土地を売る準備で登記事項証明書を取ったら、書かれている面積(地積)が、手元の図面や固定資産税の資料の面積と合わない。そんなとき、「地積更正登記をしないと売れないのでは」と心配になる方は少なくありません。結論から言うと、面積に差があるだけで、売却できないと決まるわけではありません。ただ、差の原因が分からないまま売り出すと、後から買主との話し合いが止まることがあります。
この記事では、つくば市で土地や家を売る前に、登記の面積と実測の面積の差に気づいたとき、売主が自分で確認できることと、土地家屋調査士へ引き継ぐ判断の順番を整理します。図面の種類の違いは地積測量図と確定測量図の違い、測量の流れや費用の決まり方は土地の測量(確定測量)の流れで扱っています。ここでは、面積差に気づいた売主が最初にどう動くかに絞ります。
個別の土地で更正登記が必要かどうかは、境界の状況などを確認した専門家でなければ判断できません。この記事は一般的な整理であり、結論を保証するものではありません。
登記の面積と実測の面積が違っても、すぐに「売れない」とは限らない
登記簿に記録された面積と、実際に測った面積が一致しない土地は、珍しくありません。外部の不動産情報サイトでも、登記簿の地積は昔の測量結果を引き継いでいて、実際の面積と違うことがあると説明されています。差があること自体は、売却の可否を決めるものではなく、どう扱うかを売主・買主・不動産会社の間で決めておくことが大切です。
注意したいのは、次の二つの決めつけです。
- 「更正登記をしてからでなければ売れない」と考えて、売却の相談を先延ばしにする
- 「実測の方が広いから、その分高く売れる」と期待して、価格の前提にしてしまう
どちらも、土地の状況や契約の方法によって結果が変わります。まずは事実(どの資料で、どれだけ違うのか)を並べるところから始めます。
地積更正登記とは?変更登記・地図訂正・分筆と混ぜない
法務省は、地積更正を「土地の登記簿に載っている面積(地積)と実際に測量した土地の面積(実測面積)が異なるときに、登記簿の内容(地積)を実測面積に修正すること」と説明しています。分筆前の測量で面積の違いが分かったときや、売買・相続のときに隣の土地の所有者と筆界(公の境界)を確認したときなどに、登記されることが多いとされています。
名前が似た手続きと、目的が混ざらないように整理します。
| 手続き | 主に直すもの・目的 | 面積差の相談で押さえる点 |
|---|---|---|
| 地積更正登記 | 登記簿の面積(地積)を、実測の面積に直す | 筆界の確認が必要。測量と申請は土地家屋調査士に委任するのが一般的とされる |
| 分筆登記 | 一つの土地を複数の土地に分ける | 土地の一部だけを売る場合などに検討する。面積差の修正とは目的が違う |
| 地図の訂正 | 法務局に備え付けられた地図の内容の誤りを直す | 登記簿の面積を直す手続きとは別。必要かどうかは調査士か法務局に確認する |
| 変更登記 | 土地の現況が変わったこと(地目の変更など)を反映する | 面積差が「もともとの記録の違い」なのか「現況が変わった」のかで区別する |
面積差が見つかったとき、「更正」「訂正」「分筆」のどれが必要かを自分で決める必要はありません。面積の資料と、困っている場面(売却・相続・一部売却など)を、そのまま調査士に伝えることが近道です。
なぜ登記の面積と実測の面積が違うのか
不動産情報サイトの解説では、主に次のような理由が挙げられています。個別の土地にどれが当てはまるかは、調査をしなければ分かりません。
- 登記簿の面積の元が、明治時代の地租改正のころの測量であるケースがある(当時の測量で面積が実際と異なって記録されたと説明されることがある)
- その後の測量でも、現在ほど精度の高い機器や基準がなかった時期がある
- 過去に実測をしないまま、図面上で面積を計算して登記された土地もある
つまり、登記簿の面積は「公的な記録」ではあっても、最新の測量結果と一致するとは限らない面積です。差の大きさや原因は土地ごとに違うため、「どのくらいの差なら問題ない」と数字で決めることはしません。
売却前に更正登記が必要かは、「誰が何を求めているか」で変わる
更正登記を先にするかどうかは、次のような点で変わります。
- 契約が公簿売買か、実測売買か:公簿売買は登記簿の面積を基準に代金を決め、後から実測の面積が違っても精算しない契約として説明されます。実測売買は、測量した面積をもとに代金を決める契約です。
- 境界の確認状況:隣地との境界が確定していない(未確認の)ままだと、買主が不安に感じることがあります。更正登記の前提になる筆界の確認と、売買のための境界確認は重なる部分があります。
- 買主や金融機関の求め:買主が住宅ローンを使う場合など、どのような資料を求められるかは、取引ごとに異なります。
- 売主の事情と時期:測量や登記には時間がかかるため、売却の希望時期とのバランスを考えます。
