つくば駅前の近未来的な街並みから車で15分ほど北へ向かうと、江戸時代の土蔵や店蔵が軒を連ねる商店街が現れます。ここがつくば市北部、筑波山の南麓に広がる「北条」エリアです。かつて筑波山参拝の門前町・在郷商人町として栄えたこの地域は、現在もつくば市役所筑波窓口センターや義務教育学校などの生活機能が集約し、空き家バンクを通じた売買も一定数成立しています。本記事ではつくば市公式サイトやWikipedia等の一次情報をもとに、北条・筑波山麓エリアの歴史・交通・生活利便・防災・地価・不動産事情を整理します。

北条・筑波山麓エリアとは|多気氏から陣屋町へ続く成り立ち
多気城を築いた多気氏と「北条」の地名由来
北条の地は平安時代から鎌倉時代にかけて、多気氏が「城山」と通称される多気山に多気城を構え勢力を誇った土地でした。多気氏は八田知家の策略により没落し、知家の子・時家が北条七郎と称して支城を築いたことから、この地は多気村から北条村と呼ばれるようになったと伝わります。江戸時代には北条内町・北条中町・北条新町の3町に分かれ、常陸国筑波郡に属していました(出典:Wikipedia「北条(つくば市)」)。
堀田氏の陣屋と土浦藩領を経た歴史
為政者は幾度も変遷し、1625年(寛永2年)からは堀田正盛の所領となり、北条内町には陣屋が置かれ家臣が居住しました。1698年(元禄11年)以降は土浦藩領に編入され、廃藩置県まで支配が続きました。1887年(明治20年)には北条村が北条町に改称し、1918年(大正7年)には筑波鉄道が開通して常陸北条駅が開業するなど、政治・経済の中心地として発展した歴史があります(出典:Wikipedia「北条(つくば市)」)。
筑波山参拝でにぎわった「つくば道」と門前町の記憶
北条が大きく発展する契機となったのは、1626年(寛永3年)に三代将軍徳川家光が筑波山中禅寺(現・筑波山神社)の堂社再建のため資材運搬路を整備したことでした。この道は後に「つくば道」と呼ばれ、北条仲町を起点に多くの参詣者が行き交う門前町としての機能を持つようになります。農産物の集散地でもあったため酒・醤油の醸造や木綿の取引が盛んになり、旅籠や日用品店がそろう在郷商人町として発展しました(出典:北条街づくり振興会「筑波山麓北条」公式サイト)。
1811年の大火が生んだ土蔵造りの町並み
町場はたびたび大火に見舞われ、1811年(文化8年)の大火の後から防火性能に優れた土蔵造りの店蔵が建てられるようになりました。今も北条商店街に残る店蔵や土蔵の町並みは、この大火からの復興の歴史を今に伝えています(出典:北条街づくり振興会公式サイト)。
今も歩ける歴史的建造物と史跡
旧矢中家住宅|2023年国の重要文化財に指定
大正から昭和初期にかけて建てられた「旧矢中家住宅」は和風建築の粋を集めた邸宅で、2023年9月25日に国の重要文化財に指定されました(出典:文部科学省告示第108号、官報号外第200号)。現在はNPO法人「矢中の杜」の守り人が保存活用に取り組んでいます。
北条ふれあい館(旧田村呉服店)と八坂神社
大正期の建物を活用した観光案内所「北条ふれあい館」(旧田村呉服店)は町歩きの拠点となっています。近隣の八坂神社には茨城県指定有形文化財の石造五輪塔があり、多気氏ゆかりの「多気太郎の墓」も住民から今なお親しまれています(出典:Wikipedia「北条(つくば市)」)。
2007年発足「北条街づくり振興会」と地域活性化
2007年(平成19年)9月29日、地元商店主や住民、筑波大学の教員・学生らが協同して「北条街づくり振興会」を結成しました。特産の北条米を使った「北条米スクリーム」の開発や定期市「北条市(ほうじょういち)」の開催などに取り組み、県内の商店街で唯一「新・がんばる商店街77選」に選出されています(出典:Wikipedia「北条(つくば市)」、北条街づくり振興会公式サイト)。つくば市は2025年4月にも「筑波山麓FOOD&風土MAP」を発行し、筑波山麓の歴史ある風土やおすすめスポットを紹介しています(出典:つくば市公式ウェブサイト「北条」ページ)。
北条・筑波山麓エリアの交通アクセス
関東鉄道バス・つくバスの路線
北条には筑波山、つくばセンター(つくば駅)、土浦、下妻の4方面へ向かう路線バスが集まります。関東鉄道の「筑波山口土浦線」「下妻土浦線」、およびつくば市のコミュニティバス「つくバス」小田シャトルが北条停留所を含む中心部を経由するほか、つくバス北部シャトルは筑波交流センター停留所を発着します(出典:Wikipedia「北条(つくば市)」)。
