結論:付帯設備表は、エアコンや給湯器など「家に付いている設備を、買主へ引き渡すのか、撤去するのか、不具合はないか」を契約前に共有する書類です。分かる範囲で正直に、症状は具体的に書き、撤去する設備は撤去すると明記するのが基本です。つくば市で家やマンションを売る方向けに、書き方と伝え方の考え方を整理します。
付帯設備表(設備表)とは?何のために書くのか
付帯設備表(設備表)は、売買の対象になる設備について「有る・無い」「使える・故障している」といった状態を書いて買主に伝える書類です。東京都が公表している「不動産売買の安心ガイド」の売買契約書の参考例でも、設備表で「有」とされた付帯設備を物件の引渡しと同時に買主へ引き渡す、という考え方が示されています。
書式や項目は不動産会社ごとに違うため、実際に使う設備表は媒介を依頼する会社から受け取った書式に従ってください。ここで紹介する内容は、考え方の整理です。
設備表と物件状況等報告書(告知書)の違い
混同されやすいのが、物件状況等報告書(告知書と呼ぶ会社もあります)との違いです。
- 設備表:エアコン、給湯器、照明、食洗機など、付帯設備の有無と状態を伝える書類
- 物件状況等報告書:雨漏り、シロアリ、境界、近隣との取り決めなど、建物・土地の状況を売主が伝える書類
東京都のガイドの参考例でも、売主が物件状況等報告書で物件の状況を買主に説明する条文と、設備表の「有」の設備を引き渡す条文は別々に置かれています。売主として、どちらにも同じ時点の事実を整合するように書くことが大切です。
売却全体で起こりやすい注意点は、不動産売却でよくあるトラブルと防ぎ方もあわせてご覧ください。
設備表で伝える4つの区分

設備ごとに、次のどれにあたるかを整理してから書くと迷いにくくなります。
有・正常(使える状態でそのまま引き渡す)
通常どおり使える設備です。設置時期やメーカーが分かる場合は、あわせて伝えると買主も判断しやすくなります。
有・故障や不具合あり
「動作が不安定」「異音がする」「水漏れの跡がある」など、症状を具体的に書きます。「古いので不具合があるかも」といった曖昧な表現より、実際に見聞きした症状を書くほうが誤解を防げます。
無(売主が撤去して引き渡す)
引渡しまでに取り外す設備は「無」とし、撤去する時期もあわせて確認します。エアコンなど取り外しが必要な設備は、取り外しや後処理の費用を誰が負担するかも事前に決めておきます。
残置(不要品を残して引き渡す)
家具や家電を残していく場合は、買主が了承しているかを書面で残しておきます。口頭だけだと「残すとは聞いていない」と行き違いになりやすいためです。
書くときの5つのポイント
1. 分からないことは「不明」と書く
前の所有者から引き継いだ設備や、長く使っていない設備は、状態が分からないことがあります。推測で「問題なし」とせず、「使用していないため不明」と書くほうが安全です。
2. 売主が知っていることは書く
民法572条では、契約不適合責任を負わない特約をした場合でも、売主が知りながら告げなかった事実については責任を免れることができない、と定められています。知っている不具合は、設備表や報告書に書いて伝えるのが基本です。
3. 設備ごとに写真を残す
状態が分かる写真や、取扱説明書・保証書の有無を控えておくと、引渡し後の行き違いを防ぎやすくなります。
4. 売り出し前に実際に動かして確認する
エアコン、給湯器、換気扇、インターホンなどは、設備表を書く前に一度動かして確認します。
5. 書き直しが必要になったら速やかに伝える
売り出し後に故障した場合などは、そのままにせず、担当者に伝えて設備表を修正してもらいます。
故障している設備は、売主の責任になるのか
東京都のガイドの売買契約書の参考例では、付帯設備の故障や不具合について売主は修補や損害賠償などの責任を負わない、という書き方になっています。ただし、これは参考例の一例です。実際の契約書の条文は不動産会社や契約ごとに異なり、設備表の記載内容や売主が知っていた事実によって扱いが変わる場合もあります。
また、民法562条では、引き渡された目的物が契約の内容に適合しないとき、買主は売主に修補などの履行の追完を請求できると定められています。設備を「有」として引き渡す約束をしたのに実際の状態が違っていた場合などは、トラブルになる可能性があります。個別の判断は契約書の条文を前提に、不動産会社や必要に応じて弁護士などの専門家へ確認してください。
撤去する設備・残す設備の決め方
撤去と残置は、買主との認識合わせが最も重要な部分です。
- 撤去する設備は、いつまでに誰が取り外すかを決める
- 残す設備は、買主が使うのか処分するのか、処分費用は誰が持つのかを確認する
- 庭木、物置、カーポート、床下収納など、「設備」と呼ばれにくいものも一覧に含めて確認する
片づけの量が多い場合は、売り出し前に整理しておくと、設備表の記載もしやすくなります。
引渡し前の最終確認で設備表と照合する
引渡し前には、買主と一緒に、または担当者の立ち会いのもとで、設備表と実際の状態を照らし合わせます。東京都のガイドでも、売買契約の前に確認した住宅の状況や設備・工作物について、物件状況等報告書や設備表との整合性を確認することが大切とされています。決済当日の流れは不動産決済とは?当日の流れ・必要書類・持ち物で解説しています。
古い家や現状のまま売りたい場合
築年数が古い家は、設備の不具合を前提に売り出すこともあります。その場合は、状態を正直に書いたうえで、買主の理解を得ることが基本です。旧耐震の家の売り方は旧耐震(1981年以前)の家の売り方も参考になります。
買取を選ぶ場合は、設備の状態も含めて物件を評価したうえで契約します。条件は会社や物件によって異なるため、設備の扱いも査定の段階で確認しておくと安心です。
つくば市で設備表の書き方に迷ったら
ハウスドゥ つくば研究学園都市店では、売却の流れや書類の書き方の相談を受け付けています。設備表を書く段階で迷う点があれば、査定の際にあわせてご相談ください。
お電話:0120-565-072 / 査定・ご相談フォームはこちら
よくある質問
Q1. 設備表には、すべての設備を書く必要がありますか?
書式に挙がっている項目を中心に、売買の対象になる設備を書きます。書式にない設備でも、買主が気にしそうなものがあれば担当者に相談して追記するのが一般的です。
Q2. 故障している設備は、修理してから売るべきですか?
必ずしも修理が必要とは限りません。故障の事実を設備表に書いて伝えたうえで、そのまま引き渡す方法もあります。修理費用と売却価格への影響は物件によって異なるため、担当者と相談してください。
Q3. 設備表の記載を間違えたらどうなりますか?
気づいた時点で、担当者を通じて買主に伝えて修正するのが基本です。契約後の扱いは契約書の条文によるため、早めに不動産会社へ相談してください。
Q4. 売主が知らなかった不具合も責任を負いますか?
民法572条は「知りながら告げなかった事実」について特約でも責任を免れないとしています。知らなかった不具合の扱いは、契約書の条文や個別の事情によります。契約前に条文を確認してください。
Q5. エアコンは持っていってもよいですか?
撤去して持ち出す場合は、設備表で「無」とし、取り外しの時期と費用の負担を買主と確認しておきます。取り外し後の壁の穴などの扱いも含めて決めておくと行き違いを防げます。
出典・参考
- 東京都「不動産売買の安心ガイド」Ⅱ章(売買契約書の参考例第10条・第11条ほか)
- e-Gov法令検索「民法」第562条・第572条
※この記事は一般的な説明です。個別の契約内容や責任の判断は、契約書の条文を前提に不動産会社や専門家へご確認ください。
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