「金利が低いからネット銀行で住宅ローンを組みたい」——つくば市で不動産を売買される方から、よくいただくご相談です。
金利の低さは確かに大きな魅力です。ただしつくば市の物件では、ネット銀行の審査でつまずきやすいケースがあります。市街化調整区域、未登記部分のある建物、農地を含む土地——都心のマンションではまず起きない事情が、茨城県では珍しくないためです。
この記事では、つくば市で不動産の売却・買取を専門に扱うハウスドゥ つくば研究学園都市が、ネット銀行の住宅ローンのメリット・デメリットを整理したうえで、実際に現場で起きやすい5つのケースをお伝えします。売主の立場でも、買主のローンが通らなければ取引は成立しません。売却をお考えの方にも関わる話です。
ネット銀行の住宅ローンとは
実店舗を持たず、申し込みから契約までをインターネット上で完結させる銀行の住宅ローンです。人件費や店舗維持費がかからない分、金利を低く設定できるのが最大の特徴です。
メリット
- 金利が低い傾向:店舗を持つ銀行と比べて低い水準が設定されていることが多い
- 手続きがネットで完結:平日に銀行へ出向く必要がない
- 団体信用生命保険が充実:がん保障などが金利上乗せなしで付く商品もある
- 繰上返済の手数料が無料の商品が多い
デメリット
- 対面で相談できない:疑問点をその場で解消しにくい
- 書類の準備を自分で進める必要がある:不備があると審査が止まる
- 審査が書類重視になりやすい:個別事情の説明が伝わりにくい
- つなぎ融資に非対応の商品がある(注文住宅では要注意)
- 事務手数料が借入額の2.2%など、定率で高額になる場合がある

つくば市の物件でネット銀行の審査がつまずく5つのケース

ここからが本題です。つくば市は研究学園都市として開発された市街地と、広大な田園地帯が同居する市です。この構造が、融資審査に独特の論点を生みます。
ケース1:市街化調整区域の中古住宅
つくば市は市域が広く、市街化調整区域が相当な面積を占めます。調整区域の物件は原則として建て替えができないため、担保としての評価が下がりやすく、金融機関によっては融資対象外とされることがあります。
ただしつくば市には区域指定制度があります。都市計画法第34条第11号にもとづき、市が指定した区域内であれば、市街化調整区域でも一般の方が住宅を建てられる仕組みです。つくば市の公表によると、指定の条件は40以上の建築物を有する宅地が連たんしている集落で、11号区域は市街化区域からおおむね1キロメートルの範囲内とされています。なお、TX沿線開発地区の影響圏(1キロメートル)内の集落は対象外です。
この「区域指定に該当するかどうか」で、融資の可否が変わります。該当すれば建て替えができるため担保評価が付きやすくなりますが、ネット銀行では書類上の判断になるため、確認に時間がかかることがあります。地元の金融機関のほうが事情に明るいケースが多いのが実情です。
ケース2:建物に未登記部分がある
増築した部分の登記がされていない物件は、古い建物ほどよく見られます。登記簿の床面積と現況が食い違っていると、金融機関は担保の範囲を確定できません。是正には土地家屋調査士による表題部変更登記が必要で、費用と時間がかかります。
売却をお考えの方は、この点を早めに確認しておくと取引がスムーズです。未登記建物には固定資産税の問題もあるため、売却前の整理をおすすめします。
ケース3:農地を含む土地
つくば市では、敷地の一部が地目「田」「畑」のまま残っているケースがあります。農地は農地法の許可がなければ売買も転用もできず、許可が下りるまで所有権移転ができません。融資実行のタイミングと農地転用の許可時期を合わせる必要があり、段取りが複雑になります。
詳しくは県南エリアの農地・生産緑地売却で解説しています。
ケース4:再建築不可の物件
建築基準法の接道義務(幅員4メートル以上の道路に2メートル以上接する)を満たさない土地は、原則として建て替えができません。担保評価が大きく下がるため、住宅ローンが使えないことが多くなります。
ケース5:融資実行日の調整
ネット銀行は手続きが郵送とオンラインで進むため、書類の往復に日数がかかります。引渡し日が決まっている売買では、融資実行日が間に合わないと決済ができません。売主・買主・司法書士・金融機関の日程を合わせる必要があり、余裕を持ったスケジュールが欠かせません。
ネット銀行の住宅ローン 申し込みから融資実行までの流れ
手続きの全体像を把握しておくと、どこで時間がかかるかが見えます。
| 段階 | 内容 | 期間の目安 |
|---|---|---|
| ①事前審査 | 年収・勤務先・借入希望額をネット入力 | 即日〜3営業日 |
| ②売買契約 | 物件の売買契約を締結(ローン特約付き) | — |
| ③本審査 | 収入証明・登記事項証明書等を提出。物件も審査される | 1〜3週間 |
| ④契約手続き | 金銭消費貸借契約。郵送または電子契約 | 1〜2週間 |
| ⑤融資実行・決済 | 売主へ代金を支払い、所有権移転登記 | 指定日 |
時間がかかるのは③と④です。店舗型の銀行なら窓口で書類を確認しながら進められますが、ネット銀行は郵送と画面上のやり取りになるため、不備があるたびに数日の遅れが生じます。引渡し日から逆算して、余裕を持って進めてください。
本審査で見られるのは「人」と「物件」の両方
事前審査は主に申込者の属性(年収・勤続年数・信用情報)を見ます。一方本審査では担保となる物件そのものが審査されます。前述の調整区域・未登記・農地といった論点が問題になるのは、この本審査の段階です。事前審査に通ったからと安心していると、契約後に融資が下りず白紙解除、というのが最も避けたい展開です。
金利タイプの選び方
