請する、完了後に登記識別情報を受け取り税金の手続きを確認する、という順番です。

離婚で夫から妻へ家の名義変更をする(財産分与)
財産分与で妻が家をもらうときの基本
離婚時に夫婦の共有財産を分けることを財産分与といいます。夫名義の自宅を妻が取得する場合、登記の原因は「財産分与」となり、夫が登記義務者、妻が登記権利者として所有権移転登記を申請します。
注意したいのは、財産分与を原因とする登記は、離婚が成立してから行うという点です。離婚届を出す前に「財産分与」を原因とした登記はできません。離婚協議書や調停調書などで、どの不動産を誰が取得するかを先に明確にしておきましょう。離婚と家の整理の全体像は、つくば市の離婚と家|財産分与と整理法や離婚と不動産のご案内ページもあわせてご覧ください。
名義変更はいつまで?財産分与の請求期限と登記
財産分与そのものを家庭裁判所に請求できる期限は、これまで離婚から2年とされてきましたが、2026年4月1日施行の民法改正で5年に延長されています(施行後に離婚した場合が対象)。ご自身の離婚日でどちらが適用されるかは、念のため確認してください。
一方、「財産分与で取得した家の名義変更登記」自体に、法律上の申請期限が明確に定められているわけではありません。ただし、登記をしないまま放置すると、元夫が第三者に売却・抵当権設定をしてしまうリスクや、元夫が亡くなって相続人との手続きが複雑になるリスクがあります。離婚が成立し、取得者が決まったら、早めに登記を済ませるのが安全です。離婚後の手続き全般の期限は、離婚後の手続き完全ガイドで一覧にしています。
元夫が登記に協力してくれないとき
登記は元夫と妻の共同申請が原則です。協力が得られない場合は、調停や審判、判決で「所有権移転登記をせよ」という内容を確定させれば、妻が単独で申請できる場合があります。こじれる前に、早めに弁護士や司法書士へ相談することをおすすめします。
夫から妻へ家の名義変更をする必要書類
財産分与・贈与の場合の主な書類
必要書類は原因や状況によって増減しますが、財産分与や贈与での所有権移転登記では、一般に次のような書類をそろえます。
- 登記申請書(法務局の様式、または司法書士が作成)
- 登記原因証明情報(離婚協議書や財産分与契約書、贈与契約書など。離婚の事実がわかる戸籍謄本を添える場合もあります)
- 夫(元夫)の登記識別情報(いわゆる権利証)
- 夫(元夫)の印鑑証明書(発行から3か月以内が一般的)
- 妻の住民票(住所を証明する書類)
- 固定資産評価証明書(登録免許税の計算に使います)
- 委任状(司法書士に依頼する場合)
登記簿上の夫の住所が現住所と違う場合は、住所変更の証明書類も必要です。また、2026年4月からは、住所や氏名が変わった不動産の所有者に変更登記が義務づけられました。離婚後に妻が旧姓に戻る場合や、引っ越しをした場合は、名義変更後にあらためて登記簿上の氏名・住所を最新にしておきましょう。
相続の場合の主な書類
夫が亡くなって妻が相続する場合は、夫の死亡の記載のある戸籍謄本(出生から死亡まで)、相続人全員の戸籍、遺産分割協議書(相続人が複数いる場合)、相続人の印鑑証明書などが必要です。相続人が妻と子の場合は、協議の内容によって書類が変わるため、早めに司法書士へ確認すると確実です。相続登記の基本は、亡くなった親の土地名義変更にかかる費用と手続きの全体像も参考になります。
自分で手続きするか、司法書士に依頼するか
名義変更は、法務局の窓口やオンラインで、自分で申請することも可能です。ただし、登記原因の書き方、添付書類の過不足、評価額の確認など、ミスが起きやすい点が多くあります。ローンが残っている、共有名義、元夫との連絡が取りにくいなど、少しでも複雑な事情がある場合は、司法書士に依頼するほうが結果的に早く確実です。
夫から妻への名義変更にかかる費用の目安
登録免許税は「固定資産税評価額×税率」
