「うちは古河のどのあたりだから、ハザードマップではどう見ればいいんだろう」。古河市は利根川・渡良瀬川という二つの一級河川に加え、思川・鬼怒川、さらに向堀川・宮戸川・女沼川・西仁連川・東仁連川・飯沼川という6つの中小河川にも囲まれたまちです。市が公開しているハザードマップは河川ごとに分かれており、令和8年4月にも改定が行われたばかりです。この記事では、古河市のハザードマップで確認できることを種類ごとに整理し、地震・土砂災害への備え、そして不動産を検討する際の見方までまとめました。
古河市はなぜハザードマップの「河川数」が多いのか
古河市は茨城県の最西端に位置し、栃木県・埼玉県と接する三県境のまちです。旧古河市・旧総和町・旧三和町が合併して現在の古河市になった経緯があり、市域は利根川・渡良瀬川という大河川の合流域に近く、市内を流れる中小河川も多いという地理的な特徴を持っています。この「河川の多さ」がそのまま、ハザードマップの構成の複雑さにつながっています。
対象となる河川は大河川2本・準大河川2本・中小河川6本
古河市公式ホームページ「古河市洪水ハザードマップ・ガイドブック」によると、令和8年4月改定版では、利根川・渡良瀬川(浸水想定区域)、利根川・渡良瀬川(浸水継続時間)、思川・鬼怒川(浸水想定区域・浸水継続時間)、そして市内中小河川6本(向堀川・宮戸川・女沼川・西仁連川・東仁連川・飯沼川)の浸水想定区域が、それぞれ別々のPDFデータとして公開されています。1枚の地図で完結しないため、自分の家がどの河川の想定区域に該当するかを、複数のマップを見比べて確認する必要があります。

洪水ハザードマップ・ガイドブックで確認できること
令和8年4月改定=避難行動フロー図とスマホ情報取得の紹介を追加
古河市公式ホームページによると、令和8年4月の改定では「質問に答えていくことでとるべき行動の参考となるフロー図」が新たに追加され、「どこへ・どのように避難するか」を具体的にイメージしやすくなりました。また、災害時にスマートフォンで情報を入手できるサイト等を一覧でまとめた案内も追加されています。古河市では水防法第15条第3項に基づき、平成28年にハザードマップを作成し、令和2年4月に想定最大規模の降雨量へ改正、令和5年5月に改訂、そして令和8年4月にも改定を重ねてきました。
浸水継続時間も公開=「深さ」だけでなく「引くまでの時間」も要確認
古河市のハザードマップでは、浸水の深さを示す「浸水想定区域」に加えて、想定最大規模の雨が降った場合に50cm以上の浸水が継続するおそれのある区域と時間を示す「浸水継続時間」も、利根川・渡良瀬川・思川・鬼怒川について公開されています。浸水の深さが同程度でも、水が引くまでの時間が長いエリアでは孤立生活が長引くリスクがあるため、深さと継続時間の両方を確認しておくことをおすすめします。
「古河生活べんりMAP」でも公開=ただし中小河川は非対応
ハザードマップはPDFデータのほか、「古河生活べんりMAP」というWebマップでも公開されており、住所・地番検索や現在地表示などの機能を使って確認できます。ただし、市内中小河川(向堀川・宮戸川・女沼川・西仁連川・東仁連川・飯沼川)のハザードマップはこのWebマップには表示されないため、紙またはPDFファイルで確認する必要がある点には注意が必要です。
地震防災マップ|揺れやすさマップ・地域の危険度マップ
平成29年11月改訂が最新版という点は正直にお伝えします
古河市公式ホームページ「地震防災マップ(揺れやすさマップ・地域の危険度マップ)」は、平成29年11月改訂版が現時点(更新日2020年11月30日表示)での最新情報です。洪水ハザードマップが令和8年4月に改定されているのに対し、地震防災マップはやや古い時点のデータである旨を正直にお伝えしておきます。最新の指定状況は古河市建築指導課(電話0280-76-1511)に確認することをおすすめします。
「揺れやすさマップ」と「地域の危険度マップ」の違い
「揺れやすさマップ」は、地形や地盤の状況をモデル化し、想定される震源との位置関係とあわせて地点ごとの震度を約50メートル四方のメッシュ単位で計算した結果を表示したものです。一方「地域の危険度マップ」は、揺れやすさマップに示された揺れの強さになった場合に、建物に被害が生じる程度を「危険度」として、区域内の建物分布を参考に相対的に示したものです。危険度の数値が大きいほど被害は大きくなるとされています。
土砂災害警戒区域|古河市では錦町の1箇所のみ
古河市は利根川・渡良瀬川沿いの低地・台地が中心の平坦なまちであり、土砂災害警戒区域は茨城県指定の一覧によると錦町の1箇所のみとされています。県南・県西の他市町村と比べても土砂災害リスクが極めて限定的な地域である一方、これは裏を返せば「水害リスクへの備えがより重要」ということでもあります。古河市の防災上の最大の論点は、土砂災害ではなく河川の氾濫・内水氾濫であると理解しておくとよいでしょう。
令和4年・令和3年の一部修正も知っておきたい
利根川の基準水位が変更されている
古河市公式ホームページ「旧古河市洪水ハザードマップ・ガイドブック(R2.4月発行)の変更点について」によると、令和4年に利根川(栗橋水位観測所)の氾濫危険水位が8.80mから9.20mへ、避難判断水位が6.90mから7.60mへ変更されています。令和2年4月発行の旧ガイドブックをお持ちの方は、この基準水位の読み替えが必要です。
令和3年には避難施設・避難情報の表記も変更
