結論:土地を売るとき、売買しただけで土壌汚染の調査が必ず必要になるわけではありません。ただし、過去に工場や事業場として使われていた土地や、これから大きく掘削・盛土をする予定がある土地では、土壌汚染対策法の手続きが関わることがあります。まずは「その土地が過去に何に使われてきたか」と「手元にどんな資料があるか」を整理し、つくば市の環境保全課へ確認する流れがおすすめです。

この記事では、つくば市で土地の売却を考えている方が、売る前に何を調べ、どの資料を集め、市にどう確認すればよいかを、つくば市の公式ページの内容に沿って整理します。個別の土地が法令に該当するかどうかは、市や専門家への確認が必要です。

土壌汚染が気になる土地の売却で、先に押さえる3つのポイント

  • 売るだけで全件調査とは限らない:調査が関わるのは、法律で定められた場面(施設の廃止、一定規模以上の形質変更など)が中心です。
  • 「区域に指定されていない」=「汚染がない」ではない:指定の有無は台帳などで確認できますが、実際の土の状態を保証するものではありません。
  • 費用や売却価格への影響は土地ごとに違う:調査・対策の費用や価格への影響は、土地の履歴・規模・汚染の有無で大きく変わるため、この記事では金額や下落率は示しません。

土壌汚染対策法とは?売主が知っておきたい基本

土壌汚染対策法は、鉛・ヒ素・トリクロロエチレンなどの「特定有害物質」による土壌汚染の状況を把握し、人の健康への被害を防ぐための法律です。すべての土地が調査の対象になるわけではなく、汚染の可能性が高い土地や、一定の手続きの対象になる土地について調査や届出が求められます。

調査の結果、汚染が確認されると、健康被害のおそれの程度に応じて「要措置区域」や「形質変更時要届出区域」に指定されることがあります。区域に指定された土地を売買する場合は、重要事項説明の対象になるとされています。

土壌汚染対策法で調査・届出が関わる主な場面の早見表|つくば市の土地売却

土地売却で土壌汚染の調査・届出が関わる主な場面

つくば市の公式ページと、法律の一般的な解説をもとに整理すると、調査や届出が関わる主な場面は次のとおりです。

場面 内容の目安
有害物質使用特定施設の廃止 有害物質を使う特定施設を廃止した場合などに、土壌汚染状況調査の結果を報告する必要があります。
一定規模以上の土地の形質変更 掘削と盛土の合計面積が3,000平方メートル以上になる場合は、届出が必要です。
有害物質使用特定施設等のある敷地・調査猶予の確認を受けた土地 現に有害物質使用特定施設がある工場・事業場の敷地等や、法第3条第1項ただし書の確認を受けた土地では、形質変更が900平方メートル以上で届出が必要です。
健康被害のおそれがあると判断された土地 行政が調査を命じる場合があるとされています。
売買などに伴う自主的な調査 調査自体は法律上の義務ではありません。調査で汚染が分かった場合の区域指定の申請(法第14条)も任意です。

ここでいう3,000平方メートルや900平方メートルは、土地全体の面積ではなく、実際に掘削や盛土などの形質変更を行う部分の面積を指すとされています。売却のあと、買主が造成や建築を計画する場合に関わってくる点も、頭に入れておくと安心です。

※面積の数え方や例外、届出の期限などの詳細は、市が公開している「届出の手引き」で確認してください。この記事では、公式ページで確認できた範囲だけを扱っています。

売る前に集めておきたい資料チェックリスト

土壌汚染が気になる土地では、「過去に何に使われていたか」を説明できる資料があるほど、市への相談も不動産会社への相談もスムーズです。

  • 登記事項証明書(登記簿謄本):現在の所有者や地目、過去の変遷を確認します。必要に応じて閉鎖された登記の記録も確認します。
  • 公図:土地の位置や範囲、周辺との関係を確認します。
  • 過去の住宅地図や古い地図:以前に工場、作業所、クリーニング店などがなかったかを確認する手がかりになります。
  • 調査報告書:過去に土壌調査や地歴調査を行っていれば、その報告書を探します。
  • 市からの通知や確認書:調査猶予の確認通知書など、市から届いた書類があれば保管場所を確認します。
  • 前の所有者・利用者の情報:聞き取りの内容は、事実かどうか分からない場合もあるため、書類で裏付けを取れるものは取っておきます。

