相続した実家が桜川市にあるものの「売るには惜しいが住む予定もない」という方に向けて、桜川市が運営する空家バンク制度と、あわせて使える空家改修費補助金の中身を、桜川市都市整備課の公式情報にもとづいて整理します。制度の終了状況や補助率など、あいまいなまま語られがちな部分も、公式サイトで確認できた事実だけをお伝えします。
桜川市空家バンクとは|制度の目的
桜川市は2005年に旧岩瀬町・旧真壁町・旧大和村が合併して誕生した市で、真壁地区の伝統的な町家、岩瀬地区の住宅地、大和地区の山間部と、エリアによって空き家の性格が大きく異なります。桜川市空家バンクは、市内の空家等の有効活用を通じて地域社会の活性化を図ることを目的に、桜川市都市整備課が運営している制度です。売却・賃貸を希望する所有者から申し込みを受けた物件情報を、市のホームページなどで移住・定住希望者に提供する仕組みで、令和8年4月からは住宅だけでなく店舗や工場等の空家も登録対象に加わりました(事業用の賃貸・分譲目的は対象外)。
空家バンクの登録の流れ|売りたい・貸したい方
桜川市空家バンクに物件を登録する場合、以下の4ステップで進みます。

(1)物件の登録申込
空家バンク登録申込書(様式第1号)、物件登録書(様式第2号)、同意書(様式第3号)に必要事項を記入し、都市整備課(大和庁舎1階)へ提出します。建物所有者と土地所有者が別人の場合は、土地所有者同意書(様式第4号)もあわせて必要です。
(2)物件の調査・登録
市が必要な調査を行い、登録を認定した物件を「桜川市空家バンク登録台帳」に登録します。
(3)情報の提供
登録された空家の情報は、市のホームページや担当窓口を通じて公開されます。防犯上の理由から、所在地などの詳細は市から直接説明されず、物件担当の媒介業者(宅地建物取引業者)が対応する仕組みです。
(4)物件の交渉
利用希望者からの申込みがあると、物件担当の媒介業者の仲介で契約交渉に進みます。媒介業者による仲介には、通常の不動産取引と同様に所定の仲介手数料がかかります。
空家バンクを利用したい方|買いたい・借りたい方
桜川市への移住・定住を考えて空家バンクの物件を探す場合は、次の3ステップです。
(1)空家情報の確認
市ホームページや担当窓口で、登録されている物件情報を確認します。
(2)利用者登録
詳細を知りたい場合は、空家バンク利用登録申込書(様式第12号)・誓約書(様式第13号)を都市整備課に提出します。
(3)交渉申込
内見や交渉を希望する場合は、交渉申込書(様式第22号)を提出すると、市から物件担当の媒介業者へ連絡が入り、媒介業者を通じて契約交渉が進みます。
空家改修費補助金|補助率3分の2の中身
桜川市には、空家バンク経由の物件を改修する際に使える補助制度があります(2025年7月時点で公式サイトに掲載中)。
対象となる物件
桜川市空家バンク実施要綱にもとづき登録された、居住の用に供する建築物が対象です。また、空家等活用促進区域内で、市が指定した空家等管理活用支援法人が媒介した居住用建築物も対象になります。
対象者の要件
公式サイトに明記されている主な要件は次の通りです(すべてを満たす必要があります)。
- 売買・賃貸の契約者同士が3親等以内の親族でないこと
- 地元自治会に加入していること
- 市税等を滞納していないこと
- 過去にこの補助金を受けた世帯主・世帯員でないこと
- 工事完了日から10年以上その空家に定住することを確約すること
- 市内に本店・支店・営業所を置く事業者と請負契約を結ぶこと
- 桜川市暴力団排除条例に定める該当者でないこと
対象になる工事・ならない工事
対象経費は居住を目的とした改修工事費用です。壁・床・畳などの内装改修(基礎の改修を含む)、上下水道・電気の配管工事が対象になりますが、エアコンや浴槽そのものの購入費、家具・家電などの備品は対象外です。下水道・農業集落排水の接続工事費補助金との併用もできません。補助率は3分の2です。
上限額・申請の注意点
上限額と申請期限は、桜川市が公開している「空家改修費補助金交付要項」に定められています。本記事執筆時点で市公式サイトのページ本文には具体的な上限額の記載がなく、正確な金額は都市整備課への確認、または交付要項のPDFで確認する必要があります。また、工事契約を結ぶ前に必ず都市整備課へ事前相談が必要な点も見落とせません。
空家流通促進事業補助金(インスペクション費用)は終了済み
空家バンク登録物件の既存住宅状況検査(インスペクション)費用を補助する「空家流通促進事業補助金」という制度もありましたが、桜川市公式サイトには「令和7年度をもって終了」と明記されています。ネット上の情報やまとめサイトでは制度が現存するかのように紹介されているケースもあるため、2026年時点で利用を検討する場合は、この補助金は対象外である前提で資金計画を立てる必要があります。
真壁地区の空家等活用促進区域について