土地の上に建物がある場合は、土地の面積(地積)と、建物の面積(床面積)を分けて見ます。建物の登記にある床面積は、土地の地積とは別の記録です。建物付きで売る場合も、地積の確認は土地について行い、建物の登記内容は別に確認します。
「必ず更正してからでなければ売れない」とも、「更正は不要」とも言い切れません。この判断は、仲介する不動産会社と調査士の意見を合わせて決めます。
売主が面積差に気づいたときの確認順

- 比べている面積が、同じ土地のものかを確認する:登記事項証明書の地番と、手元の図面や課税資料の地番が一致しているかを見ます。複数の土地(筆)にまたがっている場合は、1筆ごとに分けて比べます。登記事項証明書の読み方は登記簿(登記事項証明書)の見方も参考にしてください。
- それぞれの資料の「作成された時期」を確認する:地積測量図や契約書の面積は、いつの測量・どの基準で出たものかで意味が変わります。古い資料ほど、現況と合わないことがあります。
- 手元に測量図などがあるかを確認する:測量図の種類の見分け方は、地積測量図と確定測量図の違いで整理しています。ここでは、あるかどうかと作成日を控えるだけで十分です。
- 現地で、境界標(杭やプレート)があるかを写真に残す:見つからなくても、そのまま状況を伝えます。杭を動かしたり、新しく打ったりしないでください。
- 調査士に、更正登記を含めて必要かどうかを相談する:次の章のメモを渡します。ここで初めて、測量の要否、更正登記の要否、費用と期間の目安を確認します。
- 契約面積の扱いを、不動産会社に相談する:公簿売買にするか、実測売買にするかなど、契約の面積の扱いは、調査士の意見を聞いたうえで不動産会社と決めます。
調査士に渡す「相談メモ」のそろえ方
相談の最初に資料がそろっていると、確認が早く進みます。すべてそろっていなくても相談できますので、あるものだけで構いません。
- 登記事項証明書(土地の地番、地目、地積が分かるもの)
- 手元にある図面(公図、地積測量図、過去の測量図など)と、その作成日
- 購入時の売買契約書や重要事項説明書にある面積の記載
- 固定資産税の納税通知書や課税明細にある面積の記載
- 境界標の有無が分かる現地の写真(撮影日を控えておく)
- 隣の土地の所有者や、過去の境界確認書・境界の覚書の有無
- 売却を考えている時期と、売り方の希望(全部を売る、一部だけ売る、など)
面積の数字は「どの資料のどの数字か」を、そのまま書き写してください。数字を足したり丸めたりせず、出どころを添えるのが相談メモの基本です。
つくば市の地籍調査:成果の有無と、更正登記は別に確認する
つくば市は、一筆ごとの土地の所有者、地番、地目を調査し、境界の位置と面積を測量する地籍調査を行っています。窓口は、建設部 道路計画課(電話 029-883-1111、市代表)です。
ここで押さえたいのは、次の二点です。
- 市の地籍調査と、個人が行う更正登記の申請は別の手続きです。地籍調査が行われているからといって、売主が自分で更正登記をしなくてよい、という意味ではありません。
- 参照した市のページでは、対象地区や完了範囲までは確認できません。ご自身の土地が対象か、実施状況や成果の有無は、個別に道路計画課へ確認してください。
面積差に気づいたとき、市に次の点を確認すると整理が進みます。
- 売りたい土地の地区は、地籍調査の対象(実施済み・実施中・未実施)か
- 調査済みの場合、成果がどの資料に反映されているか
- 調査の対象外でも、調査士に相談する際に参考になる資料があるか
調査の対象地区かどうかで、調査士に相談する内容が変わることがあります。市の回答は、そのまま調査士に伝えてください。
誰に何を相談するか:窓口ごとの役割

| 相談先 | 主な役割 | 聞くこと |
|---|---|---|
| 管轄の法務局 | 登記事項証明書や地積測量図などの資料の請求先。登記の申請先 | 手元の資料の請求方法、隣地所有者が不明な場合の確認方法 |
| 土地家屋調査士 | 測量、筆界の確認、地積更正登記など土地の表示に関する登記の申請の委任先 | 更正登記の要否、必要な境界確認、費用と期間の見積もり |
| 司法書士 | 売買による所有権の移転や相続登記など、権利に関する登記の相談先 | 名義や権利関係。面積の登記の相談先とは分けて考える |
| つくば市 道路計画課 | 市の地籍調査に関する問い合わせ先 | 対象地区か、実施状況、成果の有無 |
| 不動産会社 | 売却の進め方、買主との調整、契約面積の扱い | 公簿売買か実測売買か、売り出す時期と準備の順番 |
土地の面積や境界に関する登記(表示に関する登記)は調査士、所有権や相続などの名義に関する登記(権利に関する登記)は司法書士、という使い分けが基本です。窓口によって聞く内容が違うため、一か所で全部を済ませようとせず、役割に合わせて相談します。
隣の土地の所有者が分からないとき