土壌汚染が気になる土地を売る前の確認5ステップ|つくば市の土地売却

つくば市への確認方法|窓口・予約・使う様式

土壌汚染対策法に関する届出や相談は、つくば市の生活環境部 環境保全課が窓口です。市のページには、担当者が不在の場合は書類の収受や受領ができないため、事前に予約してほしいとの案内があります。

  • 窓口:つくば市 生活環境部 環境保全課(つくば市研究学園一丁目1番地1)
  • 電話:029-883-1111(代表)
  • 参考様式:土地利用履歴書、土壌汚染状況調査の実施及び報告に関する同意書

土地利用履歴書は、その土地が過去にどう使われてきたかを整理する書式です。売却前に自分で履歴を整理するときの見取り図としても役立ちます。様式は更新されることがあるため、利用前に必ず市の最新ページを確認してください。

調査猶予の確認を受けた土地を引き継ぐとき

工場や事業場として使われていた土地では、法第3条第1項ただし書の確認(調査猶予)を受けている場合があります。市の様式ページでは、次のような手続きが案内されています。

  • 承継届出書:確認を受けた土地の所有者の地位を承継したときに行う届出です。添付書類として、確認通知書の写し、登記事項証明書、公図が挙げられています。
  • 土地利用方法変更届出書:確認を受けた土地の利用方法を変えるときに行う届出です。

相続した土地や、親が使っていた事業用地を売る場合は、猶予の確認を受けた土地かどうかを、市に確認しておくと安心です。

関連記事:土地の所有者を調べる方法は?無料で確認できる範囲と登記の確認手順【つくば市】

自主的に調査して汚染が分かったとき

売買に伴って自主的に土壌調査を行い、汚染が分かった場合は、土地の所有者等が要措置区域等の指定を申請することができます(法第14条、市の様式第20)。この区域指定の申請は任意で、申請しなければならないという義務はありません。申請する場合は、土壌汚染状況調査の結果、周辺の地図、土地の場所を示した地図、土地の所有者等であることを示す書類(公図や登記事項証明書など)が必要とされ、申請者以外に所有者がいる場合は、その方の同意書も必要です。市のページでは、調査は法に準じた方法で行うよう案内されています。

ここで注意したいのは、「区域指定の申請が任意」であることと、前の項目で整理した法第3条・第4条の調査報告や形質変更の届出などが別の義務であることです。自主調査の結果を理由に、法で定められた調査・届出がなくなるわけではありません。

また、環境省のページによると、法に基づいて調査の義務が生じる場合の土壌汚染状況調査は、指定調査機関が行うものとされています。一方で、法に基づく義務以外の調査は、必ずしも指定調査機関の指定を受けている必要はないとされています。ただし、区域指定の申請を考える場合は、法に準じた調査が求められるため、どの機関にどの範囲を依頼するかは、事前に市へ相談すると安心です。調査の要否や範囲は、買主の意向や土地の履歴によっても変わるため、専門の調査会社や不動産会社と相談しながら判断しましょう。

「区域に指定されていない」でも安心とは限らない理由

要措置区域や形質変更時要届出区域は、役所の台帳で確認できるとされています。ただし、台帳に載っていないことは、過去の利用履歴を調べなくてよいことを意味しません。指定されていない土地でも、建築や造成の段階で土壌の問題が見つかることがあるとされています。

反対に、売主が「汚染はない」と書面などで言い切ってしまうのは避けましょう。実際に調べていない場合は、「調べた範囲」と「分かっていること」を正確に伝えることが、後のトラブルを避けるうえで大切です。

