結論から言うと、公拡法(公有地の拡大の推進に関する法律)の届出は「土地の所有者が、譲渡契約を結ぶ前に」市へ出すものです。つくば市の公式ページでは、都市計画施設等の区域にかかる200㎡以上の土地や、市街化区域の5,000㎡以上の土地などが対象として案内されています。ふつうの住宅用地の売却では対象外のことも多い一方、対象かどうかを知らずに買主と契約日を決めてしまうと、日程の組み直しが必要になることがあります。この記事では、つくば市で土地を売る前に確認したい「対象かどうか」「提出資料」「契約までの順番」を、市の公式情報にそって整理します。

なお、個々の土地が対象になるかどうかは、地番・区域・面積・取引の形によって変わります。最終的な判断は、つくば市 都市計画部 都市計画課(029-883-1111・代表)への確認が前提です。

つくば市の公拡法の届出は「売主が契約前に」出す

公拡法は、都市の秩序ある整備のために、地方公共団体が必要な土地を先に取得できるようにする制度の一つとして、昭和47年に制定された法律です。つくば市のページでは、公拡法第4条第1項に掲げる土地を所有する人が、その土地を有償で譲渡しようとするときは、譲渡契約を締結する前に、土地の所在・面積、譲渡予定価格、譲り渡そうとする相手方などをつくば市長に届け出る、と説明されています。

ポイントは次の3つです。

  • 届け出るのは売主(所有者)で、時期は契約を結ぶ前です。
  • 届出には譲渡予定価格と譲り渡す相手方を書く項目があるため、買主候補と条件がある程度固まった段階で準備に入ることになります。
  • 届出があると、一定の期間は土地を譲渡できない期間(譲渡制限)があります。適用除外など細かい扱いは市に確認します。

「買主が契約後に出す届出」である国土利用計画法(国土法)とは別の制度です。違いは後半の表で整理します。

公拡法の届出が必要な土地:200㎡と5,000㎡の目安

つくば市のページによると、届出が必要になるのは都市計画区域内に所在する土地で、次のものです。

区域 届出が必要な面積の目安
都市計画施設等の区域 200㎡以上
市街化区域 5,000㎡以上

面積は、原則として締結予定の契約1件あたりの面積で数え、土地が一団性(ひとまとまりの土地として扱えること)を持つことが要件とされています。

「都市計画施設等の区域」とは

市のページでは、都市計画決定された都市施設(道路・都市高速鉄道などの交通施設、公園・緑地などの公共空地、下水道・ごみ焼却場などの処理施設ほか)の区域や、道路法による道路区域、都市公園法による都市公園を設置する区域、河川法による河川予定地などが例として挙げられています。身近な例は「都市計画道路の予定地にかかっている土地」で、見た目は普通の宅地でも、都市計画図の上では区域に入っていることがあります。

土地の一部だけが重なっている場合は市に確認

敷地の一部だけが都市計画施設等の区域に重なって見えるときも、重なった部分の面積だけで自己判断しないようにしましょう。地番、公図や測量図などの図面、契約の対象になる土地全体の面積を市(都市計画課)へ伝えて、届出が必要かを確認するのが確実です。

面積は「登記簿の地積」と「測量」で食い違うことがある

届出の面積は、土地登記事項証明書の地積と、届出の地積が異なる場合に現況測量図を添える扱いです(後述の提出書類)。測量の段階的な考え方は土地の測量(確定測量)の流れと費用の決まり方で整理しています。

自分の土地が対象か調べる方法(つくミル・都市計画課)

つくば市では、地図データサイト「つくミル」で、都市計画情報の確認や地図の印刷ができます(市の案内ページ・2026年4月1日更新)。都市計画施設等の区域に入っているかを確かめる入口になります。

  1. 土地の地番と面積を手元に用意する:登記事項証明書や固定資産税の通知で確認できます。所有者・地番の調べ方は土地の所有者を調べる方法も参考になります。
  2. つくミルで区域を見る:区域区分(市街化区域・市街化調整区域)と、都市計画道路・公園などの都市計画施設の重なりを地図で確認します。区域区分は用途地域とは別の分類なので、混同しないようにしましょう。
  3. 気になる点は都市計画課へ電話・相談:地図上の見え方と、法律上の「対象」は同じとは限りません。売却の予定時期を伝えて、届出が必要かを確認します。

不動産会社に売却を相談する場合は、依頼の早い段階で「都市計画の区域にかかっていないか」を一緒に確認しておくと、契約日の逆算がしやすくなります。

つくば市の都市計画課へ事前相談するときの伝え方(例)

届出が必要かどうか迷う土地は、書類をそろえる前に、都市計画課(029-883-1111・代表)へ相談するのが近道です。電話や窓口で次の内容を伝えると、話が早く進みます(以下は伝え方の例で、市が定めた様式ではありません)。

