茨城県南部、霞ヶ浦の北岸に位置するかすみがうら市は、2005年(平成17年)に旧千代田町と旧霞ヶ浦町が合併して誕生したまちです。つくば市・土浦市・石岡市に隣接し、車での移動が中心の落ち着いた住環境と、霞ヶ浦沿いの豊かな自然を併せ持っています。この記事では、かすみがうら市への移住・住み替えを検討している方に向けて、人口動態、交通アクセス、子育て環境、生活利便性、防災、エリア別の特徴、そして住まいの相場まで、市の公式データを中心にまとめました。
かすみがうら市ってどんなまち?
かすみがうら市は茨城県南部、霞ヶ浦の北西岸に広がる市です。2005年3月28日に新治郡千代田町と稲敷郡霞ヶ浦町が合併して誕生し、市役所機能は千代田庁舎(かすみがうら市上土田461番地)と霞ヶ浦庁舎(かすみがうら市大和田562番地)の2庁舎体制をとっています。
人口・世帯数(市公式データ)
かすみがうら市公式ホームページによると、令和8年7月1日現在の常住人口は37,980人(男性19,327人・女性18,653人)、世帯数は16,456世帯です(前月比3人減・世帯は35増)。なお市が公表するもう一つの指標である住民基本台帳人口では総人口39,202人・世帯数18,750世帯という数値もあり、常住人口(国勢調査を基準に毎月の届出増減を反映した推計値)と住民基本台帳人口(台帳登録者数)とでは定義が異なるため、若干の差が生じています。いずれの指標でも、世帯数が微増を続けている一方で総人口はゆるやかな減少傾向にあり、これは核家族化・単身世帯の増加が背景にあると考えられます。
2つの旧町が合併してできた市
かすみがうら市は「旧千代田地区」と「旧霞ヶ浦地区」という2つの生活圏を持つのが大きな特徴です。旧千代田地区は市役所機能や商業施設が集まり、JR常磐線神立駅(所在地は隣接する土浦市)へのアクセスが比較的良好な内陸部のエリア。旧霞ヶ浦地区は霞ヶ浦の湖畔に面し、農業や漁業(帆引き船で知られる)の色合いが強いエリアです。同じ市内でも地区によって暮らしの雰囲気がかなり異なるため、「かすみがうら市」とひとくくりにせず、自分がどちらの生活圏に近いかを意識して情報を探すのがおすすめです。

交通アクセス
市内に鉄道駅はない
かすみがうら市内には鉄道駅がありません。最寄り駅として使われているのはJR常磐線の神立駅です。神立駅自体の所在地は土浦市ですが、駅の西側はすぐにかすみがうら市域に接しており、稲吉・下稲吉といった旧千代田地区北部の住宅地からは徒歩や自転車、車で利用されています。神立駅は平成31年3月に東西自由通路・橋上駅舎が全面供用開始となり、東西の行き来がしやすくなりました。
車社会前提のまち
市内に駅がない分、かすみがうら市の暮らしは車移動が前提になります。国道354号・県道64号など幹線道路が市内を通り、土浦市・つくば市・石岡市の中心部へは車で20〜30分程度でアクセスできます。圏央道つくかすみ(つくば牛久IC・千代田石岡IC等)や常磐自動車道の利用で、東京都心へも高速道路経由でアクセス可能です。「駅から徒歩何分」という発想よりも、「幹線道路・生活施設へのアクセス」で暮らしやすさを測るのがこのまちの実情に合っています。
子育て・教育環境
マル福(医療福祉費支給制度)
かすみがうら市公式ホームページによると、マル福(医療福祉費支給制度)のうち小児(子ども)については所得制限がありません。妊産婦についても所得制限なしで対象となります(茨城県による補助対象確認のため、所得判定者の所得確認自体は必要)。ひとり親家庭・重度心身障害者については所得基準が設けられています。茨城県内では近年、小児マル福の所得制限撤廃が全44市町村で進められており、かすみがうら市もこの対象です。
保育・教育施設
市内には公立・私立の保育所・認定こども園、市立小学校・中学校が整備されています。学区は住所地によって決まるため、住み替えの際は市の教育委員会窓口や学区一覧で事前確認することをおすすめします。
買い物・生活利便
旧千代田地区には市役所・商業施設が集まり、日常の買い物はスーパーやドラッグストア、ホームセンターなどで完結しやすいエリアです。より大規模な商業施設や専門店街を利用したい場合は、隣接する土浦市(イオンモール土浦等)やつくば市へ車で足を伸ばす人が多く、車移動を前提とした生活圏が広域で形成されています。旧霞ヶ浦地区は商業施設がやや少なく、日常の買い物は千代田地区や土浦市方面に依存する傾向があります。