売却前にやってはいけないこと

  • 履歴を調べずに「問題ない」と決めつける:見た目がきれいな更地でも、以前の用途で状況が変わることがあります。
  • 買主に分かっている情報を伝えない:過去の工場利用など、把握している事実は不動産会社に共有しましょう。
  • 根拠のない金額で値引きの話を進める:調査や対策の費用は土地の状況によって異なります。まず事実の確認が先です。
  • 掘削や造成を自己判断で始める:規模や内容によって届出が必要になる場合があります。

仲介と買取、どちらで売るか

土壌の状況が気になる土地では、買主が不安を感じやすく、仲介で買主を探すのに時間がかかることがあります。買取では、不動産会社が買主になるため、状況を踏まえた個別の条件で進められる場合があります。ただし、買取の可否や条件は土地の状況によって変わります。まずは持っている資料をもとに、仲介と買取の両方で話を聞いてみるのも方法です。

関連記事:建物状況調査(インスペクション)とは|売主が知っておきたい調べる範囲・実施の判断・説明のされ方【つくば市】 / アスベスト事前調査は不動産売却前に必要?解体費用への影響と報告義務 / 越境とは?読み方・境界確認と覚書を売却前に整理【つくば市】

よくある質問

Q1. 土地を売るときは、必ず土壌汚染の調査が必要ですか?

売買しただけで、すべての土地に調査義務が生じるわけではありません。調査が関わるのは、有害物質使用特定施設の廃止や、一定規模以上の形質変更など、法律で定められた場面です。個別の土地が該当するかは、つくば市の環境保全課に確認してください。

Q2. 土壌汚染対策法の届出が必要になる面積はどのくらいですか?

つくば市の公式ページでは、掘削と盛土の合計面積が3,000平方メートル以上の形質変更、現に有害物質使用特定施設がある工場・事業場の敷地等や、法第3条第1項ただし書の確認を受けた土地では900平方メートル以上の形質変更が、届出の対象と案内されています。詳しい条件は市の手引きで確認してください。

Q3. 過去に工場だった土地を相続しました。まず何をすればよいですか?

登記事項証明書や公図、過去の地図などで利用履歴を整理し、調査報告書や市からの通知が残っていないか探します。そのうえで、つくば市の環境保全課に、調査猶予の確認を受けた土地かどうかなどを確認すると、次の手順が見えやすくなります。

Q4. 自主調査で汚染が見つかったら、区域指定の申請は必須ですか?

売買などに伴う自主調査で汚染が分かった場合の区域指定の申請(法第14条)は、任意とされています。ただし、法第3条・第4条に基づく調査報告や形質変更の届出など、法で定められた別の義務がある場合は、それとは分けて考える必要があります。申請する場合は、市の様式に沿って、調査結果や地図、所有者であることを示す書類などをそろえます。

Q5. 区域に指定されていなければ、土地は安全だと言ってよいですか?

言い切るのは避けてください。指定の有無は台帳などで確認できますが、実際の土の状態を保証するものではありません。調べた範囲と分かっていることを、そのまま伝えることが大切です。

Q6. 土壌汚染が心配な土地でも、買取は相談できますか?

相談は可能です。ただし、買取の可否や条件は土地の履歴や状況によって変わります。資料をお持ちいただければ、状況に合わせて確認します。

つくば市の土地売却のご相談はハウスドゥ つくば研究学園都市へ

ハウスドゥ つくば研究学園都市(家・不動産買取専門店)では、土地の売却に関するご相談を受け付けています。土壌汚染が気になる場合も、手元の資料をもとに、仲介と買取の進め方を一緒に整理します。

お電話:0120-565-072 / 査定・相談フォームはこちら

この記事の根拠と確認日

本記事は、2026年11月3日時点で確認した次の公開情報をもとにした、一般的な説明です。法令の該当や手続きの詳細は、市・専門家に個別に確認してください。

なお、市が公開している届出の手引き(PDF)や、指定区域の最新一覧は、今回確認していません。

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