国道125号と「つくば道」「りんりんロード」
道路面では国道125号のほか、茨城県道14号筑西つくば線、19号取手つくば線、138号石岡つくば線、そして筑波山への参詣道の名残である139号筑波山公園線(つくば道)が北条を通ります。サイクリングロードの「つくばりんりんロード」(県道501号桜川土浦自転車道線)も北条エリアを通過しており、旧筑波鉄道の廃線跡を活用した観光資源としても知られます。
つくばセンター・TX方面への所要時間の目安
北条からつくばセンター(つくばエクスプレスつくば駅)までは車でおおむね15〜20分程度が目安です(実際の所要時間は道路状況により変動するため、あくまで目安としてご参照ください)。TXつくば駅からは秋葉原駅まで最速45分で結ばれており、都心方面への通勤・通学の起点としても利用できます。
行政・医療・教育など生活利便施設
行政・警察・医療機関
北条エリアにはつくば市役所筑波窓口センターとつくば警察署つくば北警察センターが置かれ、行政・防犯の拠点となっています。医療面ではつくば市立病院や筑波中央病院のほか、特別養護老人ホーム筑波園、介護老人保健施設アレーテルつくばなど高齢者福祉施設も所在します(出典:Wikipedia「北条(つくば市)」)。
教育機関|秀峰筑波義務教育学校と筑波高校
教育面では、つくば市立秀峰筑波義務教育学校が小中一貫教育を担っています。かつての北条城跡は小字「古城」に比定され、現在はつくば市立北条小学校(現・秀峰筑波義務教育学校の一部)の敷地となっています。高校は茨城県立筑波高等学校があり、1950年(昭和25年)開校の茨城県立土浦第二高等学校北条分校を前身としています(出典:Wikipedia「北条(つくば市)」)。
金融機関・郵便局
金融機関は常陽銀行筑波支店、筑波銀行つくば北支店が営業し、郵便は1872年(明治5年)開設の北条郵便受付所を前身とする筑波郵便局が担っています。長い歴史を持つ郵便局の存在も、北条が古くから地域の中心地であったことを物語ります。
筑波山麓の自然環境と景観
北条は「城山」と通称される多気山の南麓に位置する沖積平野にあり、旧国道沿いには商業地・住宅地が形成される一方、周辺部には水田が広がっています(出典:Wikipedia「北条(つくば市)」)。筑波山そのものへは北条から「つくば道」を通じて向かうことができ、四季を通じて豊かな自然環境を身近に感じられる立地です。
多気城跡・日向廃寺跡など古代・中世の遺跡
城山には多気氏が築いたとされる多気城跡(多気山城・城山城とも)が残り、平安時代末期から鎌倉時代初期の遺構とみられる北条日向遺跡(日向廃寺跡)からは瓦や須恵器、花崗岩製の礎石などが発掘されています。縄文〜弥生時代の中台遺跡や円墳の八坂神社古墳・中台古墳群も見つかっており、古くから人が暮らしてきた土地であることがうかがえます(出典:Wikipedia「北条(つくば市)」)。
防災の視点で見る北条・筑波山麓エリア
2012年5月の竜巻災害の記録
2012年(平成24年)5月6日午後、北条地区の一部で藤田スケールF3と推定される竜巻が発生し、建物被害とともに死者1名を含む人的被害が出ました(出典:気象庁報道発表資料、Wikipedia「北条(つくば市)」)。山麓特有の地形による突風リスクも踏まえ、日頃からの備えが欠かせません。
ハザードマップで確認したい浸水・土砂災害リスク
つくば市は防災ハザードマップを公開しており、洪水・土砂災害・地震の想定区域を確認できます。山麓に近いエリアでは土砂災害警戒区域の指定状況も物件検討時に確認したいポイントです。つくば市全体のハザードマップの詳細は当サイトの「つくば市の防災ハザードマップ徹底解説」でも解説しています。

地価・住宅事情の目安【2026年】
民間データベースの集計によると、つくば市全体の2026年(令和8年)公示地価は平均91,325円/m²・坪単価301,900円前後で、前年比+5.6%程度の上昇傾向にあるとされます(出典:tochidai.info「つくば市の土地価格相場」)。つくば市全体の人口・地価推移は「つくば市の人口・地価推移|県内1位の理由」でも詳しく解説しています。北条は研究学園エリアなど市中心部と比べて地価水準は落ち着いており、まとまった土地面積や歴史的な街並みを求める方に選ばれやすい立地です。★北条エリア単独の公示地価ポイントは公表データが限られるため、本記事では市全体平均を目安として記載しています。
