「かすみがうら市の地価は上がっているの、下がっているの?」——霞ヶ浦のほとりで長年暮らしてきた方から、こう聞かれることがあります。答えは一言では言えません。かすみがうら市は2005年に旧千代田町と旧霞ヶ浦町が合併してできた市で、エリアによって人口や地価の動き方がまったく違うからです。この記事では、国のデータと茨城県の公式統計、そして44年分の公示地価の推移から、かすみがうら市の「今」と「これから」を数字で読み解きます。

かすみがうら市の人口はどう推移してきたか

まず人口の長期推移を見てみましょう。総務省統計局の国勢調査によると、かすみがうら市(2005年の合併後の区域で集計)の人口は次のように推移しています。

調査年人口(人)
昭和60年(1985年)41,306
平成2年(1990年)43,013
平成7年(1995年)※ピーク45,288
平成12年(2000年)45,229
平成17年(2005年)44,603
平成22年(2010年)43,553
平成27年(2015年)42,147
令和2年(2020年)40,087
かすみがうら市の人口推移グラフ|ハウスドゥ つくば研究学園都市
かすみがうら市の人口推移(国勢調査、出典:茨城県統計課)

出典:茨城県統計課「市町村のデータ(かすみがうら市)」(総務省統計局「国勢調査」より)。平成7年の45,288人をピークに、以降は緩やかな減少が30年近く続いています。さらに直近のかすみがうら市公式データ(住民基本台帳人口)では、令和8年8月1日現在で39,189人(男20,027人・女19,162人)と、国勢調査の令和2年時点からさらに減少が進んでいることがわかります。茨城県の推計人口調査による常住人口も令和8年4月1日時点で38,020人です。

※かすみがうら市の常住人口と住民基本台帳人口はカウント方法(外国人住民の扱いなど)が異なるため数値に差がありますが、いずれも減少トレンドである点は共通しています。

世帯数は人口ほど減っていない

一方で世帯数を見ると、印象が変わります。令和8年4月1日現在の世帯数は16,326世帯(茨城県統計課)で、令和8年8月1日時点の住民基本台帳ベースでは18,763世帯(前月比13世帯増)と発表されています。人口が減っているのに世帯数は横ばい〜微増という状態は、1世帯あたりの人数が減っている、つまり「単身世帯・高齢者のみの世帯・核家族化」が進んでいることを意味します。これは全国的な傾向でもありますが、かすみがうら市のように合併で市域が広く農地・住宅地が混在する自治体では、世帯単位の空き家予備軍が増えていくサインとしても注目しておきたいポイントです。

年齢別人口の構成

令和7年10月1日現在の年齢別人口割合(茨城県統計課「茨城県常住人口調査」)は、15歳未満9.1%・15〜64歳57.3%・65歳以上33.6%です。65歳以上が3人に1人という水準で、高齢化の進行度合いは茨城県内でも高めのグループに入ります。出生数176人に対して死亡数647人(いずれも令和6年、茨城県医療政策課「茨城県人口動態統計」)と、自然減の幅も小さくありません。

公示地価44年分の推移から見える底打ちの兆し

次に地価です。土地価格データサイト「土地代データ」(tochidai.info)が公開しているかすみがうら市の公示地価44年推移(1983年〜2026年)によると、次のような動きをたどっています。

公示地価平均(円/m²)備考
1983年(統計開始)44年分の統計開始年
1992年51,76244年間のピーク
2023年18,71844年間の底値
2026年(令和8年)19,509前年比+0.25%
かすみがうら市の公示地価44年推移|ハウスドゥ つくば研究学園都市
かすみがうら市 公示地価44年推移(出典:tochidai.info、目安)

出典:tochidai.info「かすみがうら市の土地価格相場・公示地価・基準地価マップ」。数値は目安としてご覧ください。1992年のピーク51,762円/m²から2023年の底値18,718円/m²まで、実に2.77倍もの差があります。バブル崩壊後30年以上にわたる下落局面がようやく底を打ち、2026年は前年から+0.25%とわずかながら反発に転じました。牛久市・土浦市・阿見町など研究学園都市に近い自治体では2016年前後から上昇に転じていましたが、かすみがうら市は底打ちの時期が数年遅く、上昇率もまだ緩やかです。この「遅れて反応する」という値動きの特徴は、TX(つくばエクスプレス)沿線から距離がある内陸部の地価に共通して見られる傾向です。

