「親が亡くなってから、もう2年が経つのに実家の片づけが終わらない」——かすみがうら市でこうした相談を受けることが増えています。市が空き家所有者に行ったアンケートでは、建物を使わなくなった最大の理由として「住んでいた人の死亡」「施設入所・入院」を挙げた回答が全体の6割を超えました(87件中53件、令和4年度かすみがうら市空家等実態調査)。誰にとっても他人事ではない数字です。
この記事では、かすみがうら市で実家や空き家を抱えたときに検討できる5つの選択肢を、地域の制度や地価の実情とあわせて整理します。急いで答えを出す前に、まずは選択肢の全体像を知ってください。
かすみがうら市の実家・空き家、まず知っておきたい基礎データ
人口と世帯数(市公式・令和8年7月1日現在)
かすみがうら市の住民基本台帳人口は39,202人、世帯数は18,750世帯です(かすみがうら市公式ホームページ「かすみがうら市の住民基本台帳人口」)。世帯数が人口に比べて増加傾向にあるのは、単身高齢世帯や核家族化の進行によるもので、これは空き家予備軍の増加とも関係しています。
「住んでいた人がいなくなった」がきっかけの6割超
市が実施した令和4年度空家等実態調査(アンケート)によると、建物を利用しなくなった最大の理由は「住んでいた人の死亡」「住んでいた人の施設入所・入院」で、この2つを合わせると全体の6割を超えます(87件中53件)。つまり多くのケースで、空き家化は「準備していたこと」ではなく「気づいたら始まっていたこと」なのです。かすみがうら市はこの結果を踏まえ、「空家等になる前に家族で話し合う」ことをパンフレットで呼びかけています。
選択肢1:住み継ぐ・二拠点で使う
実家を手放さず、将来的に自分や家族が住む、あるいは週末だけ使う「二拠点」という選択肢です。かすみがうら市は市域の約半分が霞ヶ浦に面し、湖畔ののどかな景観と、常磐道・圏央道インターへのアクセスの良さを併せ持つエリアもあります。ただし住まない期間が長くなるほど、固定資産税・都市計画税、火災保険、庭木の管理などの維持コストが継続してかかる点は事前に把握しておく必要があります。
選択肢2:貸す(賃貸に出す)
売却はせず、賃貸として活用する方法です。市内には空き家バンクを通じた賃貸マッチングの仕組みもありますが、一般的な賃貸市場に出す場合は、耐震性・水回りの状態によってはリフォームが前提になることが多く、初期投資と家賃収入のバランスを見極める必要があります。相続人が複数いる場合、賃料収入の分配ルールを事前に決めておくとトラブルを避けやすくなります。
選択肢3:空家等・空き地バンクに登録する
かすみがうら市は「かすみがうら市空家等・空き地情報登録制度(通称:空き家バンク)」を設けています。売りたい・貸したい所有者と、買いたい・借りたい利用希望者を専門の宅地建物取引業者が仲介するマッチング制度で、登録が成立すると所有者にバンク登録奨励金5万円/件が交付されます(予算の範囲内)。さらに、バンクを通じて成約し、市内に定住する意思を持つ方がリフォームを行った場合、その費用の一部(上限20万円)を補助する「空き家バンクリフォーム事業補助金」も用意されています(かすみがうら市公式ホームページ・かすみがうら市空家等・空き地バンクホームページ)。
ただし空き家バンクは「登録すれば必ず売れる・貸せる」制度ではなく、あくまで情報提供とマッチングの場である点は理解しておきましょう。
選択肢4:古民家・空き家として活かす
霞ヶ浦沿いの旧霞ヶ浦地区や、内陸の旧千代田地区には、昔ながらの日本家屋や納屋付きの広い敷地を持つ実家も少なくありません。取り壊さずに古民家カフェや宿泊施設、二地域居住者向けの拠点として再生する事例は全国的に増えています。ただし、活用にはリフォーム費用や用途変更に伴う建築基準法・都市計画法上の確認が必要になる場合があり、着手前に専門家への相談が欠かせません。
選択肢5:売却する