空き家バンクの成約実績が示す北条エリアの需要
つくば市公式サイトが公開する「空家バンク登録物件」ページには、地区・大字ごとの売買・賃貸成立件数がまとめられています。北条を含む筑波地区では、北条2件(売却)、小田3件、作谷2件、筑波1件(売却)・1件(賃貸)などを含め、地区全体で売却13件・賃貸2件の成約実績が確認できます(出典:つくば市公式ウェブサイト「空家バンク登録物件」ページ、売却・賃貸成立済物件一覧表より)。空き家バンクを通じた成約が積み重なっていることは、北条・筑波山麓エリアに実需があることを示す一次情報といえます。
つくば市空家バンク制度に登録された物件が売買・賃貸されると、改修工事費の50%(上限50万円)や家財処分費の50%(上限10万円)の補助を受けられる制度もあります(出典:つくば市公式ウェブサイト)。空き家の活用や売却を考える際は、こうした制度とあわせて検討するとよいでしょう。
実家や空き家を「売る・貸す・住み続ける」の選択
北条エリアで実家や空き家を相続した場合も、売却だけでなく賃貸や管理サービスの活用など複数の選択肢があります。つくば市内の実家・空き家に関する選択肢は「つくば市の実家・空き家・古民家|5つの選択肢」で詳しく整理していますので、あわせてご参照ください。歴史ある店蔵や古民家は活用ニーズがある一方、老朽化が進んだ空き家は特定空家等に指定される前の早めの判断が重要です。つくば市の子育て・教育環境について詳しく知りたい方は「つくば市で子育て|教育環境・マル福・小中一貫」も参考にしてください。
よくある質問
Q1. 北条エリアはつくば市のどのあたりにありますか?
A. つくば市北部、筑波山の南麓にあたる旧筑波町エリアの中心部です。東は小和田・小沢・山口、西は泉・君島・小泉、南は小田、北は杉木・漆所・神郡と接しています(出典:Wikipedia「北条(つくば市)」)。
Q2. 北条から筑波山や、つくばセンター方面へのアクセスは?
A. 筑波山へは「つくば道」を通じて向かうことができ、つくばセンター(TXつくば駅)へは車でおおむね15〜20分程度が目安です。関東鉄道バスやつくバスの各路線も北条停留所・筑波交流センター停留所を経由します。
Q3. 北条商店街の店蔵は今も見学できますか?
A. 江戸時代の土蔵造りの店蔵が残る町並みは今も見学が可能です。旧田村呉服店を活用した観光案内所「北条ふれあい館」が町歩きの拠点となっており、2023年に国の重要文化財に指定された旧矢中家住宅も近隣にあります。
Q4. 北条エリアで空き家バンクの成約実績はありますか?
A. あります。つくば市公式サイトの公表データでは、北条を含む筑波地区全体で売却13件・賃貸2件の成約実績が確認でき、北条単独でも売却2件の実績があります(つくば市公式ウェブサイトより)。
Q5. 北条・筑波山麓エリアの土地価格の目安は?
A. つくば市全体の2026年公示地価平均は91,325円/m²・坪301,900円前後とされます。北条エリア単独の公示データは公表が限られるため、あくまで市全体の目安としてご参照ください。
Q6. 北条エリアの不動産売却について相談したい場合は?
A. ハウスドゥ つくば研究学園都市店では、北条・筑波山麓エリアを含むつくば市全域の不動産売却・買取のご相談を承っています。歴史的な建物や広い土地など個別性の高い物件も一度ご相談ください。
まとめ|門前町の歴史と自然が息づく北条・筑波山麓エリア
北条・筑波山麓エリアは、多気氏の時代から続く歴史と、筑波山参拝でにぎわった門前町としての記憶を今に伝える、つくば市の中でも個性的な地域です。土蔵造りの町並みや国重要文化財の旧矢中家住宅といった歴史資産に加え、行政・医療・教育の生活機能も一定程度そろい、空き家バンクを通じた売買の実績も積み重なっています。つくば駅周辺とはひと味違う暮らしを検討している方にとって、有力な選択肢となるエリアといえるでしょう。つくば市全域の不動産売却・買取については「ハウスドゥ つくば研究学園都市店」のトップページもあわせてご覧ください。
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この記事はつくば市公式ウェブサイト、Wikipedia「北条(つくば市)」、北条街づくり振興会公式サイト、tochidai.info、気象庁報道発表資料等の一次情報をもとに作成しています。