なぜ人口減少と地価下げ止まりが同時に起きるのか

人口が減っているのに地価が下げ止まっているという一見矛盾した状況は、いくつかの要因が重なって起きています。ひとつは全国的な建築資材・人件費の高騰で、新築のコストが上がった分、既存の土地・中古住宅の相対的な割安感が意識されやすくなっていること。もうひとつは、霞ヶ浦沿いの自然環境や広めの敷地を求めて移住してくる層が一定数いることです。人口の「量」は減っていても、土地に対する需要がゼロになったわけではない、という点は売却を考えるうえで知っておいて損はありません。

旧千代田町エリアと旧霞ヶ浦町エリアで傾向が違う

かすみがうら市は2005年3月に千代田町と霞ヶ浦町が合併して誕生した市です。市役所機能も千代田庁舎と霞ヶ浦庁舎の2拠点体制が続いており、エリアによって暮らし方や不動産の動きに違いがあります。

  • 旧千代田町エリア(下稲吉・上稲吉・大和田周辺など):土浦市・かすみがうら市中心部に近く、国道354号・125号沿いの利便性が比較的高いエリア。市民窓口センターもこちらに集約されています。
  • 旧霞ヶ浦町エリア(安食・大和田・柏原周辺など):霞ヶ浦に面し、自然環境を重視する層からの需要があるエリア。農地と住宅地が混在し、区画の大きい物件が見られます。

不動産の売却相談でも「同じかすみがうら市内でもエリアによって査定額の目安が変わる」というお声をいただくことがあります。土地利用の状況(令和6年1月1日・茨城県市町村課「茨城県市町村概況」)を見ると、農地31.5%・宅地9.3%・山林16.4%・その他42.8%と、宅地の割合は決して高くありません。宅地比率が低いということは、それだけ「まとまった宅地」の希少性が地価を下支えする要因にもなり得ます。

産業構造から見るかすみがうら市の特徴

令和2年国勢調査の産業別就業人口割合(総務省統計局)では、第1次産業10.55%・第2次産業30.91%・第3次産業58.55%となっています。第1次産業(農業)の比率が茨城県内の都市部と比べて高めなのは、かすみがうら市が全国有数のレンコン産地であることとも関係しています。製造品出荷額等(従業員4人以上)は令和5年で2,623億円(茨城県統計課「経済構造実態調査」等)と、平成12年の1,200億円から見て20年余りでおよそ2.2倍に伸びており、工業団地を中心とした企業立地が地域経済を支えています。

年間商品販売額・製造品出荷額の推移

年間商品販売額(総務省統計局・経済産業省「経済センサス」等)は平成9年763億円→平成27年1,021億円→令和2年663億円と、統計方法の変更もあり単純比較はできないものの、大きな落ち込みは見られません。製造品出荷額等(従業員4人以上)は平成12年1,200億円から令和5年2,623億円まで着実に伸びており、工業団地への企業立地が地域経済のけん引役になっていることがうかがえます(茨城県統計課「経済構造実態調査」等)。

交通アクセスと生活圏

かすみがうら市には鉄道駅がなく、最寄り駅はJR常磐線の土浦駅または神立駅(土浦市)になります。市内の移動や近隣市への通勤・通学は自家用車が中心で、国道354号・125号、県道の整備状況が生活の利便性に直結します。つくばエクスプレスの沿線からは離れているため、TX沿線の牛久市・つくば市のような急激な地価上昇は起きにくい一方、地価水準そのものは比較的抑えられており、広い土地を求める層には選ばれやすいエリアといえます。

財政力・生活インフラの状況

茨城県統計課のデータでは、かすみがうら市の財政力指数は0.57(令和6年度)です。水道普及率97.6%(令和6年3月31日現在)、汚水処理人口普及率94.6%(令和7年3月31日現在)と、生活インフラの整備は比較的進んでいます。医療施設従事医師数は人口10万人当たり38.0人(令和4年12月31日現在)で、茨城県平均と比べるとやや少なめの水準です。売却や住み替えを検討する際は、こうした生活インフラの状況もあわせて確認しておくと安心です。

財政力指数の意味

財政力指数0.57という数字は、自治体の税収などの基準財政収入額を、行政サービスに必要な基準財政需要額で割った指標です。1.0を下回るほど地方交付税への依存度が高いことを意味します。県南エリアの中では平均的な水準ですが、今後の人口減少が続けば行政サービスの維持コストと税収のバランスがさらに課題になっていく可能性があります。

人口・地価の推移から見る、かすみがうら市で不動産を「売る」タイミング

ここまでのデータを整理すると、かすみがうら市は「人口は緩やかに減少を続けているが、地価は2023年の底値から反発の兆しが出ている」という局面にあります。相続や空き家、住み替えなどの事情で不動産の売却を検討されている方にとって、次のようなポイントが判断材料になります。