桜川市の空家改修費補助金は、真壁地区に設定されている「空家等活用促進区域」内の物件であれば、空家バンクを介さず、市が指定した空家等管理活用支援法人の媒介でも対象になります。真壁地区は伝統的建造物群保存地区(重伝建)を含み、町家・古民家の活用ニーズが高いエリアです。重伝建地区特有の建築制限や、訳あり物件としての売却を検討している場合は、当店の別記事「桜川市の空き家・訳あり不動産売却|真壁の重伝建地区と補助金」でより詳しく解説していますので、あわせてご確認ください。
空家バンクと不動産売却・買取、どちらが向いているか

空家バンクが向いているケース
「移住・定住してくれる人に譲りたい」「賃貸でゆるやかに活用したい」など、価格よりも使ってもらう相手や活用のされ方を重視する場合に向いています。ただし、利用希望者が現れるまでの期間は読めず、登録から成約までに時間がかかる可能性があります。
不動産売却・買取が向いているケース
「相続した家をなるべく早く現金化したい」「遠方に住んでいて管理の手間を減らしたい」といった場合は、仲介による売却や、専門業者による買取のほうが、価格の見通しを立てやすい選択肢になります。当店では桜川市内の物件について、空家バンクとの違いも含めてご相談いただけます。
桜川市の空き家を取り巻く現状
桜川市の人口は減少傾向が続いており、高齢化の進行とともに「相続したが住む予定のない家」が増加しています。特に真壁地区は伝統的な町家・古民家が多く、岩瀬地区は昭和期に造成された分譲住宅地の高齢化が課題です。桜川市全体の人口・地価の推移や、エリア別の相場動向については、別記事「桜川市の人口・地価の推移【2026年版】」「桜川市岩瀬の中古戸建相場」でも数値付きで解説しています。
空家バンクの物件情報の見方|物件番号・面積・価格・契約条件
空家バンクに登録された物件は、市のホームページなどで物件情報として公開されます。一般に、物件番号、所在地区、土地面積と建物面積、売却希望価格(賃貸の場合は賃料)、築年数、間取り、設備の状況、売買・賃貸の別といった契約条件が掲載されます。掲載項目や詳細の公開範囲は市の運用によって異なるため、実際の物件情報は桜川市のホームページや担当窓口で最新の内容を確認してください。
物件番号で問い合わせる
気になる物件が見つかったら、物件番号を控えて担当窓口へ問い合わせるのが基本です。前述のとおり、所在地などの詳細は防犯上の理由から市が直接説明せず、物件担当の媒介業者が対応します。問い合わせの際は、物件番号に加えて、希望する利用条件(購入か賃貸か、入居時期、予算)を整理しておくとやり取りがスムーズです。
面積と価格は「土地」「建物」を分けて見る
空き家の売却価格は、土地の面積・形状・接道状況と、建物の築年数・劣化状況の両方で決まります。築年数が古い建物は建物の評価がほとんど付かず、土地価格が中心になることも珍しくありません。売却を検討している所有者の方は、公示価格や近隣の取引事例をもとに土地の目安を把握し、現況での売却か、解体して更地にするか、といった条件ごとの手取りを比べておきましょう。
農地付き・農地が含まれる空き家の注意点
桜川市は農地の多い地域で、空き家に田畑が付随しているケースも少なくありません。農地は一般の宅地と異なり、売買や貸借に農地法の許可や届出が必要です。農地のまま売買する場合は農業委員会の許可(農地法3条)、宅地など農地以外へ転用する場合は転用許可や届出(同5条)が必要になるのが原則です。
なお、空き家に付随する農地を取得する際の下限面積要件は2023年4月に廃止されましたが、農業委員会の許可が不要になったわけではありません。農地が含まれる物件の売却・取得は、市の農業委員会事務局や不動産会社へ事前に相談してください。
空き家を売却するときの費用と税金のポイント
空家バンクで買い手が見つかった場合も、不動産会社へ直接売却する場合も、売却時には費用と税金がかかります。主なポイントを整理します。
仲介手数料の目安
仲介手数料の上限は、売買価格が400万円を超える場合「売買価格×3%+6万円+消費税」が速算式です。2024年7月からは、売買価格が800万円以下の空き家等については、媒介報酬の上限が33万円(税込)まで認められる特例が設けられています。地方の空き家は800万円以下になる例も多いため、見積もりの段階で確認しておきましょう。
譲渡所得税と3,000万円の特別控除
不動産を売って利益(譲渡所得)が出た場合、所有期間が5年を超える長期譲渡であれば税率は約20.315%(所得税・復興特別所得税・住民税)です。相続した空き家を売る場合は、一定の要件を満たすと「被相続人居住用財産(空き家)の3,000万円特別控除」を使える可能性があります。主な要件は、昭和56年5月31日以前に建築された家屋であること、耐震リフォームをするか解体して売ること、相続から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ることなどです。相続人の人数や適用期限などの条件は改正されることがあるため、利用前に税務署や税理士に最新の要件を確認してください。短期譲渡の税率については、短期譲渡所得とは?5年ルールと税率の記事も参考になります。
古い家は耐震と解体の判断が分かれ目