ネット銀行は変動金利の低さが目立ちますが、金利タイプの選択は返済期間全体に影響します。
変動金利
金利が低い代わりに、市場金利の上昇にともなって返済額が増える可能性があります。多くの商品には「5年ルール」(5年間は返済額を据え置く)と「125%ルール」(見直し時の増額を1.25倍までに抑える)がありますが、ネット銀行の一部にはこのルールが適用されない商品があります。金利が上がった際に返済額がそのまま増えるため、事前の確認が欠かせません。
固定金利(全期間・期間選択)
返済額が確定するため計画が立てやすい反面、変動より金利は高めです。教育費など将来の支出が読める方には向いています。
判断の目安
金利上昇局面で返済額が増えても家計に余裕があるなら変動、増えると苦しいなら固定という考え方が基本です。「金利が低いから変動」だけで決めないことをおすすめします。
事務手数料と諸費用も比較する
金利だけを比べると判断を誤ります。ネット銀行は事務手数料が借入額の2.2%(税込)という定率型が主流です。
| 借入額 | 定率型(2.2%)の手数料 |
|---|---|
| 2,000万円 | 44万円 |
| 3,000万円 | 66万円 |
| 4,000万円 | 88万円 |
金利が0.1%低くても、手数料の差で逆転することがあります。総返済額と諸費用を合算して比較してください。あわせて団体信用生命保険の保障内容(がん・三大疾病など)も確認しておくと、実質的な価値が見えます。
ネット銀行と地方銀行、つくば市ではどちらを選ぶか
結論から言えば、物件の種類によって向き不向きが分かれます。
ネット銀行が向いているケース
- TX沿線(研究学園・みどりの・つくば駅周辺)の築浅マンションや建売住宅
- 市街化区域内で、権利関係に問題のない物件
- 金利を最優先に考えたい方
- 平日に銀行へ行く時間が取りにくい方
地方銀行・信用金庫を検討したいケース
- 市街化調整区域の物件(区域指定の判断が必要)
- 農地を含む土地、未登記部分のある古い建物
- 引渡し日が決まっていて、スケジュールに余裕がない
- 注文住宅でつなぎ融資が必要
茨城県内には常陽銀行・筑波銀行といった地方銀行があり、調整区域や農地の事情に慣れています。金利差だけで判断すると、審査で時間を失って結果的に物件を逃すこともあります。
売主の立場でも知っておきたい理由
ここまで買主側の話をしてきましたが、売却をお考えの方にとっても他人事ではありません。
買主のローンが通らなければ売買は白紙になる
不動産の売買契約には通常「住宅ローン特約」が付きます。買主の融資が承認されなかった場合、契約は白紙解除となり、手付金も返還されます。つまり売主にとっては、数週間かけた商談がゼロに戻るということです。
物件の弱点を先に把握しておく
調整区域か、区域指定に該当するか、未登記部分はないか、農地は含まれていないか——これらを売り出す前に整理しておけば、買主の融資が通りやすくなり、成約までの期間が短くなります。逆に何も調べずに売り出すと、契約直前で問題が発覚して振り出しに戻ることがあります。
買取という選択肢もある
調整区域・再建築不可・農地付きなど、買主の融資が付きにくい物件は、当社が直接買い取る方法が確実です。買取であればローン審査そのものが存在しないため、白紙解除のリスクがありません。
よくある質問
Q. 市街化調整区域の家はネット銀行では絶対に借りられませんか?
絶対ではありません。区域指定に該当し、建て替えが可能と確認できれば融資対象になることがあります。ただし判断に時間がかかるため、事前審査の段階で物件情報を正確に伝えることが重要です。
Q. 自分の土地が区域指定の対象か調べられますか?
つくば市の都市計画部で確認できます。当社にご相談いただければ、査定とあわせて調べます。
Q. 未登記の増築部分があります。売れませんか?
売れます。ただし買主が住宅ローンを使う場合は、表題部変更登記を求められるのが一般的です。費用の負担を売主・買主どちらがするかは交渉次第です。
Q. ネット銀行の事前審査に通れば安心ですか?
事前審査は申込者の年収や信用情報を中心に見るもので、物件の詳細な調査は本審査で行われます。事前審査に通っても、物件の事情で本審査が通らないことがあります。
Q. 売却前にやっておくべきことは?
登記事項証明書と地番の確認、固定資産税の課税明細書の用意、増築の有無の確認です。これだけで査定の精度が上がります。
まとめ
- ネット銀行は金利が低く手続きが楽だが、対面相談ができず審査が書類重視になる
- つくば市では市街化調整区域・未登記部分・農地・再建築不可の物件で審査がつまずきやすい
- つくば市には区域指定制度(都市計画法34条11号)があり、該当すれば調整区域でも建て替えが可能
- 調整区域や農地を含む物件は、地元事情に明るい地方銀行のほうが進みやすいことがある
- 売主にとっても、買主の融資が通らなければ契約は白紙になる
- 融資が付きにくい物件は買取なら審査そのものが不要
つくば市の不動産売却・買取はハウスドゥ つくば研究学園都市へ
「調整区域だから売れないと言われた」「農地が混ざっている」「増築部分が未登記かもしれない」——そうした物件こそ、当社にご相談ください。区域指定の該当有無や登記の状態まで調べたうえで、仲介と買取の両方をご提案します。
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※区域指定制度に関する記載は、つくば市公式サイト「区域指定制度」の公開情報にもとづいています。融資の可否・条件は金融機関および物件により異なります。個別の判断は必ず各金融機関にご確認ください。
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