専任媒介契約を結んで3か月近く経ち、「このまま更新するか、やめるか」で迷っていませんか。結論から言うと、専任媒介は自動では更新されず、更新するかどうかは売主が決められます。やめたいときは、満了前に「更新しません」という意思を、できれば文字に残る形で不動産会社へ伝えるのが基本です。
この記事では、つくば市で売却を進めている方に向けて、更新しないと決める前の確認点、満了時の伝え方(文例つき)、途中で解除したい場合の考え方、更新後の選択肢を整理します。契約の細かな条件は一つひとつ違うため、最後は必ずお手元の媒介契約書で確かめてください。
まず確認したい3点|契約書の「期間」「更新」「解除」
伝え方を考える前に、媒介契約書で次の3つの欄を見ておきましょう。
- 有効期間:契約日から何か月か(専任媒介は3か月以内)。満了日を日付で確認します。
- 更新の扱い:更新の申出の方法と期限が書かれているか。
- 解除・違約金・費用:売主の都合で解除したときの扱い。
国土交通省の標準媒介契約約款(令和4年5月26日国土交通省告示第583号による最終改正版)の専任媒介契約約款では、有効期間は第7条、更新は第15条、他社で成約した場合の違約金は第12条、費用の償還は第14条に定められています。ただし、実際の契約書の条番号や細部は会社ごとに異なることがあるため、「自分の契約書の該当箇所」を読むことが大切です。
専任媒介は自動更新されない|期間と更新のルール
宅地建物取引業法第34条の2により、専任媒介契約の有効期間は3か月を超えられません。これより長い期間を決めても3か月になります。また、更新できるのは依頼者の申出があった場合に限られ、更新後の期間も3か月以内です。「期間が終わったら自動で更新する」という特約を付けても無効と整理されています(出典:公益社団法人 全日本不動産協会「月刊不動産」法律相談 Vol.89、https://magazine.zennichi.or.jp/law/12778)。
標準専任媒介契約約款でも、更新しようとするときは、期間の満了にあたって依頼者から不動産会社へ文書等で申し出る形になっています。つまり、何もしなければ期間が終わるのを待つだけで、契約は終了するのが原則です。

更新しないと決める前に確かめたい5つのこと
「反応が少ないから他社へ」と決める前に、これまでの売却活動が契約どおり行われていたかを確認すると、判断の材料が増えます。
| 確認すること | 見る場所・聞き方 | 気になるときの見方 |
|---|---|---|
| 販売状況の報告 | 専任媒介は2週間に1回以上の報告が必要(契約書に頻度を記載) | 報告が途切れていないか、内見数・問い合わせ数が書かれているか |
| レインズへの登録 | 登録証明書の有無。登録は契約日の翌日から7日以内(不動産会社の休業日を除く) | 登録証明書を受け取っているか |
| 広告の出し方 | ポータルサイトへの掲載状況、写真の質、説明文 | 他の物件と比べて見劣りしないか |
| 反響と内見の内容 | 反響数・内見数・断られた理由 | 価格、状態、条件のどこが理由か |
| 価格設定 | 査定の根拠、近い条件の成約・売出事例 | 価格の見直し提案があったか |
反響が少ない原因が「価格」や「物件の見せ方」にある場合は、不動産会社を変えるより、価格や広告を見直す方が早く動くこともあります。一方、報告が滞っている、説明があいまいなどの状況が続くなら、更新しない判断も十分あり得ます。
満了時に「更新しない」と伝える方法とタイミング
伝える時期の目安
期間の満了日から逆算して、満了の1か月前ごろに今後の方針を決め、満了日までに連絡するのが現実的です。更新は売主の申出がなければ行われないため、更新しない場合に「いつまでに伝えなければならない」という法律上の期限は通常ありませんが、次の依頼先を探す準備や担当者の段取りを考えると、早めの連絡が親切です。
伝え方の手順
- 電話または面談で「期間満了をもって更新しない予定です」と最初に伝える。
- 同じ内容をメールや書面でも送り、日付を残す。
- 通常の満了・非更新で追加の精算があるかは、契約書の費用の条項で確認する(標準約款では、売主が特別に依頼した広告や遠隔地への出張旅費が実費負担とされています。通常の販売活動の費用が当然に請求されるという書き方ではありません)。
- 満了日以降に、レインズ登録の取り下げや資料の扱いについて確認する。
連絡文の例(メール・書面)
以下は一例です。ご自身の契約内容に合わせて調整してください。
○○不動産株式会社 ご担当 ○○様
媒介契約(物件:つくば市○○)について、○年○月○日の期間満了をもって更新しない予定です。これまでの販売活動に感謝いたします。満了日までの販売状況のご報告をお願いします。契約書に基づく精算がある場合は、その内容もお知らせください。 令和○年○月○日 売主 ○○