自然・レジャー・地域の行事
霞ヶ浦と帆引き船
かすみがうら市の旧霞ヶ浦地区は、日本で2番目に大きい湖・霞ヶ浦の北岸に面しています。かつて漁で使われていた「帆引き船」は現在、観光帆引き船として季節運航されており、湖上に白い帆を張る光景はかすみがうら市を象徴する風景のひとつです。湖畔にはサイクリングロード(りんりんロード)も整備され、休日のレジャーとして親しまれています。
レンコン・栗の一大産地
かすみがうら市を含む土浦市周辺の霞ヶ浦沿岸地域は、レンコンの生産量が全国トップクラスとして知られています。かすみがうら市自体もレンコンや栗の生産が盛んで、市の特産品として位置づけられています(出典:かすみがうら市の特色に関する各種資料)。直売所や農産物イベントで地元産のレンコン・梨・栗などを購入できる機会も多く、農のある暮らしを実感できるまちです。
かすみがうら市歴史博物館とあゆみ祭り
市内には「かすみがうら市歴史博物館」があり、霞ヶ浦の漁労文化や地域の歴史資料、風返稲荷山古墳をはじめとする考古資料などを紹介しています。また、地域の恒例行事として「あゆみ祭り」(かすみマルシェ等の関連イベントを含む)が開催されており、地元産品の販売や交流の場として親しまれています(開催時期・内容は年によって変動するため、参加を検討する場合は市の最新のお知らせをご確認ください)。
防災・ハザード
市Web版ハザードマップ
かすみがうら市は令和8年4月1日から「かすみがうら市Web版ハザードマップ」の運用を開始しました。パソコンやスマートフォンから、地震・水害・土砂災害に関する危険性を地図上で確認できるもので、英語・ポルトガル語・インドネシア語・ベトナム語にも対応しています。
霞ヶ浦・恋瀬川の洪水浸水想定区域
市公式ハザードマップでは、霞ヶ浦・恋瀬川・天の川などについて、想定最大規模降雨による浸水深や、霞ヶ浦の氾濫流による家屋倒壊等氾濫想定区域を確認できます。「洪水対策タイムライン(霞ヶ浦・恋瀬川)」も公開されており、住まい選びの際は物件がこれらの浸水想定区域に該当するかどうかを事前に確認しておくことが重要です。特に霞ヶ浦湖畔に近いエリアで住宅を検討する場合は、ハザードマップと避難所の位置をあわせて確認することをおすすめします。
エリア別の特徴
旧千代田地区(内陸部)
市役所本庁機能(千代田庁舎)や商業施設が集まるエリアで、稲吉・下稲吉といった地区はJR神立駅(土浦市)への比較的良好なアクセスから、生活利便性を重視する実需層に選ばれやすい傾向があります。地価も市内では比較的高めの水準(稲吉で坪10万円台)です。
旧霞ヶ浦地区(湖畔部)
霞ヶ浦庁舎を中心とするエリアで、湖畔の景観・自然環境を求める層に向いています。農村的な色合いが強く、市街化調整区域が多いのも特徴です。湖畔エリアでは景観価値を評価する別荘・セカンドハウス需要も一定程度見られます。
市街化区域は市域のわずか約8%
かすみがうら市は市街化区域が約754haと市全体のごく一部にとどまり、大部分が市街化調整区域です(出典:ハウスドゥ つくば研究学園都市 かすみがうら市エリアページ)。住宅を検討する際は、対象の土地が市街化区域か調整区域かによって建築の可否や条件が大きく変わるため、事前確認が欠かせません。
かすみがうら市の住まいの相場(2026年公示地価・目安)
国土交通省の地価公示データを集計した民間サイト「土地価格相場が分かる土地代データ」によると、かすみがうら市の2026年(令和8年)の公示地価の平均は19,509円/㎡(坪単価では平均64,492円/坪)で、公示地価の全国順位は1,027位です。同資料の茨城県全体の平均は39,887円/㎡(坪131,858円)であり、かすみがうら市の水準は県平均のおよそ半分程度です。
地区によって差が大きい
同資料では地点別の数値も公表されており、たとえば旧千代田地区の稲吉は35,300円/㎡(坪116,694円・前年比+1.44%)、稲吉東は32,800円/㎡(坪108,429円)、下稲吉は26,450円/㎡(坪87,438円・前年比+0.35%)と、市内でも比較的高めの水準です。一方、旧霞ヶ浦地区に近い中志筑は6,100円/㎡(坪20,165円・前年比−0.33%)、宍倉は13,356円/㎡(坪44,154円・前年比−0.22%)、西野寺は7,630円/㎡(坪25,223円・前年比−0.26%)と、同じ市内でも大きな開きがあります。「市全体の平均」で相場感を掴もうとせず、検討している地区の実勢を個別に確認することが大切です(数値はいずれも目安であり、実際の取引価格は個別の立地・接道状況等により異なります)。