登記の費用の中心は登録免許税です。固定資産税評価額(市区町村の固定資産評価証明書で確認できます)に、原因ごとの税率を掛けて計算します。財産分与と贈与は2%、相続は0.4%が目安です。
たとえば、土地と建物の固定資産税評価額の合計が1,500万円の場合、財産分与・贈与なら約30万円(1,500万円×2%)、相続なら約6万円(1,500万円×0.4%)です。実際の評価額は物件ごとに異なるため、評価証明書で必ずご確認ください。
司法書士報酬・書類取得の実費
司法書士に依頼する場合の報酬は、事務所や案件の難易度によって異なりますが、5〜10万円程度が一つの目安です。このほか、印鑑証明書、住民票、戸籍謄本、固定資産評価証明書、登記事項証明書などの取得費用が、1通あたり数百円程度かかります。
名義変更の費用を抑えるポイント
費用の大半は登録免許税のため、「名義変更の方法」を選べるケースでは、原因ごとの総額を比べることが大切です。ただし、離婚の財産分与を贈与として登記するなど、実態と異なる原因にすることは、後のトラブルや税務上の問題につながります。実際の合意内容に沿った原因で登記するようにしましょう。
家の名義変更で夫から妻にかかる税金
離婚の財産分与の場合の税金
離婚にともなう財産分与は、夫婦が築いた財産の清算という性格があるため、原則として贈与税はかかりません。ただし、分与する財産の額が社会通念上あまりに大きい場合や、離婚を税金逃れの手段にした場合は、贈与税が課されることがあります。
また、財産分与として家を渡す側(夫)には、時価で譲渡したものとみなされて譲渡所得税がかかる場合があります。居住用財産の3,000万円特別控除が使えるかどうかは、離婚の成立前か後かなどで扱いが変わる場合があるため、事前に税理士か税務署へ確認してください。不動産取得税については、夫婦財産の清算にあたる部分は課税されないとされる一方、取扱いは都道府県の窓口で確認が必要です。
売却や譲渡にかかる税金の基本は、不動産売却の確定申告|譲渡所得が出たら必要?で解説しています。
夫婦間の贈与(生前贈与)の場合の税金
離婚せずに夫から妻へ家を贈与する場合は、贈与税の対象になります。暦年課税の基礎控除は年間110万円で、評価額がそれを超えると贈与税がかかります。このほか、登録免許税2%と、不動産取得税(住宅・土地は軽減措置により現在3%が標準)もかかります。
ただし、婚姻期間が20年以上の夫婦が、居住用の不動産(または居住用不動産を購入する資金)を贈与する場合は、基礎控除110万円に加えて最高2,000万円まで控除できる「贈与税の配偶者控除」があります。適用には、贈与を受けた年の翌年の2月1日〜3月15日の間に、必要書類を添えて贈与税の申告をする必要があります。税額がゼロでも申告しなければ特例は使えません。同じ配偶者からは一生に一度しか使えない点にも注意しましょう。
贈与・相続を考えるなら「持戻し」にも注意
生前贈与は、のちに夫が亡くなって相続が発生した際、ほかの相続人との関係で「持戻し」の扱いが問題になることがあります。婚姻20年以上の夫婦の居住用不動産の贈与については、持戻しを免除する意思があったと推定される制度がありますが、相続税の計算上の扱いと混同しやすいため、税理士に確認すると安心です。
夫の死亡で相続する場合の税金
相続の場合、登録免許税は評価額の0.4%です。不動産取得税は、相続による取得には課税されません。相続税については、配偶者の税額軽減(配偶者の法定相続分、または1億6,000万円までのいずれか大きい金額まで非課税)が使えますが、こちらも申告が前提です。小規模宅地等の特例など、使える特例も多いため、相続税の申告が必要になりそうな場合は、早めに税理士へ相談してください。
住宅ローンが残る家は名義変更だけでは終わらない
名義を変えてもローンの返済義務は移らない