維持や活用が難しいと判断した場合は、売却が現実的な選択肢になります。売却には大きく分けて「古家付きのまま売る」「更地にしてから売る」「不動産会社が直接買い取る」の3パターンがあり、それぞれ手間・費用・売却までの期間が異なります。相続登記が済んでいない場合は、売却の相談自体は可能でも契約前までに登記を完了させる必要があるため、早めの着手が安心です。
売却時に使える税制特例
相続または遺贈により取得した被相続人居住用家屋を、一定の要件のもとで売却した場合、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例があります(国税庁タックスアンサーNo.3306)。適用期限は令和9年12月31日までの譲渡です。なお、令和6年1月1日以後の譲渡で相続人が3人以上の場合は、1人あたり最高2,000万円までとなる点に注意してください(国税庁公式サイト)。制度の詳細や適用可否は、税理士など専門家への確認をおすすめします。

5つの選択肢、どう選ぶか
結論を急ぐ必要はありませんが、判断の軸を持つことは大切です。目安として、「今後10年以内に自分や家族が住む可能性があるか」「維持コストを払い続けられるか」「相続人全員の合意形成ができているか」の3点を確認すると、選択肢が絞り込みやすくなります。特に相続人が複数いる場合は、感情面の整理も含めて時間がかかりやすいテーマです。次の章で話し合いの進め方に触れます。
兄弟姉妹・親族間での話し合いを進めるコツ
実家の扱いを巡る話し合いは、法律や税金の話より先に、感情的なわだかまりが障害になることが少なくありません。かすみがうら市のパンフレットでも「空家等になる前に家族で話し合う」ことが繰り返し呼びかけられています。進め方の一例として、(1)まず現状(登記・権利関係・維持費)を共有する、(2)誰か一人が住む・使う可能性を確認する、(3)住む人がいなければ賃貸・バンク登録・売却のいずれかを比較検討する、という順番で話を進めると、感情論と実務を切り分けやすくなります。第三者である不動産会社や司法書士を交えることで、話し合いが円滑に進むケースも多くあります。
かすみがうら市の暮らし・エリア特性(実家の判断材料として)
旧千代田地区と旧霞ヶ浦地区
かすみがうら市は2005年に千代田町と霞ヶ浦町が合併して誕生しました。内陸側の旧千代田地区は農地や住宅地が中心で常磐道・圏央道へのアクセスがよく、霞ヶ浦沿いの旧霞ヶ浦地区は帆引き船で知られる景観や漁業の歴史を持つエリアです。実家がどちらの地区にあるかによって、買い手・借り手が想定する用途(住宅需要か、セカンドハウス・観光活用需要か)が変わってくることがあります。かすみがうら市の暮らし全般についてはかすみがうら市の暮らし|アクセス・子育て・地価【2026】でも詳しく解説しています。
住まいの相場(2026年公示地価・目安)
国土交通省地価公示に基づく民間集計(tochidai.info)によると、かすみがうら市全体の2026年公示地価平均は19,509円/㎡(坪64,492円)で、地区別には稲吉地区35,300円/㎡(+1.44%)から中志筑地区6,100円/㎡(-0.33%)まで開きがあります。実家があるエリアによって相場水準が大きく異なるため、査定は個別に確認することをおすすめします(数値は目安であり、最新の実勢価格とは異なる場合があります)。
実家を残す場合に確認しておきたい維持コスト
固定資産税・都市計画税
住宅が建っている土地は「住宅用地の特例」により固定資産税評価額が軽減されますが、建物を解体して更地にすると、この特例が外れて税額が上がる場合があります。逆に、老朽化した空き家をそのまま放置し「管理不全空家等」や「特定空家等」に指定されると、勧告を受けた段階で特例の対象から除外される仕組みもあります。どちらの選択でも税額への影響を事前に確認しておくことが大切です。
火災保険・修繕費