更正登記では、自分の土地と隣の土地との間の筆界(公の境界)を明らかにする必要があります。そのため、隣の土地の所有者が分からない、亡くなっていて相続人が分からない、といった場合には、筆界の確認が難しくなることがあります。
法務省は、精度の高い地図や地積測量図が法務局に備え付けられている場合には、その資料で筆界を確認できることがあると案内しています。また、隣の土地が所有者不明土地である場合の運用の見直しが、令和4年10月3日から全国の法務局で始まっています。具体的に進められるかどうかは、土地家屋調査士または管轄の法務局に相談してください。
費用と期間は、個別の見積もりで確認する
更正登記を含む測量の費用や期間は、土地の形や広さ、隣接する土地の数、境界の確認状況、既存の資料の有無によって変わります。このため、この記事では金額や日数を示しません。
見積もりを取るときは、次の点を確認しておくと比較しやすくなります。
- 見積もりに含まれる範囲(測量、境界確認の立会い、登記申請など)
- 隣地所有者が不明な場合の追加の手続きが必要か
- 依頼から完了までの見込み期間と、売却のスケジュールとの関係
測量全般の費用の考え方は土地の測量(確定測量)の流れと費用の決まり方で整理しています。
ハウスドゥ つくば研究学園都市店ができること
ハウスドゥ つくば研究学園都市店では、つくば市とその周辺で土地や家を売りたい方の相談を受けています。面積差が見つかった土地では、次のような整理をお手伝いします。
- 手元の資料(登記事項証明書、図面、契約書など)の、面積の記載を一緒に並べる
- 売却の方法(仲介か買取か)と、契約面積の扱いの考え方を説明する
- 測量や登記が必要な場合は、調査士など専門家への相談の準備を整理する(測量や登記の申請そのものは、専門家の業務です)
「更正登記が必要か分からない」という段階でも相談できます。電話は 0120-565-072、フォームはこちらから承ります。
よくある質問
地積更正登記は、売却前に必ず必要ですか?
必ず必要とは言い切れません。更正登記をするかどうかは、面積差の程度、境界の確認状況、買主や金融機関の求め、契約で面積をどう扱うかによって変わります。まず手元の資料で面積差の原因を整理し、土地家屋調査士や不動産会社に相談してください。
登記簿より実測が広いと、高く売れますか?
必ず高く売れるとは言えません。価格は、立地、形、接道、境界の確認状況、買主の需要など多くの要素で決まります。面積が増えた場合の扱いは、契約が登記簿の面積を基準にするか、実測の面積を基準にするかでも変わるため、仲介する不動産会社に確認してください。
公簿売買と実測売買は何が違いますか?
公簿売買は登記簿の面積を基準に代金を決め、後から実測の面積が違っても代金を精算しない契約です。実測売買は、測量した面積をもとに代金を確定する契約です。どちらを採用するかは契約ごとに異なるため、重要事項説明書と売買契約書の記載を確認してください。
地積更正と分筆は何が違いますか?
地積更正は、登記簿の面積(地積)を実測の面積に直す登記です。分筆は、一つの土地を複数に分ける登記です。どちらも土地を測量し、筆界(公の境界)を明らかにする必要がある点は共通しますが、目的が異なります。一部だけ売る予定がある場合は、調査士に目的を伝えて相談してください。
隣の土地の所有者が分からなくても、地積更正はできますか?
できない、とは限りません。法務省は、所有者が分からない場合でも、精度の高い地図や地積測量図などの資料で筆界を確認できることがあると案内しています。可否はケースごとに異なるため、土地家屋調査士または管轄の法務局に相談してください。
つくば市は、地籍調査が済んでいますか?
参照した市のページでは、地籍調査を行っていることと窓口が道路計画課であることは確認できますが、対象地区や完了範囲までは確認できません。個別の土地の対象・実施状況・成果の有無は、市の道路計画課に確認してください。
地積更正の費用や期間は、どれくらいですか?
土地の形、隣接する土地の数、境界の確認状況、資料の有無によって変わるため、一律には示せません。複数の調査士に同じ資料を見せて見積もりを取り、費用に含まれる範囲と期間を確認してください。
出典・参考資料
- 法務省「隣の土地の所有者が分からなくてお困りの方へ(分筆や地積更正の登記のとき)」(令和5年6月26日付)
- つくば市公式ウェブサイト「地籍調査」(2023年3月1日更新のページ)
- GMO不動産査定「地積とは?実測面積との違いや登記簿での確認方法をわかりやすく解説」(2025年7月時点の情報とされる記事)
- イクラ不動産「(地積)更正登記についてわかりやすくまとめた」(2025年3月4日付)
本記事は一般的な情報提供を目的としています。法令・運用・窓口の案内は変更されることがあるため、手続きの前に、土地家屋調査士・管轄の法務局・つくば市の最新の案内をご確認ください。
無料相談フォーム
この記事に関するご相談はこちらから。秘密厳守で対応いたします。