理由まで細かく書く必要はありません。「売却方針を見直す」といった簡潔な表現で十分です。
更新しない場合の選択肢|一般媒介・他社・買取・見合わせ
期間が終わったあとは、次の4つが主な選択肢です。
| 選択肢 | 向いているケース | 注意点 |
|---|---|---|
| 一般媒介に切り替える | 複数社に依頼して間口を広げたい | 各社の報告頻度・登録義務が専任と異なる。連絡や管理の手間が増える |
| 他社と媒介契約を結び直す | 担当者・提案内容を変えたい | 満了後に契約する。重ねて依頼する時期を間違えない |
| 不動産会社の買取を検討する | 早く確実に現金化したい、買い手探しの手間を省きたい | 仲介より価格が低くなる場合がある。条件と手取り額を比べる |
| 売却を見合わせる | 価格が希望に届かない、時期を変えたい | 管理費・固定資産税などの負担が続く |
媒介契約の種類の違いは、媒介契約の違い(専属専任・専任・一般)の記事で詳しく整理しています。仲介と買取の考え方は、不動産買取の5つのメリットと向いている人も参考になります。
途中で解除したいときの考え方
満了を待てない事情がある場合は、契約書の解除の条項を確認してください。標準専任媒介契約約款では、次のように整理されています。
- 不動産会社に義務違反などがある場合:誠実に業務を行う義務への違反、重要事項について故意または重大な過失で事実を告げず・不実を告げたとき、宅地建物取引業に関して不正または著しく不当な行為をしたとき(第17条)は、売主から契約を解除できます。
- 売主の都合で他社に依頼して成約させた場合:期間内に他の不動産会社に依頼して成約させたときは、約定報酬額に相当する違約金(消費税額等を除く)を請求できる旨の条項があります(第12条)。
- 費用の償還:有効期間内に売主が自分で見つけた相手と契約したとき、または不動産会社の責めに帰すことができない事由で契約が解除されたときに、履行に要した費用の償還を請求できる条項があり、その額は約定報酬額が上限です(第14条)。
- 特別に依頼した費用:売主が特別に依頼した広告や遠隔地への出張旅費は、実費を負担する定めです(第10条)。
通常の満了で更新しない場合と、途中で解除する場合は分けて考えます。満了を待って更新しないだけなら、上の違約金や費用償還の条項が当てはまるのは、他社での成約や自己発見取引など特定の場面です。途中解除では、解除の理由(不動産会社側の義務違反か、売主の都合か)によって扱いが変わります。実際の金額や条件は契約書と事実関係で決まります。解除を考えるときは、事前に契約書の該当条文を確認し、判断に迷う場合は、都道府県の宅建協会の相談窓口や消費生活センター、弁護士などへの相談もご検討ください。
満了後も注意したい直接取引
標準専任媒介契約約款では、有効期間中または満了後2年以内に、不動産会社の紹介で知った相手と、その会社を通さずに直接売買契約を結んだ場合、契約の成立に寄与した割合に応じた相当額の報酬を請求できる旨が定められています(第11条)。満了後に元の会社の紹介相手と話を進めるときは、契約書の該当条項を確認しておくと安心です。
つい起こりがちな3つの行き違い
- 口頭だけで伝えて、記録が残っていない:後日の行き違いを防ぐため、メールや書面でも残します。
- 満了前に他社へ媒介を依頼してしまう:専任の期間中は他社へ重ねて依頼できません。相談や比較は満了前でもできますが、媒介の依頼は満了後に。
- 自分で買主を見つけた場合の連絡を忘れる:専任媒介では自己発見取引は可能ですが、期間内に契約しようとするときは、不動産会社への通知が必要とされています(標準専任媒介契約約款第13条)。
つくば市で売却を見直すときの比べ方
反響が少ない理由を判断するには、ご自身の物件と条件が近い事例を並べて見るのが実用的です。次の点を比べてみてください。
- 近い成約・売出事例:住所(町丁目)、駅までの距離、用途、物件種別(マンション・戸建て・土地)、築年や面積が近い事例の成約価格・売出価格。
- 掲載への反応:自分の物件の掲載数・閲覧数・問い合わせ数と、内見後の反応(断られた理由)。
- 差が出る点:価格、写真・説明文、引き渡し条件のうち、どこが近い事例と違うか。
この比較は、担当会社に資料を出してもらうほか、別の会社の査定やセカンドオピニオンで確かめる方法もあります。
ハウスドゥ つくば研究学園都市店にご相談いただく場合
ハウスドゥ つくば研究学園都市店は、つくば市の不動産売却・買取のご相談を受けています。他社で媒介契約中の方は、まず現在の契約書の内容(期間・更新・解除)を確認したうえで、満了後の進め方を一緒に整理できます。契約中の物件について、いつ・どのような形で相談すべきかも、お気軽にお尋ねください。無理に乗り換えをすすめることはしません。