  • 土地の特定:地番(または住所)と、登記事項証明書に書かれた地積。
  • つくミルで見た結果:「都市計画道路・公園などの区域に重なって見える」「重なりは見当たらない」など、地図上で確認した内容。
  • 売却の状況:売却を検討中か、買主が決まりそうか、契約の希望時期。
  • 面積の事情:複数筆をまとめて売るか、一部だけ売るか、登記の地積と現況の測量結果が違うか。
  • 聞きたいこと:「公拡法の届出が必要か」「国土法の届出が関わるか」「必要な場合の提出書類と、契約日までの見込み」。

「地積と現況が違うかもしれない」という場合は、届出の書類が公図の写しではなく現況測量図になる点(登記の地積と届出の地積が異なるとき)に関わります。早めに伝えておくと、測量の段取りも含めて相談できます。

国土法との違い:売主は契約前、買主は契約後

混同しやすいのが国土利用計画法の届出です。つくば市のページでは、国土法の届出は権利取得者(買主)が契約締結日から2週間以内に行うものと説明されています。公拡法が「売主が契約前」であるのと対照的です。

公拡法と国土法の届出者・時期・面積の違いを比べた表|つくば市で土地を売る前の確認

項目 公拡法 国土法
届出する人 土地の所有者(売主) 土地の取得者(買主)
時期 譲渡契約を結ぶ前 契約締結日から2週間以内(契約日を含む)
面積の目安 都市計画施設等の区域200㎡以上/市街化区域5,000㎡以上 市街化区域2,000㎡以上/市街化調整区域5,000㎡以上

つくば市の公式ページ(公拡法のページと国土利用計画法のページ)を並べると、国土法は取得者が契約後に、公拡法は所有者が契約前に届出をする、という違いが読み取れます。大きな土地や、複数筆をまとめて売る場合は、どちらの手続きが関わるかを、売主・買主・不動産会社の三者で先に確認しておくと安心です。

契約までの順番:届出から3週間の見方

つくば市のページに沿って、届出が必要な土地の契約までの流れを整理すると次のとおりです。

公拡法の届出が関わる土地売却の順番(確認・届出・市からの通知・契約)|つくば市

  1. 土地の確認:つくミルなどで区域と面積を確認する。
  2. 買主・条件の整理:届出には譲渡予定価格・譲り渡す相手方を書くため、条件を整える。
  3. 契約前に届出:必要書類をそろえ、つくば市に提出する。
  4. 市からの通知:書類を受け付けてから3週間以内に、市から買取希望の有無が通知される。
  5. 通知内容に応じて契約へ:次の「譲渡制限の3つの分岐」に従う。

譲渡制限の3つの分岐

届出(または申出)があった土地は、次の日・時までの間、土地を譲渡することができません。つくば市のページでは次の3つが示されています。

  1. 市などから買取りの協議を行う旨の通知があったとき:通知があった日から数えて3週間を経過する日まで(その期間内に協議が成立しないことが明らかになったときは、その時まで)。
  2. 市などから買取りを希望する者がない旨の通知があったとき:その通知があった時まで。
  3. 届出等の日から3週間以内に何の通知もないとき:届出等をした日から3週間を経過する日まで。

つまり、「届出から3週間で必ず売れる」という意味ではありません。3週間は市が検討・通知を行う期間であり、売却の完了や引渡しの期限を保証するものではありません。通知の内容によっては、その後に買取協議が行われます。契約日・引渡日・住み替え先の決済日などが決まっている場合は、余裕を持った日程にして、あらかじめ市へ相談しておくことをおすすめします。

届出に必要な提出書類(つくば市)

つくば市の「公有地の拡大の推進に関する法律の届出・申出」のページ(2023年4月1日更新)では、次の書類が案内されています。

  • 土地有償譲渡届出書(市のサイトにPDF・Word様式あり)
  • 位置図:土地の位置を明らかにした図面(縮尺500分の1〜2,500分の1程度)。都市計画マップから該当する区域を印刷したものでも可。
  • 公図の写し、または現況測量図:土地の形状を明らかにした図面。登記事項証明書の地積と届出の地積が異なる場合は現況測量図。
  • 土地登記事項証明書:写し、またはオンラインの登記情報提供サービスで取得したものでも可。登記上の所有者の住所と届出をする人の住所が異なる場合は住民票を添付。
  • 委任状:届出者以外の人(代理人)が行う場合。押印は不要ですが、押印がない場合は、委任者・代理人の情報の記入が必要です。法人の場合は法人名・代表者氏名・担当者氏名、あわせて連絡先を記入します(個人の場合の記入内容は市の案内で確認してください)。

提出部数は正本1部・副本1部の合計2部です。市のページでは、提出された書類は返却できないとされています。手元の資料は、提出前にコピーを取っておきましょう(登記事項証明書は写しやオンライン取得のものでも可とされています)。令和3年(2021年)1月1日から、届出書・申出書への押印も不要になっています。

書類の中でも、登記事項証明書と地積の食い違いは見落としやすい点です。境界や越境が絡む土地では越境の確認と覚書の考え方も合わせて確認しておくと、売却全体の段取りが整います。

届出をしなかったらどうなる?