  • 地価がまだ44年間の底値圏に近い水準にあるうちに、将来の下落リスクと反発の可能性を天秤にかけて判断する
  • 世帯数が人口ほど減っていない=単身・高齢者のみ世帯が増えている中、空き家化する前の早めの売却相談が選択肢になりうる
  • 旧千代田町エリアと旧霞ヶ浦町エリアで需要の傾向が異なるため、エリアに応じた売却戦略(仲介か買取か等)を検討する

私たちハウスドゥ つくば研究学園都市店は、かすみがうら市を含む県南エリアで不動産の仲介・買取査定を行っています。トーマンが運営する地域密着の店舗として、こうした市の統計データだけでなく、実際の売却相談の中で見えてくる「今、このエリアで売れやすい物件・売れにくい物件」の傾向もふまえたご提案が可能です。相続した実家や空き家、訳あり物件のご相談もお気軽にどうぞ。

よくある質問

Q1. かすみがうら市の人口はいつまで減り続けますか?

市の公式な将来推計人口の公表資料は今回確認できていませんが、平成7年をピークに30年近く減少傾向が続いており、出生数(176人)が死亡数(647人)を大きく下回る自然減の状態(いずれも令和6年)が続いている以上、短期間で反転する材料は見当たりません。ただし世帯数は横ばい〜微増を保っており、人口減少のペースそのものは急激ではありません。

Q2. かすみがうら市の地価は今後も上がりますか?

2026年の公示地価は前年比+0.25%とわずかな上昇にとどまっており、牛久市や土浦市のような明確な上昇トレンドとまでは言えません。あくまで「44年間の底値圏からの反発初期段階」という位置づけで捉えるのが実態に近いでしょう。今後の動向は継続的な確認が必要です。

Q3. 旧千代田町と旧霞ヶ浦町、どちらが売却に有利ですか?

一概にどちらが有利とは言えません。旧千代田町エリアは土浦市への近接性から利便性重視の需要、旧霞ヶ浦町エリアは霞ヶ浦の自然環境を求める需要と、求められる層が異なります。物件の立地・広さ・用途地域によって適した売却方法(仲介か買取か)も変わるため、個別の査定でご確認いただくのが確実です。

Q4. かすみがうら市は空き家が増えていますか?

市全体の空き家率を示す最新の公式統計は今回の一次情報の範囲では確認できていませんが、65歳以上人口の割合が33.6%(令和7年10月現在)と高く、世帯当たり人口の縮小傾向(人口減少に対して世帯数が横ばい)が続いていることから、今後空き家予備軍が増えていく可能性が高いエリアと考えられます。

Q5. かすみがうら市で相続した実家を売却したい場合、どこに相談すればいいですか?

ハウスドゥ つくば研究学園都市店(トーマン運営)では、かすみがうら市を含む県南エリアの相続不動産・空き家の売却相談を承っています。相続登記が済んでいない場合や、遠方にお住まいで現地に行けない場合でも、電話・LINEでのご相談から対応可能です。

Q6. 農地が多いエリアの土地は売却できますか?

農地(地目が「田」「畑」)の場合、農地法の制限により宅地とは異なる売却手続き(農業委員会の許可等)が必要になることがあります。かすみがうら市は土地利用に占める農地の割合が31.5%(令和6年1月1日時点)と比較的高いため、売却をご検討の際は地目の確認から始めることをおすすめします。

まとめ

かすみがうら市は、平成7年をピークに人口減少が続く一方、世帯数は横ばいを保ち、公示地価は2023年の底値からわずかに反発するという、他の県南エリアとはやや異なる動きを見せています。2005年の合併で生まれた市だからこそ、旧千代田町・旧霞ヶ浦町のエリアごとの特性を理解したうえで売却戦略を立てることが重要です。数字の背景を踏まえたご相談を、ハウスドゥ つくば研究学園都市店で承っています。

かすみがうら市の不動産売却について、エリアごとの特徴をさらに詳しく知りたい方はかすみがうら市の不動産売却・買取・査定ページもあわせてご覧ください。市の暮らし全般についてはかすみがうら市の暮らしガイド、子育て世帯の方はかすみがうら市の子育て支援ガイド、近隣エリアの人口・地価動向は石岡市の人口・地価の推移もご参考になります。

近隣の稲敷市の人口・地価の長期推移は稲敷市の人口・地価の推移【2026年版】もあわせてご覧ください。

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