お電話は 0120-565-072、または ページ内のフォームからどうぞ。
よくある質問
Q. 専任媒介は、何もしなければ自動で更新されますか?
いいえ。宅地建物取引業法では専任媒介の有効期間は3か月以内とされ、更新は依頼者(売主)の申出があってはじめて行えます。自動更新の特約を付けても、その部分は無効とされています。ただし、契約書の記載や不動産会社とのやり取りは個別に異なるため、手元の契約書の「有効期間」「更新」の欄を必ず確認してください。
Q. 更新しない旨は、電話だけで伝えても大丈夫ですか?
まず電話で伝えること自体は問題ありませんが、後で「言った・言わない」にならないよう、メールや書面など文字で残る形でも伝えておくのが安心です。標準媒介契約約款でも、更新の申出は文書等で行う形が想定されています。
Q. 満了前に別の不動産会社へ相談してもよいですか?
相談自体は可能ですが、専任媒介の期間中は、ほかの不動産会社に売却の媒介を重ねて依頼することができません。標準専任媒介契約約款では、期間内に他社に依頼して成約させた場合の違約金も定められています。相談するときは「期間満了後の依頼先を検討している」と伝え、媒介の依頼は満了後にしてください。
Q. 途中で解除すると、必ず違約金がかかりますか?
必ずではありません。標準専任媒介契約約款では、不動産会社側に誠実義務の違反や不正・著しく不当な行為などがあれば、売主から解除できる旨が定められています。一方、期間内に他社に依頼して成約させた場合は約定報酬額に相当する違約金(第12条)、自己発見取引や不動産会社の責めに帰せない解除では費用の償還(第14条、上限は約定報酬額)の条項があります。金額や条件は契約書で決まるため、解除を決める前に条文を確認し、不安があれば宅建協会や消費生活センターなどの相談窓口も活用してください。
Q. 専任媒介をやめて、一般媒介や買取に切り替えられますか?
期間満了後であれば、更新せずに一般媒介へ切り替えたり、別の会社と契約し直したり、不動産会社による買取を検討したりできます。どの方法が合うかは、売却を急ぐ度合い、価格の希望、物件の状態によって変わります。
Q. 更新しないと言うと、担当者との関係が気まずくなりませんか?
売却活動の報告内容や今後の方針を、事務的に伝えれば問題ありません。通常の満了で更新しない場合に追加の精算があるかは、契約書の費用の条項によります(標準約款では、売主が特別に依頼した広告や遠隔地への出張旅費が実費負担とされています)。気になる場合は、満了の1か月ほど前に面談の機会をつくり、今後の進め方を確認しておくと行き違いを防げます。
参考にした資料
- 国土交通省「宅地建物取引業法施行規則の規定による標準媒介契約約款」(最終改正:令和4年5月26日国土交通省告示第583号):https://www.mlit.go.jp/common/001213683.pdf
- 国土交通省「標準媒介契約約款の改正(新旧対照)」:https://www.mlit.go.jp/common/001229746.pdf
- 公益社団法人 全日本不動産協会「月刊不動産」法律相談 Vol.89「専任媒介契約における自動更新条項」(2023年9月14日掲載):https://magazine.zennichi.or.jp/law/12778
※この記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の契約について法的な判断をするものではありません。契約内容の解釈や紛争が生じた場合は、専門家へご相談ください。(2026年10月31日時点の情報)
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