中古戸建てのボリュームゾーン
国土交通省「不動産取引価格情報」等に基づく目安として、かすみがうら市の中古戸建ては約400万円台〜2,000万円台前半で取引されており、ボリュームゾーンは1,200万〜1,800万円台とされています。神立駅へのアクセスが比較的良好な旧千代田地区北部では高めに出やすく、霞ヶ浦沿いの農村・集落エリアでは1,000万円未満の物件も見られるなど、エリアによる価格差が大きいのが特徴です。
かすみがうら市で家を売る・持つときに知っておきたいこと
かすみがうら市は市街化区域が市域の約8%にとどまり、大部分が市街化調整区域です。調整区域内の住宅は、既存宅地の特例や既存集落内の建築許可といった緩和措置が適用されるケースもありますが、個別の確認が欠かせません。また、霞ヶ浦沿いの物件は景観やレジャー価値がある一方、水質や浸水リスクへの懸念から買い手が限定されやすい面もあります。将来的に売却や相続を検討する可能性がある場合は、こうした地域特性を踏まえて早めに情報を整理しておくと安心です。かすみがうら市の不動産売却・買取・査定については、当店(ハウスドゥ つくば研究学園都市)のかすみがうら市の不動産売却・買取・査定ページで詳しく解説しています。
よくある質問
Q. かすみがうら市の人口はどのくらいですか?
A. かすみがうら市公式ホームページによると、令和8年7月1日現在の常住人口は37,980人、世帯数は16,456世帯です(住民基本台帳人口では39,202人・18,750世帯という数値もあり、集計方法により若干異なります)。
Q. かすみがうら市に鉄道駅はありますか?
A. 市内に鉄道駅はありません。最寄り駅として利用されているのはJR常磐線の神立駅(所在地は隣接する土浦市)で、旧千代田地区北部からは車や自転車でアクセスされています。
Q. かすみがうら市の子育て支援制度はどうなっていますか?
A. マル福(医療福祉費支給制度)について、小児(子ども)と妊産婦は所得制限なしで対象となります(茨城県の補助対象確認のための所得確認は必要)。ひとり親家庭・重度心身障害者には所得基準が設けられています。
Q. かすみがうら市はなぜひらがな表記なのですか?
A. 2005年の千代田町・霞ヶ浦町の合併時に、両地域の融和や「霞ヶ浦」の知名度を活かす観点などから、漢字ではなくひらがなで「かすみがうら市」という市名が採用されました(合併協議の経緯に基づく一般的な説明です)。
Q. 霞ヶ浦沿いのエリアは水害のリスクがありますか?
A. かすみがうら市は霞ヶ浦・恋瀬川・天の川について洪水浸水想定区域を公表しており、市のWeb版ハザードマップ(令和8年4月運用開始)で霞ヶ浦の氾濫流による家屋倒壊等氾濫想定区域なども確認できます。湖畔に近いエリアで住まいを検討する際は、事前にハザードマップを確認することをおすすめします。
Q. かすみがうら市の特産品は何ですか?
A. レンコンや栗の生産が盛んで、地域の特産品として知られています。霞ヶ浦の観光帆引き船や、かすみがうら市歴史博物館など、地域の歴史・文化にふれられるスポットもあります。
Q. かすみがうら市の土地の価格相場はいくらですか?
A. 2026年の公示地価によると、かすみがうら市全体の平均は19,509円/㎡(坪64,492円)が目安です。ただし旧千代田地区の稲吉(坪116,694円)から旧霞ヶ浦地区に近いエリア(坪2万円台)まで、地区によって数倍の開きがあるため、市全体の平均だけで判断せず、検討している地区の実勢を個別に確認することが重要です。
まとめ
かすみがうら市は、旧千代田地区の生活利便性と旧霞ヶ浦地区の自然環境という、性格の異なる2つの顔を持つまちです。市内に鉄道駅はないものの、神立駅や幹線道路を介した車移動が前提の暮らしやすさがあり、マル福をはじめとする子育て支援制度も整っています。一方で市街化調整区域が大部分を占める土地柄や、霞ヶ浦沿いの水害リスクなど、住まい選びの際に押さえておきたいポイントもあります。この記事が、かすみがうら市への住み替えや暮らしの検討の参考になれば幸いです。
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