昭和56年以前の建物は旧耐震基準で建てられているため、売却時に「耐震改修して売る」か「解体して更地で売る」かの判断が必要になります。詳しくは旧耐震の不動産を売却する方法で解説しています。
空き家を放置するリスクと相続登記の義務化
空き家を使わないまま放置すると、雨漏りや倒壊の危険、庭木や雑草による近隣トラブル、防犯面の不安につながります。2023年12月に施行された改正空家法では、放置すれば特定空家になるおそれのある「管理不全空家」にも市区町村が指導・勧告できるようになり、勧告を受けると固定資産税の住宅用地特例(税額が軽減される仕組み)が外れる可能性があります。
また、2024年4月から相続登記が義務化され、相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内に登記を申請する必要があります(正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象)。空家バンクへの登録や売却を進める前提として、名義が故人のままになっていないかを早めに確認しましょう。
近隣の空家バンクとの比較と相談先
近隣市町村にも空家バンク制度があり、補助金の内容や対象は自治体ごとに異なります。たとえば、美浦村の空き家バンクや阿見町の空き家バンクも、登録の流れと補助金を整理しています。物件の所在地によって使える制度が違うため、比較して検討すると選択肢が広がります。
「空家バンクに登録するか、不動産会社に直接売却・買取を相談するか迷う」「農地や古い家屋が絡んで条件が複雑」といった場合は、ハウスドゥ つくば研究学園都市(買取専門店)の無料相談をご利用ください。電話(0120-565-072)または当ページ内のフォームから、桜川市の空き家の査定・売却のご相談を承ります。
よくある質問
Q1. 桜川市空家バンクへの登録に費用はかかりますか?
登録の申込み自体に費用はかかりません。ただし、利用希望者との交渉がまとまり契約に至った場合は、仲介した媒介業者(不動産業者)へ所定の仲介手数料を支払う必要があります。
Q2. 空家バンクと通常の不動産仲介は何が違いますか?
空家バンクは市が情報提供の窓口となり、移住・定住希望者への周知を後押しする制度です。ただし実際の契約交渉は媒介業者(不動産業者)が担うため、成約までの実務は通常の仲介と近い形になります。早さや確実性を重視する場合は、最初から不動産会社に売却・買取を相談する方法もあります。
Q3. 空家改修費補助金の上限額はいくらですか?
桜川市公式サイトの本文には具体的な上限額の記載がなく、「空家改修費補助金交付要項」(PDF)または都市整備課への確認が必要です。補助率は3分の2と公式に明記されています。
Q4. 空家流通促進事業補助金(インスペクション費用補助)はまだ使えますか?
使えません。桜川市公式サイトに「令和7年度をもって終了」と明記されています。
Q5. 空家バンクに登録すれば必ず売れますか?
登録が成約を保証するものではありません。利用希望者が現れるまでの期間は読めないため、早期の現金化を重視する場合は、不動産会社への売却・買取のご相談もあわせてご検討ください。
Q6. 真壁地区の物件は空家バンク以外の補助金も使えますか?
真壁地区の空家等活用促進区域内であれば、空家バンクを介さず市指定の空家等管理活用支援法人の媒介でも空家改修費補助金の対象になり得ます。詳しくは都市整備課、または当店までご相談ください。
Q7. 相続した空き家の名義が故人のままでも空家バンクに登録できますか?
登録や売却を進めるには、所有者を確認できることが前提になるため、早めに相続登記を済ませておくのが安心です。2024年4月から相続登記は義務化されており、相続を知った日から3年以内の申請が必要です。
Q8. 相続した空き家を売ると税金は安くなりますか?
要件を満たせば、被相続人居住用財産の3,000万円特別控除を利用できる場合があります。昭和56年5月31日以前の建築であること、耐震改修または解体のうえ売却することなどが条件で、適用期限や人数による金額の違いもあるため、利用前に税務署や税理士へ確認してください。
Q9. 田んぼや畑が付いた空き家も売却・取得できますか?
可能ですが、農地部分には農地法の許可や届出が必要です。農地のまま売買する場合は農業委員会の許可、農地以外に転用する場合は転用の許可や届出が原則として必要になるため、事前に農業委員会事務局や不動産会社へ相談してください。
まとめ
桜川市空家バンクは、登録自体は無料で、移住・定住希望者に物件を届けられる制度です。あわせて使える空家改修費補助金は補助率3分の2と手厚い一方、地元自治会加入や10年以上の定住確約など要件が細かく、インスペクション費用の補助はすでに終了しています。「制度を使って譲りたいのか」「早く確実に現金化したいのか」で選ぶべき道は変わります。桜川市の空き家・実家じまいでお悩みの際は、地元密着のハウスドゥ つくば研究学園都市までお気軽にご相談ください。
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