JRA美浦トレーニングセンターで知られる美浦村は、茨城県内でも人口規模の小さい村のひとつです。国勢調査のデータでは、平成12年(2000年)の18,219人をピークに、令和2年(2020年)には14,602人まで減少しています。この記事では、美浦村の人口・地価の長期推移を公的データから読み解き、不動産の売却や相続を検討する際の判断材料を整理します。
美浦村の人口推移|平成12年をピークに減少へ
茨城県統計課「市町村のデータ(美浦村)」(総務省統計局「国勢調査」より)による人口推移は次のとおりです。
| 調査年 | 人口(人) |
|---|---|
| 昭和60年(1985年) | 14,162 |
| 平成2年(1990年) | 14,348 |
| 平成7年(1995年) | 17,767 |
| 平成12年(2000年)※ピーク | 18,219 |
| 平成17年(2005年) | 18,118 |
| 平成22年(2010年) | 17,299 |
| 平成27年(2015年) | 15,842 |
| 令和2年(2020年) | 14,602 |

昭和60年から平成7年にかけて14,162人から17,767人へ急増したのち、平成12年の18,219人をピークに減少へ転じています。令和2年時点では14,602人と、ピークから約20%の減少です。直近の茨城県推計(茨城県統計課「茨城県常住人口調査」)では、令和8年4月1日現在の常住人口は13,269人・世帯数5,839世帯まで下がっています。人口密度は199.2人/km²(令和8年4月1日現在)で、面積66.61km²と茨城県内でもコンパクトな村です。
年齢別人口構成と人口動態
年齢別人口割合(令和7年10月1日現在、茨城県統計課)は、15歳未満8.3%・15〜64歳56.6%・65歳以上35.1%です。出生数46人に対して死亡数216人(いずれも令和6年、茨城県医療政策課)と、自然減の幅も一定程度あります。第3次産業の就業人口割合が66.31%(令和2年国勢調査)と高いのは、JRA美浦トレーニングセンター関連の雇用が地域経済を支えていることが背景にあると考えられます。
公示地価の推移|42年間で3倍以上の下落
土地価格データサイト「土地代データ」(tochidai.info)によると、美浦村の公示地価は42年間のデータで次のように推移しています。
| 年 | 公示地価平均(円/m²) | 備考 |
|---|---|---|
| 1994年 | 34,000 | 42年間のピーク |
| 2024年 | 10,380 | 42年間の底値・前年比-1.40% |

出典:tochidai.info「美浦村の土地価格相場・公示地価・基準地価マップ」。数値は目安としてご覧ください。1994年のピーク34,000円/m²から2024年の10,380円/m²まで、実に3.28倍もの下落幅です。前年比では-1.40%とまだ下落が続いており、稲敷市(-0.91%)と同様に、県南エリアの中でも鉄道駅から離れたエリアでは底打ちの動きがまだ見られません。
JRAトレセンが地価に与える影響
美浦村の最大の特徴は、JRA(日本中央競馬会)の美浦トレーニングセンターが村の広い面積を占めていることです。トレセン関連の宿舎・厩舎・関連施設が集積するエリアと、それ以外の農村エリアとでは、土地の使われ方も需要の性質も大きく異なります。トレセン周辺は競馬関係者の住居需要が一定数あるものの、村全体で見ると人口減少と地価下落という他の県南エリアと同様の構造的な課題を抱えています。
土地利用の特徴|「その他」が村の6割超
土地利用の状況(令和6年1月1日、茨城県市町村課)では、農地19.8%・宅地8.1%・山林7.2%・その他64.9%となっています。「その他」が6割を超えるのは、霞ヶ浦に面した低地や、JRAトレセンの敷地(一般の宅地・農地区分に含まれない用地)が広い面積を占めているためとみられます。宅地の比率はわずか8.1%と、周辺市町村と比べても低い水準です。
年間商品販売額・製造品出荷額の推移
年間商品販売額(総務省統計局・経済産業省「経済センサス」等)は平成9年136億円から平成23年78億円まで落ち込んだ後、令和2年104億円まで持ち直しています。製造品出荷額等(従業員4人以上)は平成12年534億円からおおむね500億円台で推移しており、令和2年641億円まで増加した後、令和3年614億円と、大きな変動なく安定的に推移しています(茨城県統計課「経済構造実態調査」等)。
生活インフラの水準
茨城県統計課のデータでは、美浦村の水道普及率は94.9%(令和6年3月31日現在)、汚水処理人口普及率は94.0%(令和7年3月31日現在)と、県南エリアの中でも高い水準にあります。稲敷市(水道74.0%・汚水処理80.4%)と比べると、生活インフラの整備は進んでいるといえます。財政力指数は0.61(令和6年度)で、稲敷市(0.48)やかすみがうら市(0.57)と比べてやや高めです。医療施設従事医師数は人口10万人当たり70.8人(令和4年12月31日現在)です。
財政力指数0.61が示す村財政の安定度