届出が必要な場合に届出をせずに土地取引をしたり、虚偽の届出をしたりすると、50万円以下の過料に処せられることがあると、つくば市のページに記載されています。罰則の有無だけでなく、買主との契約日程を組み直すことになったり、買主の資金計画や引渡し時期に影響が出たりするおそれもあるため、「売る前に対象かどうかを確かめる」ことが最大の予防策です。

「買取の申出」という任意の制度もあります

つくば市のページでは、都市計画施設等および都市計画区域内の200㎡以上の土地を所有する人は、その土地を地方公共団体が買い取ることを希望するとき、つくば市長に買取りの申出をすることができるとされています。届出は義務、申出は任意の制度です。申出書の様式(土地買取希望申出書)も市のサイトに用意されています。

ただし、申出をしたからといって、市が買い取ることや、希望する価格で売れることが決まるわけではありません。通常の売却と比べて、どちらが自分の事情に合うかは、市の窓口と不動産会社の両方に相談して決めるのが現実的です。

売却前の公拡法チェックリスト

  • 土地の地番・面積(登記事項証明書の地積)を確認した
  • つくミルで、都市計画施設等の区域にかかっていないか見た
  • 市街化区域内で、契約1件あたりの面積が5,000㎡以上にならないか確認した
  • 複数筆・隣接地をまとめて売る場合の「一団性」を市に確認した
  • 国土法の届出(買主の契約後2週間)の要否も、不動産会社・買主と共有した
  • 届出が必要な場合の書類(位置図・公図または現況測量図・登記事項証明書・委任状・正副2部)の準備を始めた
  • 契約日・引渡日の予定に、市からの通知を待つ期間の余裕を持たせた

古い土地では、境界・測量・使用履歴など、売却前に確かめる項目が複数あります。土の履歴に不安がある場合は土壌汚染が気になる土地を売る前の確認、区画整理区域の土地なら仮換地を売る前の確認も参考にしてください。

つくば市の土地売却はハウスドゥ つくば研究学園都市へ

ハウスドゥ 家・不動産買取専門店 つくば研究学園都市では、つくば市内の土地・戸建・マンションの売却や買取のご相談をうかがっています。公拡法のような「売る前の確認事項」は、売却の流れの初期に整理しておくことで、契約日や引渡し時期の組み立てが進めやすくなります。市への確認が必要な内容は市の窓口にご案内し、売却の進め方や必要書類の整理をお手伝いします。対象かどうかの個別判断は、市の確認結果を前提に進めます。

電話:0120-565-072/無料の売却相談フォームはこちら

よくある質問(FAQ)

Q1. 公拡法の届出は、売主と買主のどちらが出しますか?

公拡法の届出は、土地の所有者(売主)が契約を結ぶ前に行います。買主が契約後に出すのは国土利用計画法の届出で、別の制度です(つくば市の公式案内)。

Q2. 一般的な住宅用の土地の売却でも、公拡法の届出は必要ですか?

つくば市では、都市計画施設等の区域で200㎡以上、市街化区域で5,000㎡以上などが対象として案内されています。住宅用地でも、都市計画施設の区域にかかって200㎡以上なら対象になりうるため、売る前に市で確認してください。

Q3. 届出から3週間たてば、必ず売却できますか?

いいえ、売却完了の保証ではありません。3週間は、市が買取希望の有無を検討・通知する期間の目安で、通知内容によって譲渡制限の終わる時期が変わります(協議なら通知日から3週間、買取希望なしなら通知時)。

Q4. 届出をしないとどうなりますか?

必要な届出をせずに取引したり、虚偽の届出をしたりすると、50万円以下の過料に処せられることがあります(つくば市の公式案内)。

Q5. 提出書類は何を、何部出しますか?

土地有償譲渡届出書、位置図、公図の写しまたは現況測量図、土地登記事項証明書、必要に応じて住民票・委任状を、正本1部・副本1部の合計2部で提出します。様式は市のサイトで確認できます。

Q6. 一部だけ都市計画道路にかかっている土地はどう扱われますか?

重なっている部分の面積だけで判断せず、地番・公図や測量図などの図面・契約の対象になる土地全体の面積をそろえて、つくば市の都市計画課へ確認してください。

出典・確認日

上記は2026年11月3日に確認した内容です。法令や市の運用は改正・変更されることがあるため、手続きの前に必ず最新の公式情報と窓口でご確認ください。法令例外(届出の適用除外など)の詳細は本記事では扱っていません。税金や契約の個別判断は、税理士・司法書士・宅地建物取引士などの専門家にご相談ください。

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