誰も住んでいない建物でも、老朽化による倒壊や放火のリスクはゼロではありません。空き家専用の火災保険・地震保険への加入や、庭木の剪定・雨漏りの点検といった定期的な管理費用も、維持を選ぶ場合には見込んでおく必要があります。かすみがうら市の空き家に関する解体・売却の判断はかすみがうら市の空き家 解体?売却?【2026】でも取り上げています。
実家じまいを先延ばしにするとどうなるか
「まだ決めなくていい」と先延ばしにする間にも、建物の老朽化は進みます。かすみがうら市の空家等実態調査では、管理が行き届かなくなった空家等は状態の悪化が利活用の妨げになる「悪循環」を引き起こすと指摘されています。また、相続人がさらに次の世代に代わることで、権利関係が複雑化し、売却や活用の判断そのものが難しくなるケースもあります。すぐに結論を出す必要はありませんが、「いつかは決める」という前提で、早めに情報収集を始めることをおすすめします。つくば市本拠地版の考え方はつくば市の実家・空き家・古民家|5つの選択肢【2026】でも紹介しています。
かすみがうら市の実家・空き家に関するよくある質問
Q. かすみがうら市の空き家バンクに登録すると、どんなメリットがありますか?
A. 専門の宅地建物取引業者が仲介するマッチングの場に物件情報を掲載でき、登録が成立すると所有者にバンク登録奨励金5万円/件が交付されます(予算の範囲内)。さらに成約後にリフォームを行う場合、上限20万円の補助制度も利用できます。
Q. 実家が空き家になってから何年放置すると問題になりますか?
A. 明確な年数の基準があるわけではありませんが、放置期間が長いほど老朽化が進み、管理不全な状態と判断されるリスクが高まります。かすみがうら市は「かすみがうら市空き家等の適正管理に関する条例」(平成26年7月1日施行)に基づき、管理不全な空家等には所有者への助言・指導を行っています。
Q. 相続登記がまだ済んでいませんが、売却の相談はできますか?
A. 相談自体は登記前でも可能です。ただし売買契約を結ぶまでには相続登記を完了させる必要があるため、司法書士と並行して進めることをおすすめします。
Q. 解体してから売るのと、古家付きのまま売るのはどちらがよいですか?
A. 建物の状態や立地によって最適な方法は異なります。更地にすると固定資産税の住宅用地特例が外れて税額が上がる場合がある一方、老朽化が進んだ建物は解体してからの方が買い手が見つかりやすいこともあります。個別の状況に応じた比較が必要です。
Q. 空き家バンクに登録すれば必ず売れますか?
A. 空き家バンクはあくまで所有者と利用希望者をつなぐ情報提供・マッチングの仕組みであり、登録すれば必ず売却・賃貸が成立するわけではありません。並行して不動産会社への相談も検討することをおすすめします。
Q. 相続空き家を売却すると税金の控除は受けられますか?
A. 一定の要件を満たせば、譲渡所得から最高3,000万円(相続人が3人以上の場合は1人最高2,000万円)を控除できる特例があります(国税庁タックスアンサーNo.3306)。適用期限は令和9年12月31日までの譲渡です。適用可否は専門家にご確認ください。
まとめ
かすみがうら市で実家や空き家の今後を考えるとき、「住み継ぐ」「貸す」「空き家バンクに登録する」「古民家として活かす」「売却する」の5つの選択肢があります。市の調査では空き家化のきっかけの6割超が「住んでいた人の死亡・施設入所」という結果が出ており、多くの方が準備のないまま判断を迫られています。まずは現状を整理し、家族で話し合うところから始めてみませんか。売却を検討する場合は、査定だけでも早めにご相談いただくことで、選択肢の幅を保つことができます。かすみがうら市エリアの不動産売却はハウスドゥ つくば研究学園都市(かすみがうら市担当ページ)までお気軽にお問い合わせください。これまでの取引実績は取引実績ページでもご確認いただけます。
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