財政力指数0.61という数字は、周辺の稲敷市(0.48)やかすみがうら市(0.57)と比べてやや高めで、村としては比較的安定した財政基盤を持っていると考えられます。JRAトレセン関連施設からの固定資産税・法人関係の税収が、人口規模の割に財政を下支えしている可能性があります。ただし1.0を下回っている以上、地方交付税への依存自体は避けられない水準です。
近隣市町村(稲敷市・阿見町)との人口減少率の比較
美浦村の人口減少率(ピーク平成12年比・令和2年)は約19.8%で、稲敷市(平成7年比24.4%減)よりは緩やかですが、阿見町のような「横ばい→再増加」の動きとは異なり、依然として減少基調が続いています。同じ稲敷郡・県南エリアでも、TX沿線に近いかどうか、大規模施設(トレセンや研究機関)を抱えているかどうかで、人口動態の傾向に差が出ていることがうかがえます。
JRA美浦トレーニングセンターと村の関わり
JRA美浦トレーニングセンターは1978年に開設され、競走馬の調教施設としては東西2拠点のひとつ(もう一方は栗東トレーニングセンター)です。多数の厩舎・関連施設が集積し、調教師・厩務員をはじめとする競馬関係者とその家族が居住しています。トレセンの存在は美浦村の産業構造(第3次産業66.31%)や雇用にも大きく影響しており、村のブランドイメージとしても広く知られています。不動産の観点では、トレセン関係者の異動・入れ替わりに伴う賃貸需要が一定数存在する点も、他の農村エリアとは異なる特徴です。
人口・地価の推移から見る、美浦村で不動産を「売る」タイミング
美浦村は、人口が平成12年をピークに減少を続け、地価も42年間で3倍以上下落し直近もまだ下落基調にあります。一方で水道・汚水処理などの生活インフラは県南エリアの中でも整備が進んでいます。相続や空き家の売却を考える際は、次のような点が判断材料になります。
- 地価の下落傾向が続いているため、早期の売却検討が選択肢になりうる
- JRAトレセン周辺エリアとそれ以外のエリアで需要の性質が異なるため、物件の立地に応じた売却戦略が重要
- 生活インフラは比較的整っているため、買主にとっての住環境面での不安は少ない
私たちハウスドゥ つくば研究学園都市店は、美浦村を含む県南エリアで不動産の仲介・買取査定を行っています。トーマンが運営する地域密着の店舗として、トレセン周辺エリアの特性もふまえたご提案が可能です。相続した実家や空き家のご相談もお気軽にどうぞ。
よくある質問
Q1. 美浦村の人口は今後どうなりますか?
市の公式な将来推計人口の公表資料は今回確認できていませんが、出生数46人に対して死亡数216人(いずれも令和6年)と自然減が続いており、平成12年をピークに20年以上減少傾向が続いている実績を踏まえると、短期間で反転する材料は見当たりません。
Q2. 美浦村の地価は今後どうなりますか?
直近(2024年)の前年比は-1.40%とまだ下落が続いており、明確な底打ちの兆しは今回のデータでは確認できていません。今後の動向は継続的な確認が必要です。
Q3. JRAトレセン周辺の物件は売却しやすいですか?
トレセン周辺は競馬関係者向けの住居需要が一定数あり、村全体の平均よりも需要が安定している傾向があります。ただし物件ごとに条件は異なるため、個別の査定でご確認いただくのが確実です。
Q4. 美浦村の水道・下水道は整っていますか?
水道普及率94.9%(令和6年3月31日現在)、汚水処理人口普及率94.0%(令和7年3月31日現在)と、県南エリアの中でも高い水準です。売却・購入を検討する際の安心材料のひとつになります。
Q5. 美浦村で相続した実家はどこに相談すればいいですか?
ハウスドゥ つくば研究学園都市店(トーマン運営)では、美浦村を含む県南エリアの相続不動産・空き家の売却相談を承っています。遠方にお住まいの場合でも、電話・LINEでのご相談から対応可能です。
Q6. 美浦村の土地の多くが「その他」に分類されているのはなぜですか?
土地利用状況(令和6年1月1日時点)で「その他」が64.9%と高いのは、霞ヶ浦に面した低地やJRAトレセンの敷地など、一般的な農地・宅地区分に含まれない土地が広い面積を占めているためと考えられます。
まとめ
美浦村は、JRA美浦トレーニングセンターという全国的にも知られる施設を抱える一方、人口は平成12年をピークに減少が続き、公示地価も42年間で3倍以上下落しています。生活インフラの整備は進んでいるものの、地価の下落基調はまだ続いており、売却を検討する際は早めの相談が選択肢になります。ハウスドゥ つくば研究学園都市店では、美浦村の実情をふまえたご相談を承っています。
美浦村の不動産売却について、エリアごとの特徴をさらに詳しく知りたい方は美浦村の不動産売却・買取・査定ページもあわせてご覧ください。村の暮らし全般については美浦村の暮らしガイド、防災情報は美浦村の防災|ハザードマップ・避難所11施設、近隣エリアの人口・地価動向は稲敷市の人口・地価の推移もご参考になります。
無料相談フォーム
この記事に関するご相談はこちらから。秘密厳守で対応いたします。