もっとも誤解が多いのが、住宅ローンの扱いです。登記上の名義を夫から妻に変えても、ローンの債務者は変わりません。金融機関に無断で名義を変えると、ローン契約の条項に反して、残債の一括返済を求められる可能性もあります。
妻が住み続けるために名義を妻にしたい場合は、妻が借り換えをして単独でローンを引き継ぐ、あるいは金融機関の承諾を得て債務の引き受けをする、といった方法を検討する必要があります。収入や勤続年数によっては、妻単独では審査が通らないこともあります。
ローン残債と家の価値を確認する
まず、ローンの残債と家の売却見込額を比べましょう。売却額が残債を上回る(アンダーローン)なら、売却して精算する選択肢が広がります。残債のほうが多い(オーバーローン)場合は、任意売却などの方法も含めて検討が必要です。連帯保証人や連帯債務者になっている場合の注意点は、住宅ローンが残る家の離婚|財産分与・名義変更・連帯保証人までで詳しく解説しています。
夫が亡くなったとき・認知症のときの名義変更
夫の死亡後は「相続登記」が必要(3年以内に義務化)
夫が亡くなって妻が家を相続する場合は、遺産分割協議や遺言にもとづいて相続登記を行います。2024年4月から相続登記は義務化され、相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内に申請する必要があります。正当な理由なく放置すると、過料が科される場合があります。
妻が住み続けられるよう、相続の場面では配偶者居住権という制度もあります。ほかの相続人との関係や、将来の売却を見据えて、どの方法が合うかを専門家と一緒に整理しましょう。
夫が認知症の場合はどうする?
夫が認知症で判断能力が十分でない場合、贈与契約や財産分与の合意を結ぶことができない(意思能力がない)可能性があります。この場合、成年後見制度の利用が必要になることが多く、後見人が本人の財産を妻へ贈与することは、原則として難しい点に注意が必要です。判断能力が十分なうちに、家族信託や任意後見、遺言などの備えを検討しておくと、のちの手続きがスムーズになります。
夫の死亡で相続する場合の相続人・遺留分・遺産分割の補足
相続人は妻だけとは限らない
夫が亡くなった場合、妻は常に相続人になりますが、妻だけが相続人とは限りません。子どもがいれば子が、子がいなければ夫の親が、親もいなければ夫の兄弟姉妹が、妻とともに相続人になります。法定相続分は、妻と子の場合は妻が2分の1、妻と親の場合は妻が3分の2、妻と兄弟姉妹の場合は妻が4分の3です。家を妻名義にするには、原則として相続人全員による遺産分割協議が必要で、協議書に全員が署名押印し、印鑑証明書を添えて法務局へ提出します。
遺留分・相続放棄・遺言にも注意
遺言で「家を妻に相続させる」と書かれていても、子や親には最低限の取り分である遺留分が認められる場合があります(兄弟姉妹には遺留分はありません)。また、借金が多いなどの理由で相続放棄をした相続人がいる場合は、その人を除いて協議を進めます。以下の点を、早めに確認しておきましょう。
- 遺言書があるか(自筆証書遺言は家庭裁判所の検認が必要な場合があります)
- 相続人は誰か(戸籍謄本で確認します)
- 相続放棄や遺留分の主張をする人がいないか
- 遺産分割協議書の作成と相続登記の提出時期
名義変更せず「売却して現金で分ける」選択肢も
名義変更が難しいなら売却も一つの方法
「妻がローンを引き継げない」「名義変更の費用や税金の負担が大きい」「そもそも家に住み続けるのが難しい」。そんなときは、家を売却して、売却代金からローンを完済し、残った現金を分ける方法もあります。名義変更の手間や、ローンの引き継ぎの問題をまとめて解決できる場合があります。
仲介と買取の違い
売却には、市場で買主を探す「仲介」と、不動産会社が直接買い取る「買取」があります。仲介は高く売れる可能性がある一方、売却まで時間がかかり、近所に知られやすい面があります。買取は、価格が仲介より低めになりやすい代わりに、短期間で現金化でき、内密に進めやすいのが特長です。離婚や相続でスピードや周囲への配慮を重視する方は、買取を選ぶケースも多くあります。