令和3年には「さいごの逃げ込み施設」から総和工業高校が除外されたほか、災害対策基本法改正にともない避難情報の表記も変更されています。ハザードマップは一度確認したら終わりではなく、定期的に最新版を確認し直すことが大切です。
視覚障がい者・外国人向けの情報提供も充実
茨城県が導入した「耳で聴くハザードマップ」サービスでは、Univoiceアプリを使ってスマートフォンやタブレットから現在地の災害リスクを音声や多言語で確認できます。また古河市では外国人向けの「古河市洪水ガイドブック」も多言語で用意されており、市内在住の外国人住民にも配慮した情報提供体制が整っています。
マイ・タイムラインを作ってみる
古河市のガイドブックには、水害の起きるしくみを理解し、マップで自分自身の水害リスクを知ったうえで、いざという時の行動計画となる「マイ・タイムライン」を作成するページが含まれています。マイ・タイムライン作成シートは家族それぞれの分を個別に作成することもできるため、同居家族の年齢構成や体調に応じた避難計画を立てておくと安心です。
エリア別に見る古河市の水害リスクの考え方
古河・総和・三和の3地区で地形の性格が異なる
2005年の合併前は古河市・総和町・三和町という3つの自治体でした。古河地区は渡良瀬川に近い城下町型の市街地、総和地区はニュータウン型の住宅地、三和地区は利根川に近い農村部という性格の違いがあります。同じ古河市内でも、どの河川の想定区域に近いかによって備えるべき内容が変わってくるため、地区名だけで判断せず、実際の番地でハザードマップを確認することが欠かせません。
中小河川6本の存在を見落とさない
利根川・渡良瀬川という大河川ばかりに注目が集まりがちですが、向堀川・宮戸川・女沼川・西仁連川・東仁連川・飯沼川という市内中小河川についても、想定最大規模の雨が降った場合の浸水想定区域が公開されています。大河川から離れているからといって水害リスクがゼロというわけではない点に注意が必要です。
住まい選び・売却相談でハザードマップをどう使うか
重要事項説明で水害ハザードマップの説明が義務化されている
2020年(令和2年)8月28日の宅地建物取引業法施行規則改正により、水害ハザードマップにおける対象物件の所在地の説明が、不動産取引の重要事項説明の義務項目に追加されました。古河市内で物件を売買する際も、ハザードマップを示しながら物件の位置を説明することが宅建業者に求められています。
査定額の根拠にもハザード情報が関わる
宅地建物取引業法第34条の2第2項では、査定額を示す際の根拠を明示することが宅建業者に義務付けられています。浸水想定区域や土砂災害警戒区域に該当するかどうかは、査定額の考え方にも影響する要素のひとつです。古河市で不動産の売却や住み替えを検討する際は、ハザードマップの情報とあわせて、根拠のある査定を受けることをおすすめします。
よくある質問(FAQ)
古河市のハザードマップはどこで入手できますか?
古河市公式ホームページ「古河市洪水ハザードマップ・ガイドブック」ページでPDFデータを閲覧できるほか、「古河生活べんりMAP」というWebマップでも公開されています。紙のガイドブックは古河・総和・三和の各庁舎の市民総合窓口で配布されています。
古河市で対象になっている河川はいくつありますか?
利根川・渡良瀬川という大河川2本、思川・鬼怒川の2本、そして向堀川・宮戸川・女沼川・西仁連川・東仁連川・飯沼川という市内中小河川6本の、合計10本の河川についてハザードマップが公開されています。
「浸水想定区域」と「浸水継続時間」はどう違いますか?
浸水想定区域は洪水が発生した場合に浸水が想定される範囲と深さを示すものです。浸水継続時間は、想定最大規模の雨が降った場合に50cm以上の浸水が継続するおそれのある区域と時間を示すもので、水が引くまでの目安を確認できます。
古河市に土砂災害の心配はありますか?
茨城県指定の土砂災害警戒区域一覧によると、古河市内では錦町の1箇所のみが指定されています。県南・県西の他市町村と比べても限定的ですが、古河市の防災上の主な論点は土砂災害よりも河川の氾濫・内水氾濫です。
地震防災マップはいつの情報ですか?
古河市公式ホームページに掲載されている地震防災マップ(揺れやすさマップ・地域の危険度マップ)は平成29年11月改訂版が最新で、更新日は2020年11月30日と表示されています。最新の指定状況は古河市建築指導課(電話0280-76-1511)への確認をおすすめします。
不動産取引でハザードマップの説明は義務ですか?
はい。2020年(令和2年)8月28日の宅地建物取引業法施行規則改正により、水害ハザードマップにおける対象物件の所在地の説明が重要事項説明の義務項目に追加されています。古河市内の物件でも同様に説明が必要です。
まとめ|古河市のハザードマップは「河川ごとに複数枚」を見比べる
古河市は利根川・渡良瀬川・思川・鬼怒川に加え市内中小河川6本と、対象河川が多いぶんハザードマップも複数枚に分かれています。令和8年4月改定版では避難行動フロー図やスマホでの情報取得方法も追加され、より使いやすくなりました。一方で地震防災マップはやや古い時点の情報である点も正直にお伝えしておきます。土砂災害警戒区域は市内で錦町の1箇所のみと限定的ですが、河川の氾濫・内水氾濫への備えは古河市の暮らしにおいて重要なテーマです。住まい選びや売却を検討する際も、こうした災害リスク情報を確認したうえで進めることをおすすめします。
古河市での不動産売却・買取のご相談は、査定額の根拠を明確にしたうえでご提案しています。お気軽にお問い合わせください。
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