つくば市・研究学園エリアで夫から妻への名義変更・売却のご相談なら
つくば市の研究学園駅周辺、みどりの、つくば駅周辺、谷田部などのエリアでは、離婚や相続をきっかけに、家の名義変更や売却をご相談いただくことがあります。ハウスドゥ つくば研究学園都市は、家・不動産買取専門店として、地域に根ざした不動産の売却・買取のご相談をお受けしています。名義変更の登記そのものは司法書士の業務ですが、「名義変更するか、売却するか」の判断材料になる無料査定は、お気軽にご利用ください。ご相談は、ご来店前の電話やフォームからでも承ります。
ハウスドゥ つくば研究学園都市|家・不動産買取専門店
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お電話:0120-565-072 / 査定フォームはこちら
家の名義変更(夫から妻)によくある質問(FAQ)
Q. 夫から妻への家の名義変更はいつまでにすればよいですか?
登記の原因によって異なります。離婚の財産分与の請求期限は、離婚から2年(2026年4月施行の改正で5年に延長)とされています。相続の場合は、相続を知った日から3年以内の相続登記が義務です。贈与の場合に登記の期限はありませんが、贈与税の配偶者控除を使うなら、翌年3月15日までの申告が必要です。
Q. 夫から妻への名義変更で、贈与税はかかりますか?
離婚の財産分与は、原則として贈与税がかかりません。離婚せずに夫から妻へ贈与する場合は贈与税の対象ですが、婚姻期間20年以上の居住用不動産なら、基礎控除110万円に加えて最大2,000万円の配偶者控除が使えます。適用には贈与税の申告が必要です。
Q. 名義変更の費用はいくらかかりますか?
登録免許税は、固定資産税評価額の2%(財産分与・贈与)または0.4%(相続)が目安です。評価額1,500万円の場合、財産分与・贈与で約30万円、相続で約6万円です。司法書士に依頼する場合は、報酬として5〜10万円程度が一つの目安ですが、事務所や案件によって異なります。
Q. 住宅ローンが残っていても、妻の名義に変更できますか?
登記上は変更できる場合がありますが、金融機関に無断で名義を変えると、ローンの契約違反となる可能性があります。名義を変えてもローンの債務者は変わらないため、借り換えや金融機関との協議が必要です。事前に金融機関へ相談してください。
Q. 名義変更は自分でできますか?司法書士に頼むべきですか?
自分で申請することも可能です。ただし、書類の不備や登記原因の誤りが起きやすく、ローンや共有名義がある場合は難易度が上がります。複雑な事情があるときは、司法書士に依頼したほうが確実です。
Q. 夫が認知症の場合、家の名義を妻に変更できますか?
夫に判断能力がないと、贈与契約や財産分与の合意を結べない可能性があります。成年後見制度を利用する場合も、後見人が本人の財産を妻へ贈与することは原則として難しいため、早めに司法書士や弁護士へ相談してください。
まとめ|名義変更は「原因・ローン・税金」の3点を先に確認
夫から妻への家の名義変更は、離婚の財産分与、夫婦間の贈与、相続のどれが原因かで、必要書類・費用・税金が大きく変わります。登録免許税は財産分与・贈与で評価額の2%、相続で0.4%が目安で、住宅ローンが残る場合は、名義を変えても返済義務は移らない点に注意が必要です。名義変更が難しいときは、売却して現金で分ける選択肢もあります。つくば市で家の名義変更や売却をお考えの方は、まず無料査定で家の価値と選択肢を確認してみてください。
ハウスドゥ つくば研究学園都市|家・不動産